
'05.9.5
【パート3:非日常の終幕】
いわきからは常磐線を南下。あまり海に近づく区間は少ないが、勿来あたりで白波立つ太平洋が望める。このあたりでは雨は降っていなかったらしく、明るい夏空の太陽の下、海の色も明るく、波の白さも際立つ。今朝まで見てきた東北の海とはそう遠くない距離でつながっているはずなのに、こうも印象が違うものだろうか。大甕では、半年前(2005年3月)に廃止になった日立鉄道の駅の跡地が常磐線ホームのすぐ横に見られる。線路は既に撤去され、使いようのなくなったホームと、入口を封鎖された跨線橋が静かに残されている。まだまだ暑さの残る夏空の下、列車も乗客も多い常磐線のホームとは対照的に、もの悲しさが漂う空間であった。
勝田から上野行き普通列車に乗り継ぐ。そろそろ日も暮れ、車窓も望めなくなってきたので、おとなしく車内で静かに終着までの時を過ごす。足掛け5日、久々に実行した青春18きっぷの旅は、総じてのんびりした時間を過ごした、という印象だ。クルマの旅だと、その場の思いつきで寄り道も容易だが、どうしても運転に集中せざるを得なく、景色をゆっくり眺めることはできないが、列車の旅だと自由度には欠けるがのんびり景色を楽しめるし、気が向けばアルコールを楽しみながらでもよい。改めて列車の旅のよさを実感できた5日間だった。何もクルマの旅の良さを否定するわけではなく、目的に応じて両者を組み合わせて、旅を楽しんでいければと思う。そんなことを思いつつ、列車は東京の喧騒の中に5日ぶりに飛び込んだ。旅の最後の締めくくりとなる、東京からの東海道線は、混雑した通勤列車。次の日から仕事という現実に引き戻されるには、ちょうどいいカンフル剤だったのかもしれない。