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'05.9.2
【パート2:山形県内を辿る】
睡眠の達成感もなく、半分寝ぼけながら村上に到着。曇り空ながら、雲の合間から朝陽が差し込む駅前を散歩した後、坂町までバックし、45分後の米坂線を狙う(早朝の坂町で2時間以上呆けているのはもったいなかった)。米坂線は一度、米沢から坂町に向けて乗ったことがあるが、後半は日暮れで景色を見られずじまいであり、新潟県側は今回が実質初乗車。出発後すぐは平坦な道のりだったが、程なくして始まったなんとなく重みを感じる森の中を、2両編成のキハ47はうなりを上げて勾配に挑む。この重厚さは、たまに乗る分には趣味的に最高なのだが、日常生活で利用するのであればイライラしてしまうことだろう。
このまま米沢まで乗り通しても面白くないので、今泉で、映画「スゥイング・ガールズ」の宣伝フィルムを身にまとった山形鉄道に乗り換え、若干ショートカット。赤湯に着き、近隣の数駅を途中下車したのち、奥羽本線を北上。構内で二股に線路が分かれている北山形から、左沢線に乗り継ぐ。スカイブルー塗色がより軽快なイメージを演出する左沢線用キハ110系で、平坦な田園風景をひた走る。有人駅である寒河江、左沢には、特産のフルーツの形をした駅名表(寒河江:さくらんぼ、左沢:洋ナシ)があり、なにやらかわいい。JRのローカル線にもかかわらず、奇を衒うことなく自然なかたちで個性を発揮している路線は珍しい。
左沢から折り返し列車で山形まで引き返し、E3系<つばさ109号>で奥羽本線をさらに北上。新幹線と在来線が平面で連絡し、コンコースへも段差なしで到達できる究極のバリアフリー駅・新庄からは、陸羽西線に乗り継ぐ。屋根の下の少し薄暗いホームで待っていたのは、今度は「奥の細道」ラッピングと言おうか、陸羽西線塗装のキハ110系。新庄を出発してすぐに市街を抜け、のんびりした田園地帯を辿る。線路の左右にススキがずっと先まで続いておりもうすっかり秋の景色。津谷を過ぎると、最上川に寄り添う。山間をゆったり流れる穏やかな景観には、どこか風格を感じる。同時にこのあたりから本格的な登りが始まった。しかし登り区間でも、米坂線のキハ47とは違い、多少エンジン音が大きくなるものの、苦しんで登るような感じではない。いつしか山岳区間は過ぎ去っており、頭を垂れ始めた稲穂が左右の車窓に広がる、日本有数の米どころ・庄内平野を疾走する。右に大きくカーブを切り、羽越本線に並びかけたところで余目に到着。列車はこのまま酒田まで直通する。