キルアとゴン

「これ、ゴンがオレに?」
テーブルの上に置いてあるのは、何かを包んだ包装紙。
キルアへとメモがある。
開いてみると、出てくるのは箱に詰められたチョコレート。
「疲れたオレにゴンが買ってくれたのかな?」
何だか釈然としないものの、一粒食べてみる。口の中に広がったのは、チョコレートの甘さとマスタードの辛さが交わったものだった。
「何だこれ!ゴン、てめぇ出て来い!」
隣の部屋はゴンの部屋だ。
直ぐゴンはキルアの部屋へと入って来た。顔が笑っている。
「キルア食べたんだね」
やはり知っていて、置いたのだ。
「お前、これチョコへの冒涜だぞ!」
「キルア、甘いものばっかり食べてるから、虫歯になるじゃない。たまには違うものがあった方がと思ったんだ。もしかしたら、美味しいかもしれないし」
「お前も食ってみろっ」
がっとチョコレートをゴンの口元に向かって突き出す。
「キルアの為に買ったんだから、キルア食べてよ!ちゃんとオレの気持ち込めてるよ」
ゴンは逃げていく。
「何がだっ」
それをキルアが追いかける。
何にせよ、ゴンといるとキルアにとって退屈しないのが確かである。



クラピカとセンリツ

クラピカの顔色が普段に増して酷い。
無理もない。 ノストラードファミリーの要である、ネオンの念能力がなくなった。その力を利用していたノストラードファミリーは、今にも崩壊しそうなところを何とか食い止めている。 そこに、一番尽力を捧げているのがクラピカだ。
ふと、思いついたことがある。
「クラピカ、少しだけ休憩しない?」
「いや、休んでる場合では…」
クラピカの言葉が不意に途切れる。 センリツがクラピカに湯気の立つティーカップを差し出した。センリツが用意したティーカップにはホットチョコレートが入っている。 甘い匂いが立ち込める。
「疲れたときには甘いものよね」
クラピカはホットチョコレートを飲みたいわけではなかっただろう。純粋にセンリツの好意を汲み取ったのだ。 ティーカップを受け取り、一口飲んだ。
「美味しいな」
クラピカの言葉にセンリツが笑む。
クラピカの心音が落ち着いたのを感じながら、センリツもホットチョコレートを一口飲んだ。