2004年度 文化事業推進委員会 公式行事推奨

みちのく一人旅は時計仕掛けのアップルの夢を見るか

作:ジミ・ヘンデルセン(東北ツーリング初心者)

ねぶた編

やはり、ほぼ日の出とともに目が覚めるのがキャンプなのか?

会社にいくときは遅刻ぎりぎり(まにあってないか?)って感じで起きることしかできないのに

眠りがあさいということはあるにせよ

ま、5時には「起きてしまおう!」という気になるわけです。

そして、テントの外に出ると少し涼しい空気と、まだ穏やかな日差しの太陽があります。

天気がよければそれだけでOKな気がします。何がOKなのかはなぞですが。

 

とりあえず、炊事場で顔を洗って近くの自販で缶コーヒーを買って飲んでいるとマツ氏も起きてきました。

昨日買った、乾パンもどきを食べて今日の予定を確認します。

といっても、目的地がねぶた祭りのキャンプ場ということと、ねぶた祭りの見学が決定しているだけで

どのルートで行くかはまるで決まっていませんでした。

とりあえず、あんまりここで考えていてもしょうがないので築館ICから高速に乗って

その途中で、どこで降りるかを決めようということにしました。

テントをしまうと、、、そうです、間違いなく昨日の夜に猫にマーキングされた臭いが、よろしく哀愁。

 

俺たちはすぐに築館ICを目指しました。地元のえらい急ぐ車にあおられながら。

いつも思うのだけど、地方に行くと「すごく急ぐ人」と「すごくのんびりした人」の運転が多くて

ちょうどいいかんじで走る人が少ない気がするんですが、気のせいでしょうか。

ま、確かに生活道を観光気分でのんびり走られてはうざいだろうし

それにしてもまあ、こういうことはしょうがないんだろうけれど。

 

高速に乗ってすぐに前沢SAで給油して、うさぎの放し飼いになっている公園で一休み。

ここであまりにも米沢牛の串焼きがうまそうだったのだけど

千円もするもんだから、よだれを垂らしながらがまんして先に進んだ。

でも、結局そのさきの矢巾か滝沢PAにとまって豚トロ串焼きを350円で購入。

これが最高にうまかった!やはり、ここでも思ったのだがSAは物価がたかい。

PAのほうが、食い物の値段は安い。買い食いマニアはPAで休憩したほうがいいね。

*前沢〜岩手山〜津軽SAで給油をする。

本日もそうとう暑いなり。

でも、天気がよければなんとなく頭の中ではドゥービーブラザーズの「チャイナグローブ」が

無限のヘヴィーローテーションを繰り返して、それなりに気持ちよく走れるものです。

津軽SAについて、本格的に今日走る道を考え始めました。まもなく12時ですが遅いですか?

「津軽半島に行くか、白神山地のほうに抜けてみるか、そんな感じでどうだろうか」

マツ氏が、休憩所のわきにある観光案内をみてそういった。

ミーハーな俺としては、「世界遺産」という響きにくらっときて

「とりあえず白神山地のほうにいってみよう」ということで、あっさりと今日の予定が決まった。

距離的にもちょうどいいくらいか、少し無理な感じくらいだと思われた。

ちなみに、17時頃に青森につけばいいというのが俺の判断基準だった。

 

2

バイクにのって出発しようとしたとき、マツ氏がエンジンのあたりでしゃがんでいたので

「どうした?」と聞くと、「ギアの感じが悪いんで見てみたら、オイルがなんか白っぽくなってる」との事。

キックの脇からもオイルが漏れているようだったけど、そっちはともかく

オイルの色が気になるということだ。

「まだ先が長いし、高速からおりたらバイク屋かなんかでオイルを換えてみたらどうよ」

「そうだなあ・・・」あきらかに気分がわるいという感じの返事だったけど

とにかく走らないことにはどうにもならないので、次の黒石ICでおりて弘前の町に行くことにした。

 

たぶん国道102号線を走って、弘前の街中にはいると

バイク屋がいくつもあったので、ヤマハの店に入ってギアオイルの交換を頼んだ。

「ついてねえなあ」ってマツ氏よ、それは自分がきちんと走る前にメンテしてないからだよ。

つうか、俺のCRMも気になっちゃったのでいっしょにオイル交換してもらっちゃった。。。俺もか。

さて、気分もなんかいい感じになって店員さんに

「これから白神山地のほうに行きたいんだけど」と道を尋ねると

「弘前の街中はけっこう道が入り組んでいて、ここから白神山地のほうに抜ける道を教えるのは難しい。

もう少し西のほうに向かって、アップルロードというりんご畑の道があるからそこに出て

もう一度確認して白神山地を目指したらいいと思うよ。

ちょっと、道を間違えると岩木山のふもとの道に入っちゃうから気をつけてね」

という、なんだかヤバイ雰囲気の道案内を聞いて、アップルロードを目指して弘前の街中を抜けるが・・・

やっぱり全然わからない。アップルロードにさえ出ることができない。

と、思っていたらアップルロードにでました。りんご畑ばっかりだよ。あたり一面。

んが、こんどは白神山地がどっちだかわかんねえ。。。

「めんどうだから、とりあえずもう先を進もう」と、何度も地図とにらみ合う俺にマツ氏が言った。

とりあえず、道路案内の「西目屋村」をたよりに進んでいくと

どうもやっぱり、間違えて岩木山のふもとの道にでてしまっているようだった。

ここが岩木山の脇の道からの眺め

それでも、なかなかの峠道で気持ちよく走ることができました。

今ツーリング初めてのワインディングロードだったので

白神山地の脇の道じゃなかったけど、けっこう気持ちよく走り抜けました。

俺たちが次に向かう町は鯵ヶ沢町です。

日本海側にでました

岩手山を抜けて、しばらくは畑?田んぼ?の道を走って、ついに日本海側へと抜けました。

気がつけばもう、14時だったのでコンビニに入っておにぎりなどを食べました。

ここから五所川原市を抜けて青森市に抜ければ本日の予定終了です。

 

3

市街地を走るということはただ時間を消耗して距離を消化しているだけ。

いままでの、峠や畑とか自然がおおい道のほうが絶対に走ることに飽きない。

自然のほうが風景の密度が濃いから、情報が実は濃いのだと思う。

高速道路はとにかく飽きる。飽きやすい。

でも、緊張感があったりスピード感と進んでいる実感がわかりやすいので

なんとか我慢しながら走ることに希望がもてたりする。たまに見える風景もよい。

が、市街地を渋滞気味にのろのろ走っているのはどうも刺激を感じないし

緊張感の種類があきらかに高速道路のそれとは違って、単に疲れを増加させているだけな気がする。

鯵ヶ沢から五所川原を抜けて青森にいくのはけっこう疲れた。

でも、今日のキャンプ場は昨日よりはましだろうと思えばなんとか気力を保てるものだ。

しかし、いくら市街地のろのろ運転が嫌だといってもそこを通らないと

目的地にはたどり着かないんだよなあ。

 

はたして、16時過ぎに青森市に到着しキャンプ場を探し出すことができた。

 

ねぶた祭りは本日2日が初日なのです。

キャンプ場には、数十台、、、100台はないと思うけど

とにかく全国土地のナンバーをつけたバイクがずらりとならんでいた。

最初はきがつかなかったのだけれども、そのバイクのほぼすべての人が

ねぶた祭りで「跳人」として、参加しにきた、踊りに来た人たちだったのだ。

キャンプ場は、かなり広いのだけど落ち着けそうな端っこからずらりとテントが並んでいた。

俺たちもなんとかここなら、という場所にかろうじてテントを張った。

下は、茎のがんじょうな草を刈ってキャンプ場にしたらしく、ザクザクした感じの地面だった。

それでも、なにしろ昨日のキャンプ場に比べればまわりに人がいて全然さびしくないし

みんなが目的をもって集まった集団だと思うと、安心感もまわりに広がっているようだ。

テントに荷物を全部しまって、青森駅のほうにバイクにのって移動した。

残念ながらこのキャンプ場(フェリー乗り場の脇)から、ねぶた祭りの会場まではけっこう距離があって

歩いていくにはそうとうの根性がいる。

バイクで会場付近までいくが、どこをねぶたが走るのかとか細かい情報がないので

「本町公園」とかいうところにバイクを止めて歩いて付近の様子をみることにした。

 

4

ちょうどバイクをおいて歩き始めてすぐの交差点の向かいに

「ねぶた祭り案内」というような看板をみつけて近づくと、パンフレットのようなものを配布していて

それを読むのが得意なマツ氏がじっくり読んでいると

「やべ、急がないと脱出できなくなるぜ」とか言い出した。

どうやら俺たちがバイクを置いた公園は、ねぶたが運行するコースの中らしくて

このままだと交通規制に引っかかって、祭りが終わるまでは移動ができなくなってしまうらしい。

俺とマツ氏は、あくまでもミーハー観光気分なのできっちり最後まで見ようとは思っていないので

いつでも途中で自由に抜け出せる位置にバイクがないと、なんとなく不安だ。

で、あわててバイクをコースの外側に止めなおして、やっと落ち着いて祭りを見るための場所を探し始めた。

 

結局俺たちが落ち着いたのは、NTT青森支店のあたりだった。

まだ、始まるまでには時間があったので、いくらか人も少なくてほぼ最前列に陣取ることに成功した。

1時間ほどぼけーっとして、やっと暗くなり始めた18時50分に祭りは始まった。/040811

確かに、踊りたくなるような躍動感があるお祭りだ。

最初はまだ少し明るかったのだけどだんだん暗さが増してきて、ねぶたの明るさが際立ってきて

祭りを見ている人たちの心もだんだん高揚してくる感じだった。

鑑賞にたえうるお祭りというのは初めての体験かもしれない。

俺の感覚だと祭りというのは、雰囲気まるごとというか

露天の賑わいみたいなのが「祭り」なんだと思っていたけど

見せびらかすというような、イベント性、エンタテイメント性の高い祭りもあるんだなあという事ははっきりとわかった。

たぶん、すぐに飽きて帰ってしまうだろうと思っていた自分自身がついおもしろがって

終了時間ぎりぎりまで席を立つことができなかった。帰りに渋滞とかも嫌だったのに。

 

5

結局、ほとんど終了時間まで見てた。

バイクにのって規制中の道路を軽く迷いながらキャンプ場へ戻った。

そういえば、まだ飯らしいものを口にしていなかったので

となりのスーパーに歩いて行くことにした。

なんだか海が近いということでパックの寿司を購入して、ビールで乾杯ということになった。

この寿司がなんかすごくうまかった。気のせいなのか、なんなのか解析不可能だ。

店の脇のベンチで俺たちはダラリと食事をしていたのだけど

マツ氏がポケットからSAでもらった地図を広げて明日の予定を考えているようだったが

「明日はとにかく下北半島にむかって、薬研温泉キャンプ場で泊まるだけだから

いままでのなかでは一番楽な一日になるはずだよ」と、俺は余裕の気分でしゃべった。

ほんとうに、たった1本の缶ビールで気持ちよく酔っ払ってしまう。

 

しばらくするとキャンプ場は、祭りから帰ってきた人で一気ににぎやかになった。

テントに明かりがともり、酒が入り思い思いに語らう人々。

昨日の夜とはほんとうに何もかもが違う。つうか、うるさい。けど、これはよいうるささだ。

だってそのためのキャンプ場なんだから。

俺たちは祭りに参加していなかったので、酔っ払って話すといっても

毎度毎度の俺たちのお気に入りのバンド「グリーンオニオンズ」の話題になってしまう。

今回話題にしたのは、1972年のフィルモアイーストライブで起きたボーカル交代事件だ。

これは、酔っ払ってステージに立ったボーカルのマクター・パインツリーが

ゲロを吐いて倒れてしまい、5分程度ステージが中断したのちにドラムのズマーロ・ヌカーキが

「誰かかわりに歌えるやつはいないのかー」と客席に呼びかけたところ数十人がステージに上がり

急遽ライブオーディションがはじまり、ついに即席ボーカルが数曲を歌うことになってしまったという伝説だ。

しかも、さらにすごいのは、その歌を聴いたマクターが

「このままでは、バンドをやめさせられてしまう!」という危機感からなのか

なりふりかまわずに近くにあったギターで

この即席ボーカルをぶん殴りノックアウトしてしてしまったという伝説もついてくる。

 

そんなにぎやかなキャンプ場の夜は更けて、俺たちはテントで眠りについた。

というか、あまりに周りがうるさくて何度も目が覚めたよ。。。

 

3日目 激走!下北半島編をみてみる?