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別れる間際、何かいい言葉がないか思案してしまった。 本当に言いたいことは何のか、それが見つからず、口から出てこない。 握手を交わす、その手を離したくないと思った。 これからクラピカがどうなるのか、その想像が手に力を込めるのだ。 ゴンとキルアと別れ、今度はクラピカと別れのときが近付いていた。< 「クラピカ」 「何だ?」 込められた力に気付かないわけがない。 クラピカは、何か言いたい顔をしている。 出会いが出会いだった。 レオリオの中で、クラピカの印象は悪かった。 けれども、一緒に過ごすうちに、クラピカのことがわかってきた。 日にちにしてみれば、一ヶ月近く。 しかし、時間密度はこれでもかと思うくらいに濃いものだった。 ヒソカが最終試験でクラピカに耳打ちしたという情報は、幻影旅団に対する確かな糸だろう。 クラピカが幻影旅団に遭遇する確立は極めて高いとみていいだろう。 要するに、心配なのだ。 クラピカを信頼していないわけではない。 それでも。 何かあれば、電話しろよ、とは言えない。 「登録してるだろ、オレの番号」 「ああ」 クラピカの携帯電話番号は、もちろん登録済みだ。 「たまには連絡しろよ、オレもするから」 連絡をするのかと言えば、むしろしない確立の方が高い。 それでも、そう言っていた。 「わかった」 手を、ようやく離した。 温もりが酷く、惜しかった。 乗る飛行船はお互いに違う。時間は直ぐに来てしまう。 「じゃあな」 笑ってそう言った。 クラピカも笑っていた。 けど、どうか、と思ってしまう。 あいつが心を開けるような人が近くにいますように、とそう願う。 多分、それは酷く祈りに似たものだった。 レオリオは別れた後、一瞬振り返った。 クラピカは背筋を真っ直ぐにした綺麗な姿勢で歩いていた。 それがクラピカの決意そのものを表しているようで、少しだけ、寂しかった。 |