
'05.9.3
【パート3:竜飛岬で心の洗濯】
20分の待ち時間の後、今度は津軽二股から津軽線のディーゼルカーに乗り込む。海岸線に沿う今別を過ぎ、再び津軽湾、というより津軽海峡を望む。15分ほどの乗車の後、終着の三厩に到着。草むらの向こうに線路が途切れる、まさに最果ての駅。ここから外ヶ浜町営バスに乗り換える。海岸沿いに点在する、こぢんまりとした赤茶色の漁村をいくつも通り抜け、乗客も少ないバスはゆっくりと進む。次第に集落の間隔が広くなってきたかと思うと、これまでの海岸線とは一転、急な坂を一気に登り、やがて整備されたバス停に到着。三厩駅から約30分。ようやく降り立った最果ての地、竜飛岬。
龍飛埼灯台の袂からは、津軽海峡をはさんで約20km先の北海道がはっきり見える。晴れてはいるものの、風がとても強く、油断すると体を持っていかれるほど。灯台は切り立った崖の上に建っており、眼下には岩肌を白波が絶え間なく洗っていく。翻って陸側を眺めれば、起伏の多い丘に生い茂る、比較的背の低い草木が風に吹かれている、「荒涼」という表現がぴったりの景色。以前訪れたことのある、本州最北端の地・大間崎よりも、最果てというイメージがしっくりくる。
龍飛埼灯台のほかにも、青函トンネル内の竜飛海底駅までケーブルで下れる(駅や列車には乗れないけれど)青函トンネル記念館、日本唯一の階段国道339号線、大音量で曲が流れる「津軽海峡冬景色」の歌碑と、やや点在しているものの見所は少なくない。じっくり回っていると、帰りのバスまでの約3時間20分はむしろ足りないくらいだ。帰りのバスに集まった乗客は、行きのバスでも見かけた旅行客4、5人。その中に、おそらく同じ年代と思われる女性が一人で巡っていた。確かに何度か見かけてはいたが、このような果ての地まで敢えて一人で来ているわけだし、私も一人旅を楽しんでいる身でもあるので、声をかけたわけでもない。と言い訳しながら、単にそんな度胸がなかっただけなのかもしれないが。
竜飛岬からの町営バス、三厩からの津軽線と、来た道を同じように辿って帰る。蟹田での乗り換え待ち時間中に周囲はすっかり暗くなってしまい、もはや海と空の区別も付かなくなってしまった中、午前中来た津軽線を青森まで引き返す。今日の行程は青森まで、としたいところだが、明日以降の行程の都合上、青森からさらに特急<白鳥42号>を奮発し、八戸まで移動しておくこととする。青森駅を出発するとすぐに外の景色は真っ暗なので、乗車後すぐに寝てしまっていたのだけれど。