超個人的・旅コラムK

'05.9.5

【パート2:阿武隈急行の意外な一面】


 約3時間ぶりに戻った仙台から、今度は東北本線を南下する。長町では高架工事が着々と進んでいる。名取では、仙台空港アクセス鉄道が目下建設中。分岐する高架橋が、中線からダイナミックに立ち上がり、左に大きくカーブを切っていく。次の舘腰では、駅名標の案内板に「仙台空港」の文字が。確かに距離でみれば舘腰の方が近いようだが、2年後には、仙台空港の玄関口の看板を名取に譲ることになる。

 槻木からは、阿武隈急行に初乗車。2両編成の列車は色合いも鮮やかで軽快な気分。白石川を渡り、東北本線上り線をまたぐと、比較的線形のいい路線をたどる。しばらくすると阿武隈川が寄り添ってくる。槻木では小雨が舞う程度だったが、上流では本格的に降ったのか、川の流れは土色で、またかなり水位も高くなっている。阿武隈急行線の車内放送では全ての駅にキャッチフレーズをつけて案内している。例えば、丸森は「水と緑の輝く街」、保原は「果物の里、ファッションニットの町」といった具合。平日の昼間でもあり、さほど乗客は見かけなかったが、各駅を巡って降りたくなるような、いい宣伝だ。右手から近づいてきた東北新幹線の高架橋をくぐり、その奥の東北本線に合流すると、福島までラストスパート。一旦JRの線路を走行し、再び東北新幹線の高架橋をくぐり、山形新幹線のアプローチ線が近づく頃に東北本線と再び分岐したところが、終着の福島である。ちなみに阿武隈急行の福島駅ホームは、島式ホームを福島鉄道と分け合うかたちの共用駅。乗り換えの便利は極めてよいが、果たしてそのような利用はそんなにあるものなのか。

 福島からは再び東北本線に戻る。郡山行き2両編成ワンマン列車は、仙台から来た快速列車の接続を待ち、2分遅れで出発した。しかしその快速列車が到着したのは線路を挟んだ隣のホーム。何故同じホームで乗り換えできるように配慮できないのだろうか。それぞれの列車の折り返し運用を考えると便利なのだろうが、売り手の論理の発想に思えてならない。それとも、拠点駅である福島駅で乗り継ぐ人は少なく、むしろ北行き・南行きでホームを分けた方が、多くの利用者にとって便利なのだろうか。利用の実態を確かめずに主観だけで文句を言うのは空虚ではあるが、少し気になる点である。郡山行き列車は乗り換え客を受けたこともあるが、それに加えて思いの外、途中駅でもそれなりの乗降があり、二本松あたりまで立ち客がなくならない。中心都市への一極集中でなく、沿線相互の需要もしっかり確保できているようだ。

 郡山ではすぐの乗り換えで磐越東線に乗り継ぐ。郡山を出発時点では、立ち客も数人出ていたが、4駅先の船引までで既に半分程の乗客が降りてしまい、4人掛けのボックス席を一人で占領する。利用者が少ないのは気がかりだが、今は一時の贅沢。車窓を見る限りかなりの急勾配のようだが、キハ110はそれを走りでは感じさせない。快適な車内でいつしか眠りに入っており、目が覚めたのはいわきの3駅前・江田を過ぎたあたり。既に勾配は緩くなっており、いわきに向けての乗客を集めつつある状況。結局、磐越東線の何%の景色を見たのだろうか。またリベンジを果たしに来なければならない。


<パート3へ続く>

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