
'05.9.3
【パート2:将来の青森鉄道網の現在像】
弘前からは再び701系の普通列車で青森へ向かう。ロングシートに座れなくもなかったが、景色を楽しむため敢えてドア横で立っていく。山頂だけ雲に隠れているものの雄大な裾野が広がる津軽富士と、頻繁に見えてくるリンゴ畑が、はるばる青森までやってきたことを実感させてくれる。青森の一つ手前の新青森駅は、駅自体は小駅で、周囲は住宅がぽつぽつ集まっている、ともすればどこにでもあるような駅であるが、ここは将来東北新幹線の終点になる場所。ここに新たな青森の拠点が形成される。と言えば夢があるが、現在の一大拠点である青森駅までは約4kmの距離。今は新幹線の駅ができそうな気配を感じられるものは、新幹線をPRする看板以外には見当たらなかったが、新幹線の駅ができるのは2011年。この地にどんな街ができているのだろうか。(そういえば青森市は、特に除雪のコスト削減を目的としたコンパクトシティを目指していたはずだが・・・それは折り込み済みということか。)
様々な車両が止まっている青森機関区の横を抜け、青森駅に到着。ホームの奥にはかつて青函連絡船の貨物を扱った広大な引込線の跡地がかつての隆盛の面影を未だに残しており、その上空には近代的な斜張橋である青森ベイブリッジが港を跨ぐ。この新旧のコントラストが、意外にも自然に溶け込んでいる。非常にいい雰囲気の駅である。
青森からは津軽線でさらに北上。蟹田までは区間列車が比較的多く走っており、また本州と北海道を結ぶ貨物列車との行き違いも多いため、頻繁に列車とすれ違う。右手に津軽湾、その先には対岸の夏泊半島を眺め、次第に北の大地へのロマンを醸成させていくかのようだ。
蟹田で11分の連絡で、後から追いつく特急<スーパー白鳥1号>に乗り継ぎ、次の停車駅・津軽今別まで、贅沢な時間を過ごす。といっても実態は、快速<海峡>の廃止により、普通列車が走らない区間になってしまったため、普通乗車券だけでも特急列車に乗車できる特例区間(もちろん青春18きっぷでも乗車可能)である。自由席はすでに満席だったので、デッキで立って過ごすこと13分、津軽今別に到着。
津軽海峡線と同時に開業した津軽今別駅。線路は非常に立派で、ホームの延長もかなりあるものの、ホームの造りは非常に簡素で、しかも止まる列車は一日わずかに2往復。<スーパー白鳥1号>が行ってしまった後には、鳥のさえずりや木々の葉音といった、まさに自然の音しか聞こえない。シェルター付きの階段を下りたところに、津軽線の津軽二股駅がある。高さが違うだけでほぼ同じ場所にあるのに別の駅を名乗るのは、路線の管理上など様々な事情がありそうだが、同じ駅名を名乗りつつ乗り継ぎに延々と歩かされる某都市の地下鉄とは好対照だ。またこの場所には「道の駅いまべつ」も併設されており、同じところに3つの別の「駅」。いや、ここは将来北海道新幹線が建設されたときの奥津軽駅(仮称)の予定地でもあるようなので、「駅」は4つ。なんだか複雑な場所である。