マルチメータ
少し前に中古のデジタルマルチメータをゲットしました。「安物買いの銭失い」という表現がしっくりくる感じになってしまいましたが紹介してみます。本項では解説などはありません。
最後にゲットしたのが次の写真にあるHP社の34401Aです。十分使えそうなので多分これで打ち止めでしょう。

デジタルマルチメータ 34401A

パネルは人がスケートで踊っているような模様の見事なひび割れです。オークション出品者の撮った写真です。おかげで通常より安価にゲットできました。揺すると中がゴソゴソいう状態でアクリルパネルの破片が内部に入っていました。あまりに格好が悪いのでアクリルパネルをレストアしました。その際に内部の写真を撮ったので以下に掲載します。

34401A ネジを外して開封したところ

開封には本来なら先端が星型になったドライバが必要ですが、適当な大きさのマイナスドライバで開封することができました。

34401A 上面から見たところ

写真を撮る気になったのはそのシンプルで合理的なつくりに、へぇーっと思ったからです。基板はパネル用におそらく1枚と本体の1枚、計2枚(多分)です。

34401A 入力ジャック、入力フロント/リア切り替えスイッチ、電源トランス付近

電源トランスは普通のEIコアで特に鉄ケースもなし、銅のショートリングもなしです。技でなく、正直に良い部品と思えるのは測定端子のフロント/リア切り替えプッシュスイッチでしょうか。端子が金メッキです。スライド接点は見えませんが気を遣ってあるかと思います。説明書には入力端子周りが銅合金で接触電位差かなにかに気をつけているような記述があったと思います。入力回路付近は高電圧や数Aの電流が印加されるケースもあるために多少ごつい作りになっているようです。
シールド板のアースはシールド板のL型フックを基板にあけたスリット上の穴に差し込んでおいて、固定するのはネジ1本です。L型フックと基板表面との接触部がネジの箇所と共にシールド板のアースになります。シールド板のネジは裏面側のシールド板がメスネジになっていて、表面、裏面のシールド板が一度に固定されます。

34401A 本体を裏面から見たところ

裏面もシンプルです。

34401A 本体基板とシャーシ

本体基板とシャーシの関係もシールド板と基板の関係に似ています。シャーシのフックの形状が基板の長い穴に刺さり、接触部分がアースに落ちているようです。

34401A ひび割れた表示パネルを外した正面からの風貌

表示パネルはややグリーンの入ったスモークのアクリル製でした。近所の店にはピッタリの材料は無かったのでスモークのアクリルを購入して、ほぼ同一寸法に切りました。メーカと型番の部分は作ったパネルに貼ろうかと思って残しておきました。

34401A 交換した表示パネルで写真をパチリ

肉眼では蛍光表示管のグリーンに見えますが、写真を撮るとなぜか(デジカメのホワイトバランス自動調整機能?)このようになってしまいました。型番の表示パネルへの貼り付けは、数値をかなり斜め上から読みとろうした場合に邪魔になり得るのでやめることにしました。今は天板に両面テープで貼り付けています。

次は34401より前に入手したアドバンテストのR6551です。交流のレンジが校正できないというものです。シリアル番号シールが剥がされており、メーカ修理を受けられないだろうということでした。蓋をあけてみましたが、回路図やマニュアルがないとどうにもなりません。それらがあっても手に負えるかどうか分かりません。

R6551 ふたを外した正面の写真

基準値を差し引いたり、その他の機能があるようですが説明書を持っていないのでディープな使い方は分かりません。

R6551 裏面の様子
やはりかなりシンプルです。


R6551 上面から見たところ(大き目の小基板付近)

34401に比べると正面パネル基板と本体基板以外にやや大きめの小基板(シールドあり)が一枚、あとごく小さな基板が数枚と多少複雑ですがそれでもかなり合理的にできているようです。また本機も電源トランスはシールドケースなし、ショートリングなしのEIコアというありふれたタイプです。
さらに、共通していえることはマルチメータの調整、校正にはねじ回しは使われないということです。デジタルの校正データを設定して一丁上がりということでしょう。自動化ラインには最適の方法だと思いますが、徒手空拳のアマチュアには厳しい状況です。ただ、現時点ではR6551のマニュアルは正規に購入可能ですからチャレンジするのも良いでしょう。どのようなマニュアルがあり、修理に必要な情報が得られるかどうか自分には不明ですが‥。自分のスキルではマニュアルの購入費用だけ損するかもしれず、現状の測定可能範囲で使っていくか、売り飛ばすのが良いと考えています。

最後はR6551より前に入手したタケダ理研(現アドバンテスト)のTR6875です。一応動作するが精度その他不明のジャンクとのことでした。これはもともと電流測定機能がありません。また、古いためにメーカサポートも打ち切られています。桁数はともかく最小分解能が1uVというのは、もし初期性能が維持されていればなかなかのものです。

TR6875 正面写真

見て分かるようにゼロ調整用のネジが正面から見えており、容易に調整可能となっています。

TR6875 裏面写真(GPIBアダプタが写っている)



GPIBアダプタを取り外したところ(上がGPIBアダプタ、下がTR6875の本当の裏面)



TR6875 天板を外したところ

調整ネジだらけです。

TR6875 上面、シールド板を外したところ

基板には絶縁性をさらに良くするためのパーツがふんだんに使用されています (写真では意外と写っていませんが)。またシールドを良くしようとしたのか、腹巻付きのパーツも見受けられます。念には念を入れて良くしておこうという事なのか、最小分解能がかなり高度なので必須なのか、自分には判断できません。

TR6875 上面、さらにその下のシールド板を外したところ



TR6875 正面斜め上からのアングルで撮影

なんだか立派そうです。

TR6875 裏面から (上に写っているのは底板)

底板のうち、電源部のブリッジダイオードに近い部分とケミコンに近い部分がやや黒ずんでいます。3端子レギュレータに近い部分もわずかに黒ずんでいますが、ダイオード近くの方が断然黒ずんでいます。放熱板の有無が効いているのでしょう。ケミコンは殆ど発熱しないはずなので、内部の成分がわずかずつ漏れ出したということでしょうか。天板のうち上面左奥にあったやや背の高いケミコンに近い部分もやはり黒ずんでいました。
このマルチメータは現状、ある電圧を与えても測定値がおよそ安定するまで数秒かかり、さらに安定するまで数分かかります。どこが悪いのか自分には分かりません。
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