「じゃん、お前に見せようと思ってさ」
呼び出されたが、どんな用事なのか、レオリオは教えてくれなかった。
どうせ下らない用事なんだろうかと思っていたがー。
レオリオが手に持っているのは、医師免許だ。隅々まで見てしまう。レオリオ・パラディナイトと名がある。 手で、その文字をなぞる。
「何か言う言葉ないのかよ」
おめでとうの言葉を期待していたのに、クラピカが口を開かないから、疑問に思ったらしい。
「……おめでとう」
目頭が熱い。
目の前の男がどれだけ医者になれたらいいと思っただろう。 たくさんの人を救える人になれたらと。 本当に治して欲しかった人はもういないけれど。
「すげぇだろう。いやあ、俺頑張たからな」
クラピカの言葉にレオリオは嬉しそうだった。
「おめでとう、君ならなれると思ってたよ」
本当に。
自分が笑顔を作れているのかが、わからない。何故笑顔になれないのか。喜ばしいことなのに。
「クラピカ」
レオリオの表情がふと、変わる。手がクラピカの頬に触れた。 そこで、自分の目から涙が溢れているのがわかった。 レオリオの胸に頭が引き寄せられた。 目が緋色に変わっているのだろう。周囲に気付かれぬように、との配慮だろう。もしかしたら、それだけじゃないかもしれないが。

本当におめでとう。