2004年度 文化事業推進委員会 公式行事推奨

みちのく一人旅は時計仕掛けのアップルの夢を見るか

作:ジミ・ヘンデルセン(東北ツーリング初心者)

多分、阿武隈PAにて

夏休みをいかに過ごすのか?というテーマを考えること自体は楽しい事ではあるが

いろいろ想いをめぐらすものの、結局どれも実現するにはめんどくさいなあという感じで

まるで悩み事のようにさへ感じられてしまったりする。

何か決め手になるものがヒラメカナイト、自分が実行するプログラムが作動しない。

かといって、そのヒラメキが何か「おお!」というような確実な手ごたえを与えてくれるものとも限らない。

 

今回は、友人マツ氏とのアジアカップTV観戦後の意見交換電話での会話がヒラメキとなった。

「じみへんは、夏休みどうする?」

「うーん、東北にでも行こうかと思ってるんだけど、まだ迷ってる」

「けっこう、祭りとかも多いよね、この時期。たとえば『ねぶた祭り』とか」

「ああ、TVとかでよくやってるね、青森のねぶた祭り・・・

で、インターネットで調べたらけっこうちゃんとした公式サイトがあって

無料のキャンプ場も現地にあるってことがわかって

「東北ツーリング」「キャンプ」「イベント」が、なんとなく頭の中でヒラメイタ!ので決定してみました。

 

出発前夜の31日の仕事のあとに一生懸命に、さらなる予定・宿泊地をネット検索して検討してみるものの

どうもまとまらない。荷物も当然まとまらない。

まあ、だいたいこんな感じでいいかなあという計画は・・・

1日:青森に行くのはたいへんなので宮城か岩手あたりで1泊。

昔、「天橋立」にいったので「松島」を見てみたい。(日本三景つながり)

2日:青森のねぶたを見て1泊する。

3日:本州最北端にいってみる。ネットで検索した薬研温泉キャンプ場で泊まりたい。

4日:恐山に参りたい。帰りはどうするか当日考える。

5日:まだ走っているかもしれない。

この1週間が夏休みなのだが、7日8日は別のツーリングの予定があるので

まあ、そんな日程がいいんじゃないかなあと決心したのが前日の深夜1時ころ。

マツ氏に「暇なら同行したらいいんじゃないかwたぶん出発は8時頃。」とメールしてから寝る。

*************

当日驚いたことに、完全な旅支度のマツ氏がTZRに乗ってほんとうにやってきた!

その行動力にはほんとうにいつも驚かされる。

なんでも、期間従業員で登録していた仕事が暇になってきて

もうやめるつもりだったし、ちょうどいいので

月曜日にとりあえず病気で休みという電話を入れるからいい、って

あんたそれは社会人として問題ありすぎるよ。という、つっこみも面倒だし

どう考えてもツーリングに出発するにはもうじゅうぶん遅い時間だったのですぐに出発。

 

久喜ICから東北道にのれたのが9時過ぎだった気がする。

俺が乗っているバイクはCRMというオフロード用でカウルが無い。

そのせいなのか、えらく風の影響を受けて怖くてスピードがだせない。

一番左の車線をのんびり走っていくが、それより遅い車が中央車線を走行している。

一番右は追い越し用の車線。

なぜ、スピードも出さないのに真ん中の車線を走る車が多いのか?

これは、きっと日本に宿る中流階級の意識がそうさせている。間違いない。と

阿武隈PAで休憩のときにマツ氏に語ったら

「馬鹿らしいので聞くに絶えない。そして、気温は33度。暑すぎる。。。」といわれた。

 

マツ氏のTZR250

俺とCRM。バイクは中古でタダでもらって、20万で修理した。

その内サス前後OH(フロントのインナー?は新品に)で12万くらい

あとはとりあえず走れるようにタイヤやチェーンやなんか

そういうもろもろをお店で修理してもらった費用だ。もう、プレミア感満載のバイクだ。

でも、まだ直したほうがいいようなところはあったりする。。。

ガソリンタンクがたぶん10リットルしか入らないので、サービスエリア1個とばし給油をしないとやばい。

*佐野〜那須高原〜安達太良〜国見SA

高速でガス欠。。。過去何回か、他人のそれを見ているが・・・とてもたいへんなことだ。

いくら、うっかりライダーの俺でもそれはしたくない。故障はしょうがないとしても。

 

そんなこんなで、福島松川PAにて昼食をたべる。

どこのSA(サービスエリア)も込んでいてなんだか落ち着かないが

PA(パーキングエリア)のほうが、空いていて落ち着く気がする。

ここは食事もけっこうメニューが多くてよい。まったくの偶然で止まったがよかった。

そしてもう、12時をまわっている。。。。。

「今日はどこに泊まる予定なの?」

セブンティーンアイスのチョコミントを食べながらマツ氏が俺に尋ねた。

俺はおもむろにSAでもらった東北道の地図を広げたが・・・

あれ、東北道なのに千切れてるよ地図が。宮城の福島よりの白石市までしか載ってない。

やっぱ、青森までの道のりは遠いということだ。再認識した。

「で、どこに泊まるの」

俺はあわずて、旅の友達「マップル 全日本道路地図 1:250,000」を開いて

昨日の夜に印をした、無料キャンプ場をさがした。 /040809

 

2

兵糧山キャンプ場(宮城県登米郡迫町北方字兵粮)が無料だということで

とりあえず候補地として昨日の夜にチェックしておいたのだ。

ここに日暮れまでにつけばいいので、あと5時間くらいは走れる。

どうせだったら仙台でおりて、街並みをちょろっと見学して

昔、天橋立に行って日本三景の一つを見たので残りの二つのうちの一つ松島を見ることを決意した。

「あじぃーー」とにかく、暑い。そして、CRMはスピードがだせない。風に振られる。

必死に走って14時頃に仙台宮城ICに到着した。

高速を降りると、きれいなバイパスで仙台の街中に誘導されていく。

そして、道路案内を見ると「仙台城(青葉城)」がけっこう近いので

城マニアな、マツ氏が「せっかくだからちょっとだけ寄っていこう」といいだし

「でも、松島には16時頃につきたいからあんまりゆっくりできないよ」と

軽い文句をいいながらも行くことにした。

昔、マツ氏と電車で旅行をしたときに姫路城によらされたのだが

あんまりじっくりと城を見学しすぎて予定の電車に乗り遅れたことがあったのだ。

城の中には、けっこう展示物が多いので夢中になってその解説を読みすぎると

あっという間に時間が過ぎていってしまう。

俺はあんまり読むのが得意ではないので品物を見るだけなのだが

マツ氏はじっくりと読む性格のようだ。

 

そんなわけで、仙台城につくと正規の駐車場へと続く坂の途中のバス停の脇にバイクをとめて

「残念ながら時間が無いので、ちょっとしか見れないぜ」という

俺の提案どおりに、とりあえず伊達政宗の銅像?の写真を撮って

そこからの仙台の町をバックにマツ氏を記念撮影して

ほんとうにあっというまに、松島に向かって走り出そうとしたのだった。

あんまり急いでいたので、お城があったのかどうかさえも俺の記憶にはない。

たぶんなかった。そして、さっきネットで調べたらやっぱりなかった。

マツ氏があっさりとその場を後にしたのも、きっとお城がなかったからじゃないだろうか。

でも、ここから見下ろす仙台の街はなかなかいいものだった。

 

3

「そんなに荷物を積んでいると、バイクを置いておいて倒れてあぶないんじゃないか」

よく聞き取れないような声で、汚いじいさんに話しかけられた。

このバス停脇にはバイクを止めちゃまずかったかなあと

全国小心者委員会会員の俺は思っていたので、てっきりそのじいさんが説教をしに来たのかと思って

「別に危なくはないと思いますが、もう行きますので・・・」

さっさと、この場を離れたかったのでてきとうにあしらって先を急ごうとしたが

「坂をのぼるのはけっこうたいへんでしょう、こんなに荷物を積んでると・・・」

まだ、じいさんは話をやめようとしなかった。

「すみませんが、もう行きますんで勘弁してください」やや声を荒げて俺は言った。

「気をつけていってください」と、じいさんはしょんぼりした感じでその場を立ち去っていった。

もしかしたら、ただ俺たちのバイクとかがものめずらしくて話かけてきただけだったかもしれないが

俺の小心者的防衛本能がみじめに作動したという場面であった。

この場をかりて反省させていただきたいと思います。どうもすみませんでした。

そんなのを無視してさっさと下り車線でぼけーっと、していたマツ氏よ!

なんかしらないけどなんかしてくれたってよかったんじゃないのか!

と、やや八つ当たりてきな心持のまま松島に向かった。。。

 

それにしても、やっぱり全然しらない市街地を走るのは緊張する。

仙台の街中は3車線あった気がして、中央には木々が立ち並ぶ遊歩道があって

そこではバンドが演奏をしていたりした。

3車線あるんだけど、やっぱり一番左は路駐用みたいな感じで、まあ、走りにくかったです。

しかも、道路案内だけが頼りなので上をみたり車線を気にしたりで

はやく市街地を抜けたかったです。

そんなこんなで、なんとか国道45号線にでれたので目的地まではひたすら走るだけとなり安心。

 

1時間も走らないような感じで、目標の4時前には松島に到着しました。

記念写真

おじさんと海

「なんなんだこれは・・・」っちゅうくらいに、趣のない観光地でした、松島。。。

ま、天橋立だってなんか大観光海水浴場になっちゃってたくらいだからどこもそんなもんか。

ここよりも、ここにたどり着く前に海岸沿いを走っていたときのほうが

期待が高まってきて、海と複雑な海岸と小島がいくつも見えてくる風景がひろがって

なんかすごくよかったのになあ。

おもわずバイクを止めないで走りすぎようと思ったが信号で止まっときに

「とりあえずレポート用の写真でもとっておこう」と、冷静なマツ氏。

もっと冷静になった今の俺は調べたらけっこういい雰囲気の場所もあったんだろうなとは思う。

ま、しょうがない。なにしろ見所なんて調べてないんだから。そのときそのときの直感だけが頼りなんだから。

 

写真を撮ってさっさとその場を立ち去り、その先のコンビニにバイクを止めて

いよいよ本日のキャンプ地に向けて走る、ための、道を確認することにした。

ジュースと、さっきデジカメがすでにほぼ電池切れだったのでパナソニックのオキシライド電池?を購入。

この電池は、帰宅後でも画像チェックできるほど全然パワーが落ちてなかった。

しかし、やはり、、、25万分の一の地図はどうもこまかいところがわからない。

「まあ、とりあえずあっちのほうがくっぽいので」と、俺。

「・・・・・(やばい感じなんじゃないの)とりあえず、先を急ごう」と、マツ氏。

20分ほど走るがさっぱりわからない状態なので、ガソリンを入れて道を聞いてみた。

大郷町のGSだったのだが「長沼に行きたいのですが・・・」という問いに

「えーー、伊豆沼とかのほうですよねえ。。。うーーん、そうとう遠いですよ。。。」

「やっぱり、まだそうとう遠いんですよねえ」

「そうですねえ、高速に乗っていってもいいくらいですけど・・・」

これ以上は聞いても、どうしようもないと思ったのでGSをでてちょっと走った道の途中で

マツ氏と相談をしたところ

「まだ、2時間くらいは日も落ちないだろうし俺が先頭を走るから」

おまえが先頭を走ったところでどうにかなる保障はまるでないわけだが

もう道を気にしてはしるのには疲れてしまっていたので

喜んでその提案を受け入れて、しばらくはてきとうに、だいたいの方向に向かって走ってみることにした。

すると、見事に「古川」という地名を道路案内に発見して

それを目指してのんびりとした田んぼや畑の道を走り抜け、やっと国道4号線にでた。

 

4

道の駅を発見して、「もうすぐ着くだろう!」と再び地図をみて元気を取り戻す。

伊豆沼/バス釣りしていいのか?

こんどは、やっと「伊豆沼(ラムサール条約登録湿地)」を見つけて走り出す!もう、キャンプ地は近いはずだ。

この伊豆沼を見たときは、道を場所を発見した喜びが大きかった。

だから、そういうのもあって沼のほとりで一安心して写真をとったりしました。

まだ、日も落ちてはいなかったので楽勝ムードがただよってました。

 

んが、「長沼」への道がわからない!楽勝ムードが一転して不安ムード満載・・・

地図上ではすごく近いはずなのだが、やっぱり縮尺がでかすぎる。わかんねえよ俺。

ここで、再び地元の人に道を聞くが、やっぱり明確な答えを探りあてられない。

(いま、懸命にどうやってたどり着いたか思い出し中だが・・・)

思い出した、確かそのキャンプ場は地ビール工場のすぐ脇だという。

で、そんな看板がいま走ってきた道にあった気がしたので戻って探してみるとあるじゃないですか。

やりました、名探偵ポアロ。コナン。ザ・グレート!テンションあがります。

はたして、ついに「長沼」に到着したのでした。

安心したので、ガソリンでも入れてキャンプ場の場所を確認する。

「すぐ先の大きな駐車場の脇に公園とキャンプ場があるよ」と、おっさんがいった。

そこにたどり着くものの、あまりにもきれいで区画がきっちりとされているので

「これは無料なわけないだろう」ということで、そこをでて例の地ビールの看板のほうにすすんでいく。

あった。まさに、地ビール/レストランと温泉の真正面にネットで見たのと同じキャンプ場の風景。

が、これは俺が苦手とするシチュエーションじゃないのか???

>こっちがわは人がいっぱい。

落ち着かないジャン!

むしろこんなに日が昇っていて目立つ状況でテントを張る勇気がでない俺。

「じゃあ、もうしばらく走ってこの先の町で時間をつぶそう」というマツ氏の言うとおりに

一度おろした荷物をもう一度積んで町にむかって走り出した。

5分も走ったかどうかという感じで迫町の市街地?にでた。

ベニヤマートで小瓶のニッカブラックと、乾パンピーナッツバターとかを買った。

となりの100円ショップでは、荷物をさらにきつく縛るためにロープとテントの下にひくといいというので

ドカシー(レジャーシート)を購入する。

で、めんどうなので思わず吉野屋に入って牛カレー丼をたべる俺たち。まんだむ。

 

5

日も暮れた7時過ぎ、もどってみると・・・

明るい!レストランと温泉はきらきらと照明を・・・

ま、もういまさらどうしようもないのでむしろ目立たないとこよりも平らで

やや人目につく桜の木の下にテントを張ることにした。

せっかくなので地ビールを購入して、二人で飲んでいるとやはり今日一日緊張していたせいか

すぐに眠くなってしまい、俺はマツ氏よりも先にテントに入ることにした。

夜になると、けっこう暑くなくなるのでいくらか助かる。寝袋は必要ないくらいだ。

どれくらい眠ったのか、それともまだ眠っていなかったのか

ぼーっとしている俺にガサガサ、ブフーブフーという何かへんな音が耳に入る。

「ヤベー、なぞの生物がきてるよ。。。」そりゃみえてないから謎なだけ。

勇気をだして外に出るか、聞かなかったことにして寝たふりを続けるか

小心者ブレインが微妙な計算をしはじめる。

結局、外に出てなにがいるのか確かめることにした。もし、それが絶滅した日本狼だったとしても

マツ氏を起こして俺の命だけは助けてもらおう。

俺が、テントの外にでて見たものは!はたして、ただの猫でした。

かろうじて遠くに走り去る後姿を見たのでもしかしてひょっとして

謎の生物ということにできないこともないかもしれませんが、やっぱり猫でいいです。

しかし、問題が発生していた。   くさい 。

猫がテントにマーキング、おしっこしていったらしい。 ぐはー。

でも、まあ、外の駐車場にはもう車も人影もほとんどなくなり、なんとなく安心して寝れそうだったので

おしっこ問題はもうあきらめて、ふたたびテントに入って眠ることにした。

 

はやく朝日がでることを希望します。おやすみマーヤ。

 

 

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