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第5回 石の哲学
2005年1月10日
哲地蔵さまの講義

東洋の芸術では、いわゆる美と同時に醜というものを尊重す
る。
またこれに深い思想・哲学を持っておる。
この東洋独特の美醜の芸術的意義がわからないと、
東洋芸術は解せない。
だから絵画であれば、美しい花鳥や美人画などよりも、醜を画
く。
つまり醜の芸術の方がずっと深い問題、
あるいは至れる問題である。
その代表的なものは東洋では石だ。
花鳥や美人を画くよりも、石を画く方が難しい。
芸術の至れるものは石を画くことです。
東洋の特に教養の高い文人が絵を学ぶとすると、
石からはじまって石に終わるというぐらい、石を画く。
石が画けるということは、東洋芸術の妙境なのです。
石というものは奥深いものであると同時に、したがって最も画
きにくいものなのである。
天地の悠久と無限の内容を現じあって、いかなる美も及ばな
い。
『男子志を立つべし』安岡正篤著

 

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