そば包丁

特に、道具にはこだわらない・・といっても、やはりまだまだ、それなりにこだわりは持ち抱えて
いる、私。
その中でも、一番・・高くて・・私が苦労したのが、そば包丁だった。
今となっては、使いこなせてなかったのが、最大の要因だったとおもう。じゃあ、
なぜ・・使いこなせなかったの?


私のそば打ちが「力技」だったから、だと思う。
その、力技が抜けた理由は、「粗挽き蕎麦」打ちであり、十割蕎麦の「生粉打ち」だった。
とにかく、力が余分に入れば、畳みの時も切りの時も、すぐさまにその答えが結果として
出てしまった。(本当に正直すぎるくらいだった)

他の道具を見ることも無くなり、人の道具を羨望の目で見ることがなくなった分、蕎麦に対し
「ナチャラル」になり、道具に対して静かになった。(これが、一番大きいかも)
人と比較しても、仕方の無い事に・・ようやく気付いたんだろね。

それでも、ここに至るまでに私自身・・色々とあったようにおもう。

石碾屋さんのお陰で、「粗挽き蕎麦」を打つようになり、広島の「Nさん」のお陰で・・十割の生粉打ちも
堪能できた。これが、一番・・「力技」からの脱出となったのかもしれない。

粗挽きは、更科以上に気を使った。小間板を押さえる手の力が入りすぎれば、畳みの部分で切れて
しまう。おのずと、小間板の抑える力も段々と少なくなっていった。

力を抑える、養成ギブスの効果があったんだろうと思う。

さて、ここからが本題かもしれない。

小間板を抑える時に、力をあまり掛けられない。となると、必然的に・・私の小間板を抑える力も
徐々にだけど、抜けてしまった。抜けると、不思議な事に・・なっていった。、「うづくりの小間板」は、私なりに
思うのだけど、左右にぶれない為に、他の小間板に比較して・・多少の抵抗を掛けるように設計されていたのでは
ないだろうか。他の包丁であるならば、たぶん・・そういう抵抗感は感じないと思う。
やっぱり、私の包丁が特別「軽い」が所以・・・かな。たぶん・・どれよりも軽かったと思う。

小間板をとにかく、裏が滑りやすいものに変えてみた。重さはやはり、軽いことだけは優先した。
重量は、およそ・・200g強。スリムボディの「包丁」には、スリムな「小間板」が必要にかんじた。

今、使っているのは「屋久杉」の板目。すべすべにして、わずかな力に反応して左に動く。
重さは、217g・・、たぶん・・・軽いほうだと思う。
本当に・・手をあてただけとういう・・かーるい・・かーるい力しか掛けていない。

苦節、二年と半年・・、やっとやっと自分の手に馴染み一体感を得るようになってきた。

十割だろうが、粗挽きだろう、粘りを苦ともせず・・切っていく包丁に・・私は作り手に対してだけは
出来るなら、報告したかったと思ったこの日だった。

わたしにとっても「想定外」の出来事だった「包丁」でした。


切れる包丁で切るとまな板に食い込みます。食い込んでから駒送りをすると包丁を痛めます。
包丁は切り終えるまでに(包丁の刃が蕎麦を切り、まな板に到達するまで)駒送りを終えること。