スーパーショートストーリー





青年と少年が二人、食事に来ていた。
二人とも見目が良いため、視線が引き寄せられた。見事な黒髪の青年と、金髪の少年。 足取りも良かったため、直ぐ気づかなかったため、わからなかったが、黒髪の青年は目が不自由なようだった。というよりも、見えないのだろう。 それは、もう一人の少年が料理の説明を話していたからだ。彼が話すと色を持って、伝わってくる。 黒髪の青年は始終目を閉じていた。目が開けば、きっと綺麗な目をしているだろうに。 彼らのテーブルには様々な料理が並べられている。パスタに、スープに、サラダ。どれも、私が自信を持ってお勧め出来る料理だ。
「ありがとう」
そう青年は笑って、礼を言う。
そして、彼のフォークを持つ手が止まる。
「君の世界はきらきらしてるね。君の世界をまた共有したいよ」
寂しげな言葉が零れる。 話からすると途中から、視力が失われたようだ。
「治るよ、あんたの目。っていうか、治すし」
石で、と言った。
何の石だろう。
そういえば、この二人は何処かで見たことがある気がする。 料理にばかりに気を取られ、世間の情報に私は疎い。 力強い目が黒髪の青年に向けられる。
「もし、治らなかったら仕方ないから来世で共有しようぜ」
にかっと金髪の少年が笑う。
来世なんて信じてないくせに、と黒髪の青年は口元だけ嬉しそうに笑っていた。
男同士なのに、何故か夫婦のようだった。きっといくつもの困難を乗り越えたのだろう。
もしかしたら、恋人同士かも、と邪推したくなる。 私はそんなことを思いながら、コックとしての仕事に戻るために、キッチンに戻った。美味しい料理を食べて、素敵な時間を過ごして頂くために。

盲目の旦那を支える夫人の話を読んで、ロイエド変換( ̄▽ ̄)