2ヶ月半の入院生活

髄内ピンを入れ、ギブスで固定。
最初の手術が終わりました。
しかし、クンの術後の経過は思わしくありませんでした。
ギブスの中で骨が徐々に曲がり始め、3週間後に許容を超えてしまったのです。
退院は延期…、2度目の手術。
今度はギブスのせいで、浮腫むことが多くなりました。
そして、2度目の手術から3週間が経った頃、とうとうピン先の骨にヒビが・・・
ピンを抜くための処置が行われ、またもや退院は延期・・・
骨折から6週間・・・
クンの足は癒合の兆しがないまま、ギブスのみの支えとなりました。
このままではダメかも知れない・・・
とにかく、治療が可能な病院を探さしておかなければ!
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「クンちゃん、連れて帰る?」
レントゲンを見に行って、突然言われました。
「え? 」
「クンちゃん、私を噛むようになって治療をさせてくれないんだよね」
クンが必死で家に帰る!と訴えていたんですね・・・。
その前は、長いことハンガーストライキをして、ビタミン剤を打たれていました。
クンの脱獄計画です・・・
「それで、経過はいかがでしょう?」
「ギブスが緩まなければ大丈夫です。なんとか癒合が始まったようです」
骨折から2ヵ月半、
とうとう癒合が始まった!
ヤッタァ〜〜!

しかし、これは事実ではありませんでした。
当時私は今よりもっと無知でしたが、骨癒合には時期があり、
体内から癒合に必要な成分が出るのは骨折から約2週間。
その辺でピークを迎え、3週間目頃から徐々に落ち着いてくるのです。
つまり、余程の事がない限り
2度目の手術が成功する可能性は、1度目よりずっと低くなるんです。
退院したクンは、長い入院生活で疲れていました。
面会も許されず、狭い檻の中で、ただひたすらお迎えを待っていたのです。
カラーで蒸れた耳は茶色くただれ、首の周りはひどい毛玉になっていました。
そして、ギブスの足は10歩に1回位しか着地しませんでした。
喜びはつかの間でした…。
退院1週間後のレントゲンで、骨が再び曲がり始め再入院と言われました。
面会も出来ない病院に、これ以上クンを預けるつもりはありませんでした。
長い治療生活で一番辛かったのは、この面会謝絶の2ヵ月半でした。
やっとクンを抱き締めることが出来たんです。
そしてこの間に、私はいろんな病院の情報を入手していました。
私は「転院したい!」と伝えました。
ところが・・・
「このまま付くと言っているのに、
あなたがクンちゃんを早く歩かせたいだけなんでしょ?」
・・・?
その上経過を診ればわかるはずと、レントゲンも貸して頂けませんでした。
このまま骨が付かなかったら、どうするつもりなんでしょう?
困るのは、クンだけではないでしょうに・・・。
何を言われても、クンの足は治っていないのです。
しかし、立ち止まってはいられません。
私は前に進まないとならないんです!
先代犬から長くお世話になった病院でした。
もう戻ることはないでしょう・・・
飼い主にとって、転院は大きなストレスです。獣医さんにも、その判断は難しいと思います。
必要に応じて専門病院を紹介できる病院は、どのくらいあるのでしょうか?
細分化された人間の医療と異なり、獣医さんはオールマイティの治療をなさいます。
ホームドクターを基点として、もっと自由になれないものでしょうか!
飼い主には治療をお願いした責任があります。
同時に治療を引き受けてくださる獣医さんの責任さえ、時に非常に強く感じるものです。
大抵、主治医の先生には信頼がある為、余程の事がない限り転院などは考えません。
病院を紹介されない飼い主が転院を決意する為に、
どれだけ神経を遣い、エネルギーを消耗するか・・・。
良いドクターとは、治療のみならず、
時に一緒に悩み、時に一緒に情報を集めてくださる先生です。
過去の失敗を無駄にせず、糧にできる先生です。
たとえ何があっても、誠意が伝われば飼い主も立ち直れます。
飼い主が感謝するのは、結果よりも、むしろその過程の誠意だからです。
そして必要な時に、必要な知識や情報を提供してくれ、
何より飼い主の心の支えになってくださる先生です。
入院中、治療経過に不信を感じていた私は、
ヒルタ先生ののワンニャン相談の掲示板で
「是非セカンドオピニオンを求めるように。そして、退院したらすぐに診て頂くように」
とアドバイスを頂いていました。
そのアドバイスのお陰で、私は素敵な先生に出会うことが出来ました。
目黒区のラムジイ動物病院の清水先生です。
退院直後から、ずっとクンを診て頂きました。
まさかの事態のたびに、一緒に悩み、支えて頂きました。
施術後は、定期的にレントゲンを撮って、大阪の岸上先生に送ってくださいました。
クンの長い治療過程を、一番よくご存知なのは清水先生です。
クンが歩けるようになった時、本当に心の底から一緒に喜んでくださいました。
思い出すたびに嬉しい情景です。もちろん今はホームドクターです。
また別の動物病院の「医療相談コーナー」では、
「日本には、骨折を得意とする先生が何人かおられること。
もしかしたら、そういう病院を渡り歩くことになるかも知れないけれど、必ず治る」
と励まして頂きました。クンはたくさんの先生方に支えて頂きました。
しかし…。
転院という希望の光に救われた私は、この先で凝りもせずに、
重大な事態に陥ろうとは夢にも思っていませんでした…。

もし、治療の過程で不安や不信があった時は、どうかセカンドオピニオンを求めてください。
「こんな状況なのですが、セカンドオピニオンとして診察して頂けますか?」
まずは電話で問い合わせてみるといいでしょう。
やってみるとわかりますが、その対応はまちまちで、直感的に得られる情報はかなりあります。
セカンドオピニオンを喜んで引き受けてくださる獣医さんは、決してイチかバチかの治療はしません。
そういう獣医さんは「重大な事態」になった時も、
広い視野で患者の為に、より良い対応を心がけてくださいます。
ホームドクターを選ぶ基準ですね。
飼い主が良いドクターを選ぶことは我が子の為だけでなく、
獣医療の向上に繋がる大きな要因ではないでしょうか。
本来のセカンドオピニオンとは、主治医の先生の協力によって行なわれるべきものです。
それができなかったことは非常に残念なことでした。