超個人的・旅コラム 〜播但線・加古川線

99.3.21

【パート4:突然予定変更、まあそんな旅も・・】

  目が覚めたのは、舞子の手前だった。すでにあたりは暗くなっており、その中でライトアップされた明石海峡大橋が幻想的に浮かび上がる。そんな美しい情景にひかれて、舞子に降りた。たしか前回来たのは明石海峡大橋の開通日だったから、約1年ぶりになる。橋の真下に駅が存在してあり、淡路島や徳島へ行くバスにもすぐに乗り換えられるので、利便性は高い(実際淡路島からこのルートで神戸や大阪に通勤するケースもあるそうだ)。また駅から海岸にかけてきれいに整備されて、デートスポットとしてもなかなかいいところである。しかし今日は朝からの雨がまだ降り続いており、しかも私は1人であるので、あまりここに長居しても仕方ない。駅に戻って帰路に着くことにする。しかし、昼間ならしばらくたたずんでいても楽しめる場所なので、近いうちにまた来ようと思う。

  さらに、国道2号線沿いにあるだけで何もなかった塩屋に途中下車したのち、さらに大阪に近づいていく。最初は環状線で鶴橋から帰ろうと思っていたが、またもや予定を変えて、JR東西線と学研都市線から遠回りして帰ることにした。すぐに予定を変えられ、またそれを実行できるところが、一人旅のいいところである。

  しかし、今乗っている列車が京都行き普通だったため、尼崎で乗り換えるが、次のJR東西線は松井山手ゆき快速だった。木津ゆき快速に乗らなければならないので、ここでも途中下車して時間をつぶす。しかし、尼崎駅周辺は未だに開発工事を続けており、駅前には本屋の一つもない。JR東西線ができてから乗り換えには便利になったが、駅の周辺に関してはまだまだである。

  程なくして宝塚からの207系木津ゆき快速に乗る。相変わらずJR東西線は混雑しない。列車が空いているのはうれしいが、大阪の中心部を貫通する列車に人が乗らないのは、かえって心配になってくる。京橋からはかなり乗ってきたのでそれでつじつまが合っているのかもしれないが……。

  すでに20時なので車窓はもう見えないので、車内では本を読んでいたが、意外に早い感じを受けた。実は学研都市線には今までまともな時間帯に乗ったことがなく、沿線の風景もはっきり知らないのだが、思ったよりも早く京田辺に着いた(定刻)。京田辺駅は、駅名を変えた割には小さな駅で、もっと田舎のローカル線に似合うような木造駅舎である。アルミ車体の207系とはミスマッチだが、それはそれで面白いかもしれない。しかし、約300m離れてある近鉄新田辺駅とその周辺とは、目の前に見えてはいるものの別世界のように思えるほどの差がある。

  今回の旅は、北条鉄道を除いて一度通った線ばかりであったが、何故か初めて通るような感じをしたところが多かった。以前に乗ったのがかなり前になるからか(あるいは前回乗ったときに寝ていたからか?)、それでも新鮮な印象を持つことが出来た。何度同じところを通ったとしてもその度ごとにまた違った風景の見え方がするものなのだろう。私もいずれは全線走破するつもりだが、もし全線走破したとしてもそれで終わりではなく、また気に入った路線に乗りにいくことになるだろう。そうしたときにまた違った楽しみ方ができることを、今回の旅で確認することができたと思う。私はおそらく一生鉄道旅行を愛しつづけるだろう。これは以前から思っていたが、その確信を得られたのが今回の旅であった。何か恋人をずっと愛しつづけられる自信を持ったような、そんな満足感を心に抱きながら、今回の最終ランナーである近鉄電車の待つ新田辺駅へ歩を進めた。

(Fin)

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