ルクソ地方。
その鬱蒼とした豊かな森、そこに今足を踏み入れた。 森の中には幾つもの墓標がある。そこにはクラピカの同胞が眠っている。 一人でクラピカは全部の墓標を作ったのだろうか。 クラピカの手には、保存溶液に漬けられた彼の仲間たちの眼が一対ある。 容器に入れられているその眼は、物のようにも映る。 何を言えばいいのか、レオリオには出てこない。凄惨な事件が起きたとは思えない程、静かな森だ。
「これ、クラピカの仲間たちの墓?」
ゴンが手に花を大量に抱えて持ってやって来た。その後ろにキルアが続く。ゴンと同じように大量の花を抱えている。色とりどりの花だ。 クラピカの同胞は128人。墓に手向けるには、足りないくらいだ。
「ゴン」
クラピカが少し驚いている。
一つずつ、墓標に花を手向けながら、ゴンが話しかける。
「オレ、ゴン・フリークスって言います。クラピカの友達です。クラピカにはたくさんお世話になっています。よろしくお願いします」
ぺこりとゴンが頭を下げる。
嘗て確かにいたクラピカの仲間たちは生きていたら、どんな顔をしたのだろうか。
「オレ、キルアって言います。オレもクラピカの友達です」
ゴンに続き、キルアも墓標に花を手向ける。
レオリオはまだ困惑したままのクラピカの肩を軽く叩いた。
笑顔を向けると、安堵したかのようにクラピカの口元が笑う。綺麗な儚い笑みだ。昔のクラピカはもっと何の屈託もなく笑ったのだろう。ふと、思った。 これからそんな笑みが出来るようにしてやりたいとそう思った。
「ありがとう」
クラピカは感謝を述べながらも、俯いて顔を見せなかった。わからないが、恐らく泣いていた。それが悲しみではなく、嬉しさからであればいいとそう、願う。