超個人的・旅コラム 〜播但線・加古川線
99.3.21
【パート2:播但線103系は・・・】
ところで、日本一数字の大きいホームは京都駅34番線が有名だが、この姫路には播但線ホームが30〜32番ホームになっていた。おそらく2番目に大きい数字の番線と思われるが、意外に知られてないことであろう。その中の31番線に次の播但線列車、普通列車の寺前行き103系3500番台が既に入っていた。確か片町線から大量に放出された車両の一部で、播但線電化に合わせてワンマン仕様など改造を加えたものである。あまりいい評判を聞かない103系ではあるが、ワインレッド色でしかも2両編成ならば「かわいい」印象を受けた。
単線のわりに直線の多い高架を、103系は小雨の中を駆け抜ける。しかし町並みは3駅ほどで途切れ、田んぼが広がり出す。やはり昼間に限っては2両編成というのは正解なようである。しかし、ホームの最大長は6両まであり、ラッシュ時はかなりの混雑になることがうかがい知れる。
姫路からの普通電車は途中の寺前までで、その先は非電化区間なので今回初めてのディーゼルカーに乗り換える。乗換え客もかなり多いことから、特段寺前が文化的境界ではないことが察せられる。利用客のつながりはかつての直通列車時代の名残であろうか。
寺前からのディーゼルカーは単行のキハ41。これも明るいワインレッドに塗られていてどことなく軽快な印象をうける。しかし、走り始めたらやはりディーゼルカー、独特の重厚な走りが始まった。外の景色も更に山深くなり、ローカル色が濃くなる。かなり数が減ってきた今でもやはりディーゼルカーは旅情を強く引き出してくれる、旅の名演出家であろう。
途中の生野で途中下車。かつては生野銀山とともに栄えた町であり、駅も重厚で立派な印象を受けるものだった。だが、今では付近に温泉がある程度の小さな観光地になっているようである。国道沿いこそ近代的な建物が点在するものの、町の中心部は細い路地と古い町並みが残っている。日曜日の午前中、しかもパラつく小雨が追い打ちをかけて、町の中はひっそりとしていた。たまに車が走り去っていくほかは、人影もまばらであった。
小雨も降っていたこともあり、今回は早々と駅に戻り、特急<はまかぜ1号>で和田山に抜けることにする。「特急券と乗車券を和田山まで」と駅員に告げると、「えっ?」とあからさまに変な顔をされた。確かに生野と和田山はすぐ近くであり、わざわざ特急で行くところではないかもしれない。しかし、次の普通列車まで1時間以上待たなければならないし、第一、次の列車にもつながらなくなるのでしょうがない。ここの駅員は正社員ではなく、委託業務の人だったが、今までの経験上、委託業務の駅員さんは総じて愛想がいいとは言えない。もう少しマシな対応をしてくれてもいいのに、と心の中だけで怒っていた。おそらく駅の事務室の中にあるスタンプがあるかどうかなど、聞ける精神状態ではなかった。イライラしながら乗り込んだ<はまかぜ1号>は混んでいて、和田山までデッキで立って過ごした。
和田山で3分の乗換えで福知山へ。そう言えば福知山は確か4年は来ていなかったところである。駅前には特に変わった点は見出せなかったが、何処となくはじめて来たような印象だ。しかもこのようなところで見る、「大阪行き」や「京都行き」といった行先を見るのも新鮮な感じだった。
福知山からは113系の大阪行き快速で揺られていく。途中、山間の黒井、石生で行き違いがあり、思いがけない途中下車ができた。両駅ともひっそりとしており、特に石生は<日本一低い中央分水嶺の駅>だそうで、初めて知った。予定外の出来事は、特に印象が深く刻まれるものであり、今回も良い収穫であった。しかし柏原で若干年配のハイカーがたくさん乗り込み、あっという間に満席になった。にわかににぎやかになった(うるさくなった?)車内を尻目に、私は一人外の流れゆく景色を楽しむ。車輪のきしむ音が響き、大きく右にカーブを切ったところで、谷川に到着した。