深夜、一人キッチンにこもって、刻んだチョコレートを湯煎で溶かす。チョコレートは見る見るうちに液状になる。 本当はもう少し早く作るつもりだったが、稽古で長引いてしまった。 こんこんと少し咳が出る。自分の身体ながら嫌になる。
「加賀斗、何作ってるんだ?」
背後から声がして、びっくりした。 振り返ると八雲の姿がある。 どうやらチョコレート作りに夢中になっていたようだ。
「カップケーキです。明日バレンタインだから、皆にあげようと思って」
女性から男性に送るのが、本来の形だろうが、皆が喜ぶ姿が想像ついて、ついチョコレート作りに励んでいた。
「加賀斗の作るものみんな美味しいから、楽しみにしてるぞ」
身体が弱いんだから、こんな時間まで起きているなと言われるかと思ったので、不思議だった。
「ありがとうございます」
「遅いから、そこそこにして寝るんだぞ」
「はい」
そうして、八雲は寝室に戻っていく。
もしかして、八雲は寝床にいない加賀斗を心配して見に来たのだろうか。
愛されて幸せだな、と思う。
そんなことを思いながら、味見したチョコレートはひたすら甘かった。



加賀斗さんが皆に愛されてたら嬉しい♪( ´▽`)