
'05.9.4
【パート1:三陸大縦断・前編】
東北新幹線の開業に合わせて姿を一新した八戸駅。新幹線ホームとは反対側に位置する八戸線ホームに、国鉄色に塗りなおされたキハ40・48の3両編成がアイドリング音を轟かせて佇んでいる。新しい装いとなった駅には若干違和感を覚えなくもない。日曜の早朝ということもあり、車内の乗客はまばら。なんとなく寝起きのけだるい雰囲気の中、3両編成の久慈行き列車は小雨の八戸駅を出発した。
馬淵川を渡り、右にカーブを切って高架区間に入る。車窓を眺めると、八戸の市街地は八戸駅より東側に広がっており、昨日宿をとった本八戸、そして八戸港まで続いている。日本有数の漁獲高を誇る漁港として名高い街。本来の中心はむしろこちら側。市の代表駅だからといって、街の全てを見た気になってはいけない。(ということを、自分に言い聞かせているのだが。)
鮫周辺に広がる水産工場や倉庫を眺めつつ、海沿いを南下する。今日は時折雨もパラつく曇り空。色も冴えなく、重たそうな海だが、それでも昨日まで見ていた日本海よりは明るい印象を受ける。八戸港を過ぎるとしばらくは海岸線から尽きず離れずの距離感を保って走る。比較的高い場所を走るため、海を広く見下ろすような格好だ。曇り空の下、波は穏やかのようだが、サーファーが案外多く浮かんでいる。
ここまで比較的軽快な走りを続けたこの列車も、陸中中野を過ぎたあたりから一転峠越えの区間に。さすがにスピードが落ち、ディーゼルエンジンも唸りを上げる。サミットの侍浜では無人駅ながら、つい昨年まで使われていたタブレットが駅舎に展示されていた。ここ八戸線は、昔ながらのタブレット閉塞方式が使い続けられており、また腕木式信号機も数箇所で残っている(既に使用されていないが)。そんな路線を走るのが、国鉄色に復元されたディーゼルカー。国鉄世代の鉄道ファンにとっては、ノスタルジーを掻き立てられるところであろう。八戸から1時間45分、ようやく終着の久慈に到着。