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屯所の縁側に、一冊のノートが置いてあった。 風に吹かれてパラパラとページが捲れて、紙に書かれた文字が太陽の光を浴びてちょっとだけ光って見える。 日記 縁側に無造作に置かれていたノートを見付けたのは、たまたま通った土方だった。 誰が落としたんだろうとノートを拾うと、書かれていた文字に見覚えがあり、ついつい内容に目を走らしてしまった。 四月二日 木曜日 今日はいつもの様にお妙さんに会いに行った。 んで、いつも通り殴られて吹っ飛ばされた。 だけどいい事もあった。 あのお妙さんがこの前のテロとの戦いで受けた怪我を心配してくれたのだ。 あまりに嬉しくて抱きつこうとしたら殴られて吹っ飛ばされたんだけど。 それでも、今日はいい日だった。 読むんじゃなかったと、土方は自分の不運を呪った。 どうやらこのノートは近藤の日記だったらしい。 よりにもよって近藤の惚気日記を見る羽目になるとは思わなかった。 「・・・ついてねぇなぁ。」 日記から目を離さずに頭を掻く。 なんだか、凄く腹が立って来た。 文字書くの苦手な癖してこんな日記を真面目に毎日書いているだなんて、なんだかムカつく。 (てか、あの女の事ばっかってのが余計ムカつくんだけど。) そんな事を思いながら、勝手にパラパラとページを捲る。 どうせ、妙の事しか書いてないと思ったからだ。 軽い腹いせでもあったのだが、ページを半分まで捲るとまた同じ日付の日記を見付けた。 四月二日 木曜日 今日はトシと総悟とで見廻りに行った時、美味そうなたこ焼き屋を見付けたので三人で買って食べた。 トシは仕事中だからと文句を言っていたが、満更でもなさそうに美味そうな顔してたこ焼きを食べていた。 総悟と言えば、一人でたこ焼きを四つも食べて俺達は一つしか食べれなかったけど、嬉しそうな顔して食べてたから良しとした。 近藤は、ノート半分を妙との出来事、もう半分を真選組での出来事と別に書いていた。 内容は大雑把ではあったが、毎日書いているのか日付が途絶える事はない。 無言のまま近藤の日記を見詰めていた土方の口元が柔らかくなっていたのは誰も知らない。 戻 |