お妙さん。
貴女が好きです。
いつか気持ちが伝わる事を願っています。

貴女へ

志村家道場の郵便ポストに切手も貼っていない手紙が届いた。
力強い字でお妙さんへと書かれた便箋の中には、一枚の紙が入っていた。


お久しぶりです。
いきなりの手紙で驚いたと思いますが、実は今ちょっと面倒な事件が多発していまして、当分の間貴女に会う事が出来ないので手紙を書く事にしました。
本当は、直に会ってお話したいのですが、仕事があまりにも忙しくお店にも行かれない状態なんです。
なので、手紙で我慢します。
それといい機会なので、今まで貴女に言えなかった事を書こうと思います。

お妙さん。
いつもストーカーばっかりですみません。
貴女に迷惑掛けているのも重々承知しています。
でも、どうしても自分の気持ちを抑える事が出来ないんです。
貴女の傍にいたいんです。
貴女を見ていたいんです。
こんなゴリラ顔の男に貴女の様な美しい人が好きになってくれるだなんて夢のまた夢ですが、どうしても諦められないんです。
疎まれても毛嫌いされても、それでも貴女が好きです。
貴女でないと駄目なんです。
どんな辛い事があっても笑顔を絶やさない貴女。
口ではきつい事言っても、心から言っていない事だって知っています。
すぐ暴力に出るのも、一種のコミュニケーションだと思っています。
これは、自分の考えであって貴女の本当の気持ちはわかりませんけど、そう信じています。
貴女は、とっても美しい。
身も心もどれを取っても美しいと思います。
自分の目には、貴女が眩しく見えるのです。
貴女ほど、素晴らしい女性はこの世にはいないでしょう。
お妙さん。
貴女が好きです。
いつか気持ちが伝わる事を願っています。

近藤 勲


「・・・・ば〜か。」

忙しいって書いてあるのに、わざわざ届けに来たのであろうゴリラを想像し、妙は何度も何度も手紙を読んでいた。