第2回 息鑑定
(2004年12月29日)


悪い精神は毒気を吐く
良い精神は和気を吐く



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この頃は西洋医学でも息の研究が盛んになって、息の精神的
意義が証明されています。
液体空気で冷却装置を作り、その中に試験管を入れて息を吹
き込む。
すると息の滓(かす)がたまる。
精神の平静な人の息のかすは無色である。
その精神状態によって息のかすにそれぞれ色が着く。
憎悪憤怒に燃えた犯罪者の息のかすは毒々しい栗色になる。
それを実験用の小動物になめさせると、ひどく昂奮したり頓死
することがある。
それは今まで発見されたいかなる毒よりも猛毒であるそうで
す。
人が私心・私欲から憤怒することは、猛毒を発することで、始
終腹を立てることは、なし崩しに自殺することです。
そういうものは先ず肝臓がやられる。
胃潰瘍だ、肝臓病だというのは多分に精神に因るものでありま
す。
和気藹々(あいあい)としていることが一番健康に恵まれるの
です。

アメリカの医学雑誌に人間の息のかすの色と精神状態に関す
る対照表がありました。
昔の人の言ったことが如何に正しかったか。
青息吐息も赤い気焔(きえん)も、あいつの毒気に当てられる
というのもみな本当です。
悪い精神の人間は毒気を吐いておる。
良い精神は和気を吐く。
西陣の染色の熟練工は二万通り色を見分けるというが、それ
ほど鋭い目ならば、人物の判別が出来ましょう。
幸か不幸か、我々の目は節穴同然で、何も分からぬから、平
然としていられるが、実に人間は微妙なものです。
                         『東洋学発掘』 安岡正篤著