2007年度 オレビタオールライト製作委員会
おれびた旅日誌 帰ってくる日からはじめよう 編
作:ジミ・ヒヤケスキー

2007/08/11 編
今年の夏は、再び伊豆大島の空き家へ。
いつもどおり1人で
8月7日から11日まで、ぼけーっと遊びに行っていた。
最終日から書いてみることにした。
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今日はいよいよ帰る日だ。準備をしなきゃいけない。
またしばらくの間、ここは空き家になる。
家の前に止めっぱなしだった車を納屋にしまっておかなきゃいけないし
部屋を掃除したり、少しの時間でもいいから布団を干したほうがいい。
出発の時に、戸締りやガスや水道の元栓を閉めたか確認は
焦らずに落ち着いた状態でやりたいものだ。
ほぼ予定通り6時すぎには自然と目が覚めた。
昨日の夜のうちに、だいたいの事は片付けたつもりなのだが。
食べかけのチョコレートを食べて、飲みかけのパックのコーヒーをコップ1杯
紅茶は残り500ml、半分くらい残っていたポカリはもうあきらめて流して
とにかく冷蔵庫には食料も飲料も残さないようにすべて片付けた。
忘れ物もできない。次にいつ来れるかがわからない。
とにかく目に付くものは、ボストンバックの中に詰め込んだ。
入れ忘れが一番最悪なので、丁寧に詰めるということよりも
てきぱきと確実に詰め込むということが肝心だ。
結局食べなかったポテトチップスと菓子パンは持って帰る。
紅茶は帰りに飲むように、邪魔くさいがとりあえず持っていくことにした。
今回用に買った海中メガネとシュノーケルを置いていくか
という事については昨日の夜も考えた。
持って帰る。その結論で問題ない。(いつどこでこれを使うかはわからないが)
残った調味料は、、、とりあえず持って帰ろう。
一番安かったので購入した子供用イチゴ味歯磨き粉は、
置いて帰ってもゴミになってしまうので持って帰ろう。
(持って帰ってもゴミかもしれないが)
干してあった布団もしまい、簡単にだが箒で掃くこともできた。
車を納屋に入れなければいけない。
そうこうしているうちに時間は出発予定の8時まであと15分しかない。
納屋が怖い。
ガラクタがたくさん置いてあって人はほとんど入らないので
雑草もひどいし、わけのわからない毒虫か
もしくはマムシがひそんでいそうな気配がする。
そこに車を入れるのはいいが、降りるのが嫌だ。
が、降りなきゃ帰れない。当然である。
車を入れて「マムシはいない」と自分に言いきかせて
さくっと降りてカギを閉めて逃げるように納屋から立ち去る。
ああ、もう8時じゃないか
どうして余裕をみて起きたはずなのにこういうことになるのか。
でも大丈夫、少しなら遅くなっても平気だから。

しかしながら
やっぱり急いだほうがいいと焦ったので記念撮影も失敗。
躍動感のある一枚が取れました。
港へ向かうバスに乗る途中に思い出した。
「まだ、出発港がどっちになるか確認してねえ」
船が出るのは通常なら元町港だが、海が荒れていると岡田港になる。
港行きのバスは元町行きなら8時38分で岡田港だと8時30分発だ。
バス停までは歩いて約15分、ひたすら坂を下るという道のりだ。
昨日買った船のチケットに問い合わせ電話番号があるかと思って見てみたが載っていない。
バス会社も同じ系列だからバス停にいけばわかるかもしれない。
8時25分くらいにはバス停に到着したが、電話番号がない。
今日は天気もいいことだし、元町港にちがいないと思う。
元町行きのバス停に荷物を下ろし、木陰で一休みしようかとした時に
反対車線の岡田港行きバス停の隣の電話ボックスと電話帳が目に入った。
念のためと思いそこに歩み寄り電話ボックスに入り
船会社の番号を調べ携帯から電話をかけてみた。
電話がつながった「今日出発する港はどっちなんですかね?」
岡田港行きのバスがこちらにむかって走ってくるのが見える。
電話がとぎれて相手の声がよく聞き取れない。電波がわるいのか。
とりあえず、荷物のあるほうに移動しながら
「もしもし、もしもし」と何度か聞き返していた。
バスは確実に通り過ぎていった。
「本日は岡田港からの出発になります」
やっとのことで電話から聞こえてきたのは、まさかの返事だった。
「ありがとうございます」といって電話を切った。
確かに天気がよくても海が荒れているという事はあるよな。
船は9時40分発なので、まだ一時間もあるのだが次のバスは9時15分までない。
いちおうこれで間に合うはずだけれど
チケットには9時10分には、つまり出発30分前に手続きを行ってほしいと
記載されていたので出発10分前くらいに着いたのでは
オレとしてはちょっと気まずいし、何かあったら船に乗れないし。
間に合わせようとすると選択肢は少ない。タクシーを呼ぶか、歩いていくかである。
オレは基本的にタクシーには乗らない。ケチだからだ。
(最初から歩けばよかったのかもしれないが、よほど決心しないと約1時間の道のりを
30kg程度の荷物をもって夏の日差しに照らされて歩くのはやっぱりかんべんしてほしい)
とりあえず、汗をかいてもいいようにシャツを都会対応のものから
田舎風なものに着替えた。タオルもクビからかけて、これで心置きなく歩ける。
バス停までの15分でじゅうぶん歩いたと思ったが
まさか、さらに30分も歩く羽目になるとは。とんだ災難だ。しかし人災である。
やはり、朝は余裕を持ちすぎるくらいにしないとオレの場合はダメらしい。
車で走って移動する時の感覚と、歩いている時の感覚はまるで違い
これだけ歩けば見えてくるはずの目標が、まだ見えない。
やっぱり遠い。もしかしたら、30分で着けるという推測も外れているかもしれない。
不安と自分への情けない気分を変えるために音楽でも聞くことにした。
こういう時に何を聞けばいいのか、といっても
携帯プレーヤーに入っている曲は限られている。
ユーミンは違う、細野さんはなごみすぎる。フリッパーズギターは明るすぎるし。
結局、まあ
この雰囲気にいちばん合いそうなイーグルスの編集リストを聞くことにした。
アルバム「ホテルカリフォルニア」に、数曲オレの好きな曲を追加してある。
一曲目はとりあえず「ホテルカリフォルニア」。
ほとんどオレの歌といってもいいくらい、ばっちり合うなあ。
二曲目は「呪われた夜」、続いて「テイクイットイージー」「ロングラン」「アイキャントテルユーホワイ」など。
「テイクイットイージー」を聞き始めた頃には
なんか楽しくなってきた。単純。
「岡田港まで1.5km」の看板が見えたとき、「あと20分くらいで着くのは間違いない」と思った。
ちなみに8時50分くらいだった気がするが。
てきとうなインチキ英語で歌いながらいい気分で歩いてゆけた。
岡田港にはちょうど9時10分頃に着いた。
冷房の効いた待合室で汗を乾かして再び都会向きのシャツに着替えた。
それにしても、まだ日焼けした背中がひりひりする。
船に乗ってあと数時間したら、またいつもの部屋にもどってしまう。
そこは、あまりにもモノが多すぎて楽しいことは楽しいのだが
複雑で誘惑が多すぎてシンプルに振舞うことが難しい。
船に乗ったら持ってきた本の最後の一冊をできるだけ読もう。
家に帰ったらいつ読む意思を持てるのか自信がない。
まだ、何冊も読んでいない本を積み上げているし見ていないDVDも、やっていないゲームもある。
大島の生活は不便なことが多いのは間違いないが
誘惑が少ないので、モノを考えるのにシンプルになれるのがいい。
たいした事を考えるわけではないのだが
たまにはこうした環境に一人身をおいてみるのもいい。
一種のリセットボタンに近いかもしれない。
どんな人でもそうした効果が得られるというわけでもないし
そんなのはもう無理なくらい複雑な環境になってしまった人もいるだろうし。
誰かを心配することも、喜ばせることも必要なし
余分な情報もなし、娯楽もなし、おいしいものもなし。
できるだけ自分でなんでもする。サービスされない。
できるだけシンプルに生きる感じ。期間は許されるなら長いほうがいい。
そんな感じでいると、何かちょっとリセットされた感じになる。
リセットしたからどうなるかというと
どうということはないのかもしれないけれど
少しくらいはモノを見る目が変わるかもしれないと思われます。
まあ、そんな短期間のリセットでは長続きしないので
すぐに現状対応型生活に戻ってしまうのでしょうし
戻らないと、余計まずいことになってしまうということもあるかもしれないし。
なんでこんなことを書いているのかというと
だいたいこんなことが読んだ本に書いてあったからである。
船が熱海についてから、またもやオレはゆっくりしていてバスに乗り遅れる。
30分も待つよりも風景でも楽しみながら
時間を気にせずに歩いて駅まで行こうかと思いました。
が、やっぱり暑い中20分くらい歩いたらもうじゅうぶん。
バス路線沿いに歩いていたので、途中のバス停で10分程度待つことに。
もう、ビール飲むしかないでしょう。
これだけ、歩いて汗かいたらうまいに決まっている。
ということで、まずは1本目。
いい気持ちで熱海駅についてマクドナルドを発見。無性に食べたくなり購入。
かなり脳みそがゆるくなっております。
電車の旅を楽しむには、やっぱりビール。で、2本目。オレ的には危険、危険。
ハンバーガーを食べてビールを飲んで、うひゃーいい感じ。
電車が山や海の景色をすすむうちは、片手にビールもまあ違和感がない
と、オレは思うんですがね。さすがに平塚、茅ヶ崎あたりはヤバイ。
人が多くなってきました。
こうして、いつもの生活にだんだんとなじんで行く感じ?
<終わり>
