超個人的・旅コラム

01.3.16

【パート2:磐越西線とSLとムースポッキ−】

  会津若松1112分発の磐越西線快速<あがの1号>で新潟へ向かう。今日の鉄道の行程は新潟までであり、距離も126.2kmと短いので青春18きっぷは温存し、普通乗車券(2210円)で乗車する(ちなみに青春18きっぷ一日分は2300円)。昨日喜多方まで乗ったのと同じ、キハ100系3両編成である。車両中ほどに4人掛け(2人が向かい合う)と2人掛け(1人が向かい合う)のボックスシートがあって、長距離の乗車でもくつろげるようになっている。誰かに横に座られるのはイヤなので、2人掛けの方に陣取った。

  市域を抜けると、田畑などにはまだ一面の雪が残っている。普段見ることのない雪景色は、毎日見ても見飽きない。今日も天気は良く、辺りがまぶしく輝く。こういう状況になるとどうしても目を細めてしまい、ついついまぶたがくっついてしまう。さっき歩いてきた疲れもあったのか、昨日来た喜多方につく前に眠りに落ちていた。

  車内放送で目が覚めたのは、1時間ほど経った野沢であった。5分ほど停車するとのことなので、例のごとく駅に降りてみる。自動券売機もない小さな駅だったが、西会津の玄関口らしく、観光案内所があった。パンフを眺めていると、そこのオバチャンがパンフを一通り集めてくれ、たくさんもらってしまった。PRに熱心なのか、あるいはパンフだけもらっていく客がよく来るのか。とにかくインパクトの強い駅になった。(その割にはどんな駅舎だったか忘れてしまった…)

  沿線にはずっと阿賀野川が並び(正確には線路が川にひっついている)、渓谷美が楽しめる。この辺りではもう雪は山肌の影にくらいしか残っていないようで、まだ外は寒いようだが景色だけは春の到来を予感させるような情景が流れる。また思いのほかトンネルが少なく、ずっと川を望みながらの走行になる。こういう川沿いの路線の多くはトンネルの連続でしかないケースが少なくなく、この磐越西線は眺めが良い路線といえるだろう。現にこの路線(磐越西線の西半分)は「森と水とロマンの鉄道」として売り込み中であり、<SLばんえつ物語号>としてSLを走らせるイベントを展開している。まさにこの辺りが景色のハイライトとして挙げられるところであろう(偶然にもこの列車で、回送中のSLとすれ違った)。眠気が覚めた私は、そんな川の流れを眺めながら、会津若松で買ってきていたムースポッキ−(今度はホワイト)を昼食代わりに食べて悦に入っていた。

  そんな森と川の景色もいつのまにか去ってしまい、途中の津川や五泉などでも客を集めながら、さらっと立客が出るくらいの混雑で新津に到着した。新津は各方面からの路線が集まる、昔からの交通の要衝であり、今も残る駅構内の広々とした敷地からは、機関車の交換や貨物列車がひっきりなしに動き続けた当時の新津駅の賑わいがうかがいしれる。と同時に、今はその多くが雑草の中に埋もれてしまっているのが、何とも言えずもの悲しい。現在は運転所のほかにJR東日本の新津車両製作所があり、この日は総武線の黄色い209系車両が1編成、ポツンと構内で待機していた。都心を走るこのステンレスボディの通勤車両は、この辺りの主力である115系の新潟色や、比較的のんびりしたこの辺りの風景とはやはりミスマッチとしか言いようがない(私の単なる先入観なのかもしれないが)。逆に言えば、このような珍しい光景が見られる、面白い場所であるとも言える。

  さてこの新津駅では、先程紹介した<SLばんえつ物語号>の運転にあわせて、3番線をレトロな装飾の専用ホームとして確保しているが、これがいかにも「とって付けました」と言わんばかりのチンケな装飾なのには興ざめした。例えば、駅名標を緑色の隷書体で右並びに書いているのはいいのだが、そのバックになっているレンガ調のシートがいかにも絵であり、まったく存在感を欠く。あるいは、従来のホームに突然設置された振子の置時計も、何だか浮いて見える。明治・大正期のレトロな雰囲気の演出という意図はよくわかるのだが、もっと本格的な装飾はできないものだろうか。確かにこのホームも普段の列車が使うので、観光一色には出来ないのは分かるが、めったに見たり乗ったりできないSLの運行なのだから、ツアーなどの営業キャンペーンだけでなく、当の駅の盛り上げにも重点をおいてほしい。(ここまで通ってきた磐越西線内のSL停車駅にも、同様の駅名標が設置されていた)

<パート3に続く>

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