超個人的・旅コラムK

'05.9.5

【パート1:石巻ラウンドトリップ】


 最近の旅行において宿泊先が都会の場合、マンガ喫茶で夜を明かすことが多い。さすがに疲れはしっかり取れないままではあるが、リクライニングシートで少なくともある程度の睡眠は確保できるし、しっかり寝られないことを逆手にとって、早朝に目覚めて早い時間帯の列車に乗りやすいメリットもある。とはいうものの、一番の理由は何と言っても安いことなのだが。

 さて本日最終日の旅程は、まず、昨日、石巻から日が暮れてから乗った仙石線を乗りなおしに行く。マンガ喫茶効果でつかまえた、仙台6時00分発の一ノ関行き普通列車(こんな時間から活動開始するのは、普段の生活から考えると奇跡!)で、東北本線を北上する。仙台近郊とは言え、さすがにこの時間の列車は空いている。ジョイント音が心地よく繰り返す車内。贅沢な空間だ。少しウトウトしかけていたところで、乗換駅の小牛田に到着。

 小牛田駅のホームの東側に広がる、田んぼの中の広大な留置線。東北本線・陸羽東線・石巻線の分岐点である鉄道の要衝であることの証だ。その留置線を一気にまたぐ自由通路の工事中(同時に駅舎も橋上化するらしい)だが、土地区画整理事業が行われる駅の東側には今のところ何もない状況。これからどんな街が生まれるのだろうか、今から絵を描き始める新しいキャンパスのように、まったく想像できない。

 小牛田からは、経路上昨日乗れなかった石巻線(小牛田−前谷地間)を乗りにいく。民家が多少集まってきたかと思うと、駅へのアプローチ。先程までの東北本線と同じような風景が続く。いつのまにか車内は石巻へ向かう高校生でいっぱいになっていた。そういえば今日は月曜日。平日にのんびり普通列車の旅をしていると思うと、ささやかながら優越感を覚える。もちろん明くる日は私も仕事だが。

 再び石巻に降り立つ。一緒に乗ってきた学生達と一緒に跨線橋を渡って仙石線のホームに向かう。石巻駅の改札と仙石線のりばは同じホーム上。タイミングを同じくして仙石線の列車も到着し、ホームはかなりごったがえす。しかし、そんな中でも、高校の制服別に行先が分別されていて、なにやら面白い。「青組」に混じって、仙石線の快速に乗り込む。

 元は山手線車両だった仙石線205系車両の入口に付いているドア開閉ボタンは、他の地域で見るそれよりも一回り大きい。またボタンの押す感触も、グッと奥まで押し込むものではなく、エレベーターのボタンのような軽い感触。さらに、ドアの開閉時のチャイムがうるさくなく、しつこくない。小さい装置ではあるが、ある意味、これまでの常識を覆すいい装置ではないだろうか。今後のスタンダードになっていくことを期待する。

 7時47分、あおば通行き快速は石巻を発車。しばらくは住宅が張り付いたまま。先程の石巻線と違い、さすがに仙台に直通する路線だけはあり、沿線人口も多いようだ。典型的な通勤車両である205系が充当されているのも納得である。石巻から仙台まで快速列車で1時間10分程度。そんなに不便な場所ではない。陸前大塚付近、高架駅の松島海岸とその先と、景勝地・松島海岸を目にする区間は少なくない。波も穏やかで、美しい海面に浮かぶ無数の島々。車両は典型的な通勤路線ではあるが、車窓は観光路線。こんな通勤経路だと、幾分心が落ち着くことだろう。一度訪れたことがある松島海岸以南になると、油断したのか、いつのまにか眠りに落ちており、気が付けば苦竹の先の、ちょうど地下区間へのアプローチ部分であり、車窓を楽しめずじまいになってしまった。


<パート2へ続く>

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