「松に尊敬されたい」
実の弟の松樹からよく梅樹は何度馬鹿兄貴と言われている。 出雲と梅樹は共演することが多い。そのため、今回も稽古の休憩時、一緒に台本読みをしていた。 その途中で、ふと呟いた言葉だ。
失礼だか、また馬鹿にされたのだろう。 正直松樹は自他共に認めるほど、頭がいい。その松樹に馬鹿と言われたら、そうなのだろうといやでも納得してしまう力がある。
「松にすごいって言わせたいぜ」
思わず、出雲はくすりと笑ってしまう。
目敏い梅樹は眼を光らせる。
「何だよ、チビ」
「いや、前あれだけ険悪だったのに本当に仲良くなったなと思って」
「あ?どこがだよ?」
梅樹の言葉が尖る。
「前は会話すらなかったんだろ」
にやりと笑ってみせる。
それに、二人一緒の行動が多い。昔、本当に仲が良かったのだろう。そこまで近づいているのではないだろうか。
「まあな」
少し照れたらしく、梅樹は横を向いた。
何だかんだで梅樹も松樹もブラコンだよな、と出雲が思っていることなど露知らず、梅樹は弟に対する不満をつらつらと呟いていた。


何だかんだで梅樹、松樹はブラコンだなと思って。