「ダニエルの預言に注意を払いなさい」(以下dpと略記)の第9章「世界を支配するのはだれか」は、ダニエル7章の解説となっています。
そこで四つの獣と第四の獣の角、さらに神の裁きに言及した後に、dp−p145の副見出しは「間もなく実現する永続的な支配」となっていますが、その中身はdp−p146 の37節にあるように、ダニエル7:13,14の王国の支配権の授与が1914年に起こったという話(つまりもう起こったこと)になっています。
さて、ダニエル7章は一見同じような記述が何回も繰り返されています。
1回目(1−14節)はダニエルの見た幻の描写、2回目(15−18節)はみ使いによる概略の解説、3回目(19−22節)は第四の獣以降の出来事に対する幻の再録、4回目(23−27節)はその部分に関するみ使いの解説です。
整理してみると、単一の幻とその解説なので当然のことではありますが、厳密に同じ記述が一部省略されながら繰り返されていることが分かります。
イベントは
A:獣の描写
B:獣に対する裁き(の宣告)
C:獣の滅び
D:王国の授与
であり、この4イベントからなるテーマが4回繰り返されています。
1回目:A2-8節、 B:9,10節、 C:11,12節、 D:13,14節
2回目:A17節、 D:18節
3回目:A19-21節、 B:22節前半、 D:22節後半
4回目:A:23-25節、 B:26節前半、 C:26節後半、 D:27節
A、B、C、Dの一部が省略されることはありますが、その順序は全く入れ替わっていません。
従って物事はこの順序で起こることを預言していると思われます。
この事から、Dすなわち王国の授与は、
ダニエル2:44「そして、それらの王たちの日に、天の神は決して滅びることのない一つの王国を立てられます。そしてその王国は他のどんな民にも渡されるとはありません。それはこれらのすべての王国を打ち砕いて終わらせ、それ自体は定めのないときに至るまで続きます」
の王国の設立に対応しているのではなく、
Cすなわち獣であるこれらの王たちの諸王国が打ち砕かれた後に起こる千年王国の開始に対応しているものと推定されます。
こう考えると13節の日を経た方の前に連れて来られる人の子は、ハルマゲドンからの凱旋将軍としてのイエスであるという事になるでしょう。
また、ダニエル2章の山から石が切り出されること、つまり王国の設立はC.E.33年のクリスチャン会衆の設立でしょうから、7章ではAの中の4番目の獣の時代となるでしょう。
しかし、dp−9章28−31節ではBの期間中の出来事であるダニエル7:25の一時と二時と半時は1914年に始まり、1918年に終了したと主張し、dp−9章37節でDを1914年と主張しているのですから、DがBの中に挿入されることになります。
ダニエル7章の記述から見て、時間的な流れを無視してDをBの期間中に持ってくることができるのでしょうか。
さらにダニエル7:25では一時と二時と半時は至上者に属する聖なる者たちが小さな角の手に渡されている期間となっています。
つまりdp−9章31節の表現をとるなら事実上死滅させられている期間の筈です。
しかるに同節では事実上死滅させられた時をもってこの期間の開始ではなく終了とみなしているのですから、ずいぶんひどい解釈と言わざるを得ません。
もっともこの「ダニエルの預言に注意を払いなさい」の本では、以後この類のこじ付けとしか思えない解釈が続々と続くのですから、全く閉口します。