
ディフェンスラインを上げることはコンパクトな陣形を保つために重要な戦術です。しかし、90分間ずっとラインを高く保ち続けることはよほど実力の劣る相手と戦わない限りはほとんど不可能です。ワールドカップフランス大会でもクロアチアのように低いラインを保ちながらカウンターで攻めるチームが好成績を収めているように、必ずしもラインを高く保つ必要はないようです。ではよく言われる「ラインが下がってしまったために守備が崩れてしまったことが敗因」というのはどういう状況を示しているのでしょうか。
上の図は左右ともディフェンスラインがほぼ同じ高さに位置しており、トップの選手が敵陣深い位置に残っていますが、右のようにディフェンスラインの前でスペースを与えなければそう簡単には裏をとられたり中央突破される心配もありません。一方、左の図のようにディフェンスラインの前方にスペースが出来ていると非常に危険な状態に陥ります。
このようにラインが下がることは必ずしも悪いことではなく、右の図のように意識した後退は重要な戦術であって、「ラインが下がったから攻め込まれた」という説明は左のような状況を言っているのです。