無駄にいろいろ悟っていた子供だった。

目の前には光

沖田は昔の自分は本当に可愛くない子供だったと思っている。
いつも一人でいて、友達を作る気もなく、ただただつまんない毎日を過ごしていた。
そう言う子はやっぱり変わり者扱いされて、近所の子供に苛められる事だって沢山あった。
まぁ髪の毛の色も原因の一つだったと思うけど。

そんな事されれば、どんどん自分に引きこもってしまう。
余計に外との繋がりを嫌ってしまった。

沖田はとても賢い子供であった。
そのせいなのか、普通の子供よりも人の感情がわかってしまった。

どうせ人間だなんて上辺だけ。
さっきまで自分を前に話していた人が、陰隠れて悪口を言う。
苛められてボロボロにされて心まで傷付いて、それなのに回りは見て見ぬ振り。

沖田はこの世に失望していた。

そんな沖田の前に現れたのが近藤だった。
始めて知る、回りの大人とは違う人間。
温かくて優しくて、太陽のように大きくて熱いハートを持っていて、本当に楽しそうに笑う人だった。
自分がどれだけ冷たくあしらっても諦める事なく話し掛けてきて・・・。
気が付いた時には近藤の道場に通っていた。
毎日が楽しくて楽しくて、冷たくなっていた心が温かかくなっていった。

あんなに一日が始まる朝が嫌いでならなかったのに、夜になって布団に入ると早く朝になるように祈った。
近藤と会う度に、世界が輝いて見えた。

年が経つに連れて仲間も増えた。
自分だけにかまってくれなくて、嫉妬とかもしたが近藤の側にいられて幸せだった。
廃刀令が出た時だって、近藤と一緒に居られれば別にどうって事なかった。
真選組にだって迷わず志願した。

沖田にとって、近藤は光だ。
輝く太陽なのだ。
どんなに暗いところにいたとしても、近藤さえいればどうにでもなる気がした。

目の前の光を失いたくないから、どんなにつらく酷い事だって出来た。
今、沖田が真選組にいるのはその光を守りたいという強い意志があるからなのかもしれない。