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会合の後、リビングに入ると、早速加賀斗がお茶を淹れてくれた。本当によく出来る弟子だ。 加賀斗が淹れてくれたお茶で一服。 八雲にとって心が落ち着く瞬間である。 「最近の出雲はどうだ」 話題に出るのは出雲のことだ。自分から加賀斗に教えを請うことが最近増えた。 それは同時に出雲の女形が成長していることを意味する。 「僕が教えることはどんどん吸収してますよ」 「そうか。流石出雲だ」 相好を崩す。 しかし、加賀斗は晴れない顔だ。出雲の成長は加賀斗にとっても嬉しいはずなのに。 「最近の出雲を見てると、僕はまだまだ自分の殻を崩せていないなって少し焦ります」 「加賀斗」 何言ってるんだ、とお茶を置き、加賀斗の髪をくしゃくしゃと撫で回す。 「お前がいてくれたから、出雲もここまで成長したんだ。8年もブランクがあったっていうのにだぞ?」 そんなことを思っているなど知らなかった。 が、そんなことは口にしなかった。 「師匠」 加賀斗の瞳が困惑を表すように、少し揺れた。 「俺は優秀な息子が二人いて幸せだ」 八雲が隣に座っている加賀斗の細い肩を抱く。 昔から身体が弱く、成長するのだろうかと不安だった加賀斗もここまで成長した。 出雲がいない間、ずっと國崎屋を支えてくれた、もう一人の大事な息子だ。 「師匠」 八雲の気持ちが伝わったのか、加賀斗が笑みを浮かべた。 少し儚げな、けれども、綺麗な笑みだ。 そのとき、突然背後の障子が開かれた。 背後にいるのは、仁王立ちになり、拳の関節を鳴らしている八雲の実の息子だ。 般若の形相をしている。 何か誤解しているようだ。 「出雲!」 実の息子でありながらも、日頃の習慣で慄いてしまう。 「実の息子だけじゃ飽き足らず、加賀斗まで手を出して」 この変態親父!という言葉と共に八雲が叩きのめされるのは一分後のことである。 八雲×加賀斗は良いです(宣言)加賀斗も出雲教えながらいろいろ考えることがあるんじゃないかと思って。 |