臺灣鐡路周遊記
なぜ、いまさら台湾なのか?
夏のギリシャ旅行で、僕はもう遠いところへ行くのは疲れた。
ならば近場で、まだ行ってない国はある。
最初はフィリピンに行こうと考えた。
マニラは大都会で不快そうな感じがする。
ミンダナオ島は良さそうだが、イスラム武装組織
アブ・サヤフの拠点らしいからビビッてやめた。
エルニド、セブは安全そうだが
ここは男一人で行くところではない。
フィリピンはやめだ。
もっと近場に行ってない国、台湾(中華民国)があった。
そこで、今回は暖かい台湾で、海沿いの鉄道を一周しながら
グルメ旅にしようっと♪♪♪
2001年12月29日(土)
福岡空港から、わずか2時間20分で中正国際機場に着いた。
両替する。1元=3.89円
空港からバスで70分(100元)
14時すぎに台北車站(=駅)に着いた。
今日は台北に泊まるつもりは無い。
一気に次の街に行きたい。
飛行機の中で次の街を「台中」と定めていた。
掲示してある時刻表を確認して、窓口で
「台中 自強号 14:30 or 15:00」
と紙に書いて見せる。
窓口のオッチャンはパソコンで調べたあと
「無座」と書いて手を横に振った。
あれれ・・
失意のまま窓口を離れる。
自強号(ズーチェンハオ)は混むとは聞いていたが・・
うーむ、まいったね。
初日から3時間近く、立って行くのはつらいよ。
しかし、それに乗らずに、遅い発車の列車にすると
今晩のホテル探しがつらくなる。
ホテルが満室だったら、冬場は凍死する可能性がある。
その恐怖は過去に一度、イタリア−スイス国境の村で経験したことがある。
その時はスキー客で満杯の村(ティラノ)に無謀にも飛びこんだのだ。
(その話は別の機会にします。)
ということは、これは今日は火車(=列車)に乗らずに
台北で1泊しなさい、という神の指示か?
いや、まだ選択肢が残っていた。
逆周りではどうか?
西部幹線がだめなら東部幹線がある。
気を取りなおして再び、長蛇の列に並ぶ。
同じ窓口のオッチャンに「花蓮 自強号」と書いて見せる。
14:30発 花蓮行き 自強号の指定席切符が買えた。
(445元=1730円)
なーんだ、簡単じゃん。

http://plaza13.mbn.or.jp/~taiwan_boy/mainmenu.htm
(から無断で拝借しております)
2月台(=プラットフォーム2)から火車に乗りこむ。
火車は満席で、立っている人が数人いる。
ということは残り少ない席を確保できたってことだね。
火車には暖房が無い。寒い。
隣のおっちゃんに基本用語の発音を教えてもらったが、中国語は難しい。
言えるのは「ニーハオ」と「シェーシェー」くらいだ。
右側に見える景色は険しい山々・・
地図を見ると雪山山脈とある。雪山3884m、大雪山3529mと高い。
あいにく曇り空で山の上の方は良く見えない。
17:30 花蓮(ファーレン)に着いた。
日が沈んで、まっ暗になっていた。寒い。
日本並に寒い。
僕の中では台湾は常夏の南の島のイメージだったが
実際はまったく違った。
バックパックを担いでトボトボと駅を出ると
駅前にホテルが2軒並んでいる。
ホテルに向かって歩いていると
胡散臭い白髪のおばちゃんが寄って来て
700元(2720円)でいいから泊まってくれと懇願する。
仟台大飯店という古臭いホテルだ。
部屋を見に行く。
お湯が出るのか確かめてみると、しっかり熱いお湯が出た。
しかし狭いので、広い部屋は無いのかと聞く。
ダブルベッドのスウィートルームが1200元(4670円)
よし、その部屋に決めた。
繁華街にタクシーで行くと
ガイドブック一押しのワンタン屋が行列になっている。
期待がふくらんだが、その味は期待以上ではなかった。
ワンタン湯は50元(195円)
更に大衆食堂で小龍包を食べたら腹が膨れた。
歩いてホテルまで戻ろうとして道に迷う。
若い男にホテルまでの道を聞いたら
その男が車で宿まで送ってくれた。
部屋に冷蔵庫があるので
近くのセブンイレブンで、台湾 ?酒(=ビール)
350cc:27元=105円
を3本買って、部屋でTVを見る。
「みのもんたの愛の貧乏脱出」と「火曜サスペンス劇場」を放映していた。
チャンネルは80以上あってCNNや日本の民放も見られるがNHKはない。
ということは大晦日の「紅白歌合戦」は見られないのかな。
去年、プノンペンの高級ホテル「ソフィテル」では見ることができたのだが・・
2001年12月30日(日)
朝、花蓮の街を少し歩いたが、何も無い平和な町だ。
この町は、少し離れた花崗岩の名所の中継地点に過ぎない。
すぐに宿を出て、9:45発台東行き自強号に乗る。
12時過ぎに「台東車站」に着いた。
ホテルは東之郷大飯店に決めて
ガイドブック一押しの「老大衆餃子館」で
水餃子(1個3元)と酸辣湯を食べる。
まあまあですが、冴えないですな。
ガイドブックを読むと「台湾料理のルーツは福建省南部で
その歴史は、まだ300〜400年に過ぎない」と書いてある。
知らなかった。
台湾は歴史の浅い国だったのだ。
だから、名所旧跡もほとんど無い。
そう考えると日本はすごい。
そこかしこに寺や神社、城、仏像、絵画、温泉などがあって古い歴史がある。
特に京都や奈良には、おびただしい数の観光ポイントがあり
それぞれに個性を持ち、しかも季節ごとに風景がかわる。
真剣に見たら何ヶ月もかかるだろう。
・・と考えながら、台東の街を歩いてみる。
この街には肌の色がインド人なみに黒い人種の人が何割かいる。
マレー、シンガポールあたりにいる人種に似ている。
花蓮と同じで見所は無い。台東には何も無く
ただ人が大勢生活しているというだけの田舎町だ。
夕食はホテルで紹介された店で、羊肉の鉄板焼きにする。
店は吉野家の作りで、一人ずつに鍋か鉄板が与えられて自分で焼く。
混んでいて活気がある良い店だった。
ホテルに戻って中国語で部屋番号を告げると
フロントの愛想のいいおばちゃんは微笑んで、ルームキーをくれる。
「部屋に女を呼ぼうか?」とおばちゃんは言う。
「いや、僕はあなたが好きです。ぜひ部屋に来てください!」と言う。
おばちゃんは喜ぶ。
部屋でTVを見ながら、ビールを飲む。
「思い出にかわるまで」(タイトルは”危険男女”)を放映している。
今井美樹と松下由樹が若い。いつ頃のドラマだったろうか?
オーバーラップする想い出が無いのでわからない。
CMの多くは自動車、家電、カメラ、携帯電話、化粧品、洗剤などで
それらは日本製品が大半だ。
台湾製品のCMはほとんど無いに等しい。
他国のハイテク製品に太刀打ちできないのだ。
CMで扇動して庶民の購買意欲を掻き立てる。
品質が良いものは高くても買いたい。
庶民は必死に稼いでそれを買う。
TVのCMを見続けていると、欲しいものは次から次へと現れる。
さらに庶民はがんばって稼ぎ、死ぬまで買い続ける。
TVを見ずに自給自足をしていれば、のんびり暮らせたのに・・
庶民が支払った金の何割かは日本など先進国の取り分だ。
後進国はこのように搾取され、先進国に富をもたらす。
幸運にも先進国に生まれた、世界ではほんのひと握りの人々が
後進国の人々を扇動して掠め取ったピンハネで潤い
その潤いで飽食の限りを尽くしている。
(飽食の旅をしているのは僕だった)
このような搾取の構図は
日本社会の中にも同じように存在するんじゃないかな。
2001年12月31日(月)
今日は大晦日。
次の街、高雄のホテルで「紅白歌合戦」〜
「ゆく年くる年」で除夜の鐘を聞きたい。
プノンペンで見ることができたのだから、台湾でも見れるはずだ。
朝粥を食べながら考える。
ガイドブックで調べて、ホテルは高雄の「漢来大飯店」と決める。
「漢来大飯店」は「漢神(ハンシン)デパート」の上にあり
眺望が良い高級ホテル、とガイドブックには書いてある。
高級ホテルは駅から遠いのが常で、満室だと断られた場合
次のホテルまで歩くのはツライので予約しておきたい。
僕の服装や容貌を見て断られる可能性もあるしね。
東之郷ホテルのフロントのおばちゃんに
「漢来大飯店を予約してくらはい」と頼むと
電話で予約してくれた。
おばちゃんにはチップをはずむ。
台東車站から南廻線を自強号に乗り、2時間半で高雄車站に着く。
(364元=1420円)
タクシーで漢来大飯店に乗りつけて
ボーイにタクシーのドアを開けさせ
サンダル履きでヨレヨレのユニクロのズボンの僕は
バックパックを担いだまま、立派なフロントへと赴く。

「ニーハオ、アイハブ リザべイション」と言うと
お姉さんは「コンニチワ、オナマエハ?」と日本語で答える。
漢来大飯店” GRAND HI−LAI ”は素晴らしいホテルだった。
与えられた部屋は36階で海を臨み、料金は3,190元(12,270円)
ベッドはダブルで枕は4つもある。ユカタもある。
大きなデスク、ソファにはオットマンもある。
新品のスリッパは持って帰っていい。
大型のTVではBSと地上波を見ることができ
BSではNHKのBS1と2、WOWOWなど17チャンネルある。
つまり「紅白歌合戦」を見ることができる!
(ほかに有料のマル秘チャンネルもあるよーん♪)
コードレスのキーボードでインターネットもできる。
チャイムが鳴り、ウエルカムフルーツが運び込まれた。
邪魔されたくないときはこのチャイムを切ることも出来る。
ホテルには多くのレストランがあり、階下は高級デパート
45Fにはスカイラウンジがある。
浴室には大理石がふんだんに使われていて
浴室にもTVがあり、シャワールームはガラスばりでバスタブとは別。
バスタブにジェルを入れ、たっぷりお湯を入れる。
最高だね!
しかし、高雄もこれまでの街と同じく、空気が悪い。
少し歩くと気分が悪くなる。マスクが欲しい。
交通マナーは悪い。原付は平気で歩道を走るし
その歩道には原付がいっぱい止めてあって歩きにくい。
足の悪い人が多いのは、交通事故のせいだと思われる。
高級レストランで、お勧め料理は何かと聞く。
「清沙蝦球」(400元)、「三杯?雛」(360元)を勧められ食べる。
まあまあうまいが、2品とビールで3260円。高いぜ!
3000円も出すなら日本でもっとうまい中華が食べられるよ。
「紅白歌合戦」はいまいち盛り上がらない。
ジジババが多すぎる。松田聖子もババアになったなー
と思っているうちに「ゆく年くる年」の前に寝てしまった。
2002年1月1日
高雄車站から自強号で台中車站へ向かう。
(470元=1830円)
2時間20分で台中車站へ着く。西部幹線は速い。
台北まで4時間半で一気に行くこともできた。
台中車站で降りると人がウジャウジャいた。
台中は大都会だ。
ホテルは駅前の名君大飯店にする。
広くてきれいな部屋で1280元(4980円)
近くの中級店で小龍包を食べる。
この小龍包は中から肉汁が出てきてうまかった。
130元(505円)
さて、今日は初詣に行きたい。
歩いて孔子廟を目指す。
この街は汚い。ゴミだらけだ。気分が悪くなる。
ゴミだらけの歩道の写真を撮る。
孔子廟でこれまでの安全な旅のお礼を述べ、更なる安全を祈る。
しかし、ガイドブックを読むと孔子廟は学問の神様だった。
次に宝覚寺を目指して歩く。
宝覚寺には金色の巨大な布袋様がお座りになっている。(30m)

http://member.nifty.ne.jp/takamori/honbun/taiwan3_1.htm
(から無断で拝借しております)
これはすごい、と写真を撮ろうとしてカメラが無いことに気づいた。
ヒップバッグのファスナーが全開になっている。
盗られたのか!?
だが、ヒップバッグの中の1万円札と100ドル札は残っている。
人ごみの中は歩いていない。
だから、カメラは盗られたのではなく、自分で落とした可能性が高い。
今歩いて来た道を戻って捜したが、無い。
そのカメラは新宿西口のヨドバシカメラで約3万円で買ったIXY。
IXYは1997年末のイタリア旅行の時から5年間活躍していた。
カメラは神によって召されたのか。
写真なしで読んでもらえるよう文章力を高めなさい
という神の啓示なのか・・
よって、この旅行記には写真が無い。
カメラが無くなったので、現像する手間もお金もいらなくなった。
スキャナーで取り込む手間も無くなった。
ということは、スキャナーも必要ないじゃん!
最近、デジカメの売上がどんどん増えて
APSカメラはほとんど売れてない、と新聞に書いてあった。
とすると、フィルム業界やプリント業界はジリ貧だね。
(デジカメに切り替えた方、僕にAPSカメラを下さい)
「APSカメラ撤退相次ぐ」日経新聞(2002.1.18)
| 撤退 | コニカ、オリンパス、ミノルタ |
| 新製品開発停止 | 旭光学、ニコン |
| 継続 | 富士写真フィルム、キャノン |
2002年1月2日
台中車站の窓口で「台北 自強」と書いて見せる。
窓口のオッチャンは「営光」と書く。
台北には次の自強号より営光号が先に着くと言っているのだ。
営光号は自強号より遅い。
営光号に乗り、2時間50分で台北車站に到着した。
ついに5日間で臺灣鐡路一周を達成したのである。
それは至福の瞬間であるはずだったが、何の感動も無い。
漢字の読み書きができれば、子供にでもできる簡単な旅なのだ。
台北のホテルは
繁華街にありMRT(市街電車)まで歩いていける国王大飯店に決める。
昨日の台中と同じクラスの部屋だったが
値段は台中の2倍以上の2720元(10,470円)
台北のホテルは高い。
台北にはMRTがあるので
街の空気は他の街より改善されているようだ。
街のゴミも少ない。
今回、訪れた街の中で最も印象が良い街だ。
梅子餐庁(=レストラン)という高級店に入り
春巻と蝦団子と沙青菜にする。
味はまあまあだが高い。
MRTに乗って中山(チュンシャン)→士林(シーリン)に向かい
タクシーに乗り換えて、有名な「故宮博物館」に行く。
博物館には日本人の団体客がウジャウジャいる。
さらに、MRTを駆使して、有名どころはひととおり見終わった。
S嬢に頼まれていたお菓子「牛舌餅」を三越で買うと
台北にいる用事はなくなった。
ガイドブック「個人旅行」を読むと
「新北投」というところに温泉街がある。
「個人旅行」にはバスで行け、と書いてあるが
MRTで行けることがわかる。
古い情報を更新していないのだ。
「個人旅行」も、けっこういい加減だ。
台中の街図にも間違いがあった。
いつも「歩き方」を使っているが、今回は「個人旅行」を試してみた。
その結果、「個人旅行」より「歩き方」の方が面白いことがわかった。
「歩き方」の方が読者の投稿も含めて、玉石混交だが圧倒的に情報量が多い。
その情報を”ホンマかいな〜?”と疑いながら読むのが楽しいのだ。
その疑わしい情報によって、行く方向が変わることがある。
逆に、情報がなければ行動を起こすことも無い。
MRTに乗って温泉街の「新北投」(シンペイトウ)へ向かう。
電車で温泉に行けるなんていいね。
まずは「地熱池」というところへ行ってみる。
もうもうと湯煙が立ち上っている。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~kenta_T/taipei04.html
(から無断で拝借しております)
卵の腐った臭い
これは硫化水素(H2S)という有毒ガスだ。
流れ出る温泉が川になったところで
観光客が足を入れて温泉を楽しんでいる。
混浴の露天風呂があった。
(つづく)