【声明】総力で再稼働を阻止し、ポスト原子力社会の扉を開こう
(柏崎刈羽原発反対地元3団体)

「原発ゼロ」にあたり、柏崎刈羽原発反対地元3団体、原発からいのちとふるさとを守る会が関係自治体、マスコミに声明を送りました。
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【声明】総力で再稼働を阻止し、ポスト原子力社会の扉を開こう

唯一国内で稼働している泊原発3号機が5月5日、定期検査に入った。これで国内50基すべての原発が停止する。しかし、ここにたどり着くまでに私たちが 払った代償は、余りにも大きいと言わなければならない。

福島原発事故による県外避難者は4月現在で6万2千人に及び、1時間当たりの放射線量に関しても、浪江町井手山で98マイクロシーベルト、双葉町山田で 92マイクロシーベルト、大熊町夫沢で144マイクロシーベルトを記録している。大熊町は住民のおよそ95%の約1万人、双葉町と富岡町は各5千人前後 と、居住人口の約7割・3割が5年以上帰れない「帰還困難区域」の住民である。朝鮮戦争による離散家族1,000万人、パレスチナ難民480万人など、近 代は戦争やシオニズムによる「難民の世紀」でもあったが、ここに原発事故が加わることになった。故郷から切り離された人々のアイデンティティはどこへ向か うのだろうか。

原子力社会からの撤退を決めたドイツ。チェルノブイリ原発事故直後にベストセラーとなった「危険社会(新しい近代への道)」の中で、著者のウルリヒ・ベッ クは原発のリスクに関してこう述べている。「原子力の危険は排除するわけにはいかない。排除しえないという事態の中に、原子力時代の危険が文化や政治に対 して持つ新しい形態の影響力がある」。

3・11は日本に「新しい形態の影響力」をもたらしたのだろうか。大飯3、4号機の再稼働をめぐる野田政権の動向や「安全性は高まっていると思う。電力の 安定供給は極めて重要であり、地元の理解を求める段階に至ったことは大きな前進である」という米倉経団連会長の発言を見る限り、原子力社会を支えてきた 政・官・財のトライアングルは何も変わっていない。「物神」に拘束された倫理なきあまりに貧困な時代認識のままである。彼らに新たなリスク社会の未来をゆ だねるわけにはいかない。ポスト原子力社会の「新しい形態の影響力」の主人公は市民である。

一方、中越、中越沖地震を経験した私たちは、東日本大震災がもたらした「地震学の敗北」にどう向き合うべきだろうか。柏崎刈羽原発の耐震安全性評価の基礎 である佐渡海盆東縁断層帯は、佐渡島南方、FD、高田沖断層との連動が新たな懸念材料として浮上し、陸域においても長岡平野西縁断層が十日町断層と連動し ていることが明らかになった。断層の長さは実に132キロに及び、マグニチュード8.4の地震が想定されている。耐震安全性評価で7号機再循環ポンプモー ターケーシングの強度は1.06倍の耐震裕度であったが、断層が連動した場合、強度上の評価基準を超えることは確実だろう。浦底断層の真上に建つ敦賀原発 の廃炉の可能性が指摘されている。真殿坂断層と無数の敷地内断層の上にある柏崎刈羽原発も同様、廃炉以外の選択肢はない。加えて、フクシマを巡る東電の対 応をみた場合、世界最大の出力をもつ柏崎刈羽原発をこれ以上運転することは断じて認められない。私たちは、ひろく大衆、市民とともに、総力で再稼働を阻止 し、ポスト原子力社会の扉を開く。

以上、国内原発全号機の停止を受けて「声明」を発する。

2012年5月6日
柏崎刈羽原発反対地元3団体
原発からいのちとふるさとを守る県民の会

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