クリスマス話のネタバレ含むので、注意。
128幕後の妄想その2。








校門に吹き渡る風が冷たい。 12月の終わり。まだまだ寒さが増している。
「國崎くんに言われてつけてみたけど」
ふと、口から言葉が滑り出した。
手にすっぽりとはまっているのは、クリスマスに出雲が紗英に渡した手袋だ。サイズがぴったりだ。 自然と笑顔が零れてしまう。 誰かに自慢したい。
以前よりも出雲との距離が縮まってきたのだとすごく最近感じるのだ。 しかし、自慢するにもいつものメンバーには悪い気がする。
「紗英様、お早うございます」
自分1人だけの胸に納めていようかと思っていると、女子生徒に声を掛けられた。よく声を掛けてくれる女子生徒だ。
「ああ、お早う」
にこりと返す。
普段と同じつもりだったが、違って映ったようだ。
「何だかすごく嬉しそうですね」
「え?」
思わず、どきりとしてしまう。なかなか鋭い。
「いいことでもあったんですか?」
思わず、胸中の気持ちを全て曝け出しそうになった。 しかし、ぐっと抑えた。
「いいクリスマスを過ごしたんだ。だからかな?」
「そうなんですか。さぞかし素敵なクリスマスだったんですね」
自然と頷いてしまう。
プランはほぼ変わってしまった。
けれども、何よりも大切な人と一緒に過ごせたのが嬉しい。 その証拠に、手袋がある。 ちらりと見た紗英の視線に、女子生徒が気付いた。
「手袋、買われたんですか?よくお似合いです」
「ありがとう」
手袋を褒められて作った笑顔じゃない、素の笑顔がふと零れた。
女子生徒が紗英の思いがけない表情に顔を赤らめていたが、紗英は気付かず、出雲とのクリスマスを回想していた。



出雲大好きな紗英様、可愛い過ぎる!