超個人的・旅コラム

01.3.15

【パート2:485系特急<はくたか>疾走!】

  朝から降る雨の中をついて、<はくたか>は富山平野をひた走る。魚津を過ぎてしばらくすると、前方を急峻な山で遮られ、その山の斜面は急角度で海へ落ち込んでいるのが、車内からも確認できた。天下の険・親不知子不知である。日本アルプスが平野を介さず急角度で海に沈み込むところで、断崖絶壁の荒々しい海岸が続くところである。この断崖絶壁をつたってここを越える時にはそれこそ命懸けで行くしかなく、連れだった親や子が落ちても気がつかない程の難所であったことからついたのが、ここの地名である。かつての北陸本線も、その切り立った海岸に沿って線路があったそうだが、今はトンネルで難なく越えて行く。

  しかしトンネルの合間からはわずかながら日本海が見える。断崖絶壁の名勝を台無しにしたことで名高い、親不知海岸の海の上を走る北陸自動車道の高架に遮られ、見渡すかぎり一面が海、というわけにはいかないが、一応それなりには海を望める。今回の旅のテーマは「冬の荒れた日本海」であった。今日は天気も雨なので、想像していたような荒波が見れるのではないか、と期待したが、今日も何故か波は穏やかだった。平穏無事で何よりではあるが…

  糸魚川、直江津ともにかなりの乗客を集め、デッキには立席が出るほどになった<はくたか>は、犀潟から北越急行線に入る。96年に開業した、上越と越後湯沢(六日町)を結ぶ第3セクターであるが、東京と北陸を最短で結ぶこともあって、新幹線連絡のJR特急、我が<はくたか>のルートにもなっている。ほぼ全線が高架で、踏切が無く安全なため、特急は国内在来線最高の時速140kmで走る(しかしほとんどがトンネルなため、景色はそんなによくない)。しかし現在建設中の北陸新幹線が開業した際には、在来線のJR特急も走らなくなるだろうし、10数年後北越急行がどうなってしまうのか心配である。

  海岸近くの直江津では雨だったのが、内陸に入るに連れて雪まじりのみぞれになった。トンネルを通過するたびに積もる雪が高くなっていくのがわかる。沿線にはスキー場も見えはじめた。次第に日本有数の豪雪地帯に近づいていくのがわかる。

  2回ほど対向列車と行き違い(北越急行は全線が単線のため、特急といえども行き違いで止まったりする)をした他は快調に飛ばす。大きなカーブも少なく、乗り心地は実に快適である。こんなに心地いいと、やはり少々居眠りしてしまい、途中十日町に停まった以外はあまり覚えていない。トンネルを全て抜けきり、左手から上越線が寄り添ってくると六日町で、終着の越後湯沢も近い。このあたりはまったく3月とは思えない、まだまだ雪に閉ざされた冬のままだった(地元の人には変化が分かるのかもしれないが、少なくともよそ者の私にはそう見えた)。

  越後湯沢は温泉でも名高いが、周囲にはスキー場もたくさんあり、駅周辺はスキー客相手のホテルがひしめきあっている。駅前にもホテルのマイクロバスが何台も停まっていた。ここなら東京から新幹線でわずか1時間20分で来れる。もっとも今日はみぞれのためか、スキー・ボード客は少ないようだった。それにしても、ここや長岡、新潟と、上越新幹線の駅コンコースはどこも同じような、若干暗い雰囲気がある。確かに同じ時期に新幹線が出来たし、案内板なども同じものを使っているのだが、いかにも国鉄、といった感が拭えない。

<パート3へつづく>

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