超個人的・旅コラム

01.3.17

【パート3:果たして旅の目的は?】

  結局待つこと約1時間半。やっと列車運行再開のアナウンスが流れた。程なく私が乗る長岡行き普通列車がやってきた。この列車が一体どこで立ち往生していたのかわからないが、今回の事故のような事態ではホームで待っているほうが圧倒的に楽だろう。いつ動くか分からない列車の中で何時間も待たされるのは、いくら鉄道好きでもたまったもんじゃない。ただし、特急や寝台列車だったらしばらくいてもいいかな、という気もしないでもないけど。

  時間が経つにつれてだんだん曇りになってきた空の下、長岡行き普通列車は走る。さっき新津で待っていたお客さんの多くは新潟へ行く人のようで、こちらにはさほど乗ってはいない。もはやダイヤはズタズタで、長岡に何時に着くかはよく分からない。さっきは気長に待つ、と言ってみたものの、現実問題として乗り継ぎがうまくいくのか、ちゃんと今日中に帰り着けるのか、いささか心配になってくる。そうなるとゆっくり景色を見られるものではなくなる。

  曇り空の下、予定より1時間半遅れで長岡に到着。ここでもまだダイヤの乱れの影響が出ているようだ。とりあえず次の直江津ゆきの正規の発車時刻(1203)までは、例のごとく駅前をうろつく。ここ長岡も、以前駅には降り立ったことがあるが、駅前まで出てきたのは初めてだ。幅の広いアーケード付きの商店街が印象的だった。しかしさほど時間もないので、昼食はロッテリアでパッと済ます。本当は普通列車の中でゆっくり駅弁でも、と思っていたが、一般的に列車が遅れると混雑するので車内では食べられない、それどころか座れる保証すらない。せっかく駅弁のおいしい北陸に来ているのに、無念である。

  12時前にホームに降りていくと、定刻より約20分遅れて、特急<北越4号>が発車していくところであった。もしかしてダイヤの遅れは取り戻しつつあるのかな、と期待して、直江津ゆきを待つが……来ない。私が狙う直江津ゆきは長岡始発なので、おそらくこの駅の構内のどこかにはいるはずだが、なかなか入線して来ない。学校帰りの学生が増え始め、だんだんホームの列も長くなる。一応、列の前のほうにはいるものの、果たしてこの列が本当に乗車口なのかは、実は知らない。人が並んでたので後ろにくっついたのだが、こういうときに限って妙に気になる。ホームにマークでもつけてくれたらいいものを。(こういった駅は、どちらかというと地方の中心駅に多い。特急の乗車口はたくさん案内があるのに、普通列車用の案内はなかったりするのが常だ。)

  結局12時半ごろになって、ブルー中心のさわやかなカラーリングの115系3両編成が入線(実は初めて見た塗色だった。新潟地区の新塗色?)し、運良く列のすぐ近く(やっぱりちょっとずれてた。乗車口だから並んでいたのではなかったようだ)に乗車口が来たので、何とか直江津までの席を確保できた。1241分、38分遅れでやっと発車。依然曇り空の下列車は一見何もなかったかのように、快調に走って行く。

  柏崎を過ぎたあたりで、日本海が見え始めた。そういえば今回の旅の本来の目的は、「冬の荒れた日本海を見る」だった。ここで見えた日本海は、砂浜ではなくごつごつした岩の海岸で、しかも天気も今にも雨が降りそうな、重たい灰色。まさにイメージしていた背景は整った、といったところだが、肝心の海の方は、なぜか今日も穏やか。わずかに所々白波が立つ程度で、岩に砕け散る荒波はどうやら今回は望めそうにはないようだ。

<パート4へ続く>

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