超個人的・旅コラム⑧

01.3.17

【パート2:まさかのハプニング発生!】

  高校生の集団が過ぎ去り、静寂を取り戻したホームに1両だけ残ったディーゼルカーが、次の新津行きである。新発田を出るとすぐに、さっきの白新線と同じような一面に広がる田園風景が続く。さすが日本随一の米所・新潟平野の真ん中だけあって、ぐるり360°一面が穀倉地帯である。秋の実りの季節になれば、まさに黄金のじゅうたんと表現すべき光景が展開されるのだろう。また、これほどまで大規模に広がる平原からは、日本の米の何割かをこの土地が支えているのだという、風格にも似たものが感じられるようだ。

  新発田から4駅目の水原は、白鳥の飛来地で知られる瓢湖がある駅である。朝早くに白鳥に餌付けをしているのが見られるようで、実は今日の朝行ってみようかな、と密かに考えていたが、新潟市内からはおそらく時間的に間に合わないようだったので今回は断念した。しかし空一面に白鳥が舞う姿はさぞ圧巻であろう。気になる場所である。(ちなみに、今年の2月に廃止された特急<白鳥>の名は、ここにちなんでつけられていた。)

  さほど劇的な景色の変化もなく、まもなく新津に到着。ここから再び信越本線に戻り、長岡に向かうはずだった。しかし、何やら駅が慌ただしい。構内放送によると、信越本線の新潟と新津の間(荻川−亀田間)で人身事故があり、信越本線をはじめとする新潟付近全ての列車がストップしているらしい。何も事故区間と関係のないところまで止めることもないように思うが、おそらくこの辺りの列車は新潟駅を中心に動いており、おいそれと動かしては復旧の際に苦労するからひとまず止めているのだろうか。何はともあれ、私はこの新津駅でまさかの足留めを食うことになった。脱出方法はない。待つしかない。

  当分復旧しそうにないので、昨日見て回った駅前をもう一度回ってみるが、一日では何も変わるはずもない。またSL公園など、バスに乗れば見所はまだあるらしいが、いつ運行再開になるか分からないので遠くまで足を伸ばすわけにはいかない。改札前のコンコースや待合室は、同じく運行再開を待つ人で混雑し始めた。コンコースには、駅弁を売っているおじさんがいたが、まだ時間は10時前なので、残念ながら売れそうにはなくヒマそうだ。私もただ立っているだけではヒマだししんどいので、きっぷを見せて構内のベンチで待つことにした。

  お客さんの動きもなく、列車も来ない、静かな構内を眺める。ホームの向こうでは、朝のラッシュから帰ってきた気動車が入れ替え作業をしているだけで、他の動きは何もない。昨日止まっていた東京の209系も、今日はもういなくなっている。だだっぴろい構内をただ眺めているうち、何だかゆったりした気持ちになってくる。今日中に大阪まで帰らなければならないが、別に焦っても列車が早く来るわけではないし、気長に待つとするか。そう自然に思えると、何故か気持ちが楽になる。いつもなら、そんな時間はもったいない、何かしよう、という意識が働きそうだが、今日はそんなこともない。何ともゆったりした、贅沢な時間がただ流れていく。

<パート3へ続く>

<もう帰るんすか?ホームへ・・>