誰にも譲る気はありやせん。
この人の膝で居眠り出来るのは俺だけなんでさぁ。

特等席

「総悟く〜ん。そろそろお仕事しません?」

そんな猫撫で声を出しても駄目ですぜぃ。
こんなに気持ちが良くて良い天気なんでさぁ、仕事なんかする気になれやしねぇ。

「お〜い。本気で寝ちまったのか?」

起きてますぜ、近藤さん。
でも返事はしませんぜぃ。
返事なんかしちまったら、あんたは仕事・仕事って煩いからねぇ。
ここは、たぬき寝入りをするしかねぇや。

「はぁ〜。仕方ねぇな。」

おっと、なんだか気持ちが良いと思ったら近藤さんが俺の頭を撫でてるみてぇだ。
アイマスクで近藤さんの表情は見えねぇが、きっとこの人は俺の顔見ながら笑ってるに違いねぇ。
俺を起こすのは諦めたみてぇだ。
優し過ぎるんだっての。

・・・にしても、頭撫でるなんざぁ餓鬼みてぇだ。
あ〜、まだ俺が餓鬼だっつう事かねぇ。
昔っから近藤さんが俺に対する態度は変わらねぇや。

俺は近藤さんにとってまだまだケツの青い餓鬼なんでぃ。

「でっかくなったなぁ、総悟。」

親父みないな言い方だなぁ。
でも、悪い気がしねぇのはなんでだか。

まぁ、餓鬼だからって事でいろいろ大目に見てもらってるってのもわたってらぁ。
餓鬼だからこんな風に甘えられるのだってわかってらぁ。

だったら俺はあんたの前では餓鬼って事で思いっ切り甘えてやるぜぃ。

マヨ馬鹿やミントン馬鹿には悪いが、近藤さんの膝の上で甘えられるのは俺だけでぃ。
ここは俺の特等席なんでさぁ。

あ〜、気持ちが良いやぁ。