contents | TOP | tady'sDESK | CAR report | blog | webmaster |

TOP>CAR report>MITSUBISHI i 【最終回】5年 46029km 生意気な小僧、アイ君

MITSUBISHI  i

【最終回】 5年0ヶ月 【46029km】 生意気な小僧、アイ君  2012/06/19



◆◆◆
 アイ君とお別れの時がやってきた。


 アイが気に入らないところがないわけではないのだけれども、ここのところ長距離移動が増えてきた事、平均速度が上がってきた事によって普通車を使いたいという気持ちにかられ…いや正直に話そう。スズキ・スイフトを購入したため、アイ君の里親を兄に明け渡す事になったのだ。

 もちろんこれには強い理由があってのこと。エコカー補助金が復活したことや、先に記したように距離や速度のベクトルが上がった事があるのだが、何より軽自動車ならではのガラパゴス制度、維持費が安く済むのを諦めてでもスイフトへ思考回路がスイッチしてしまったのだ。簡単に言えばアイ君でも困らないけどスイフトが欲しくなっただけの事で、浮気心が働いたのである。

 ここではスイフトの話は割愛し、5年間つきあってきたアイ君との幸せな生活を記す事にしよう。
 三菱iが登場したのが2006年1月、これを書いているのが2012年6月。登場から丸6年が経過しているのだが、iの魅力は衰えるどころか、依然としてその存在感は新鮮で、未だに街で見かけるとその個性的なデザインにギョッとする。最近はi-MiEVの効果もあってメディアに頻繁に登場し、街でも“電気アイ”が出没するようになってきた。その存在感に清々しさを感じるのは言うまでもない。実際、ウチのすぐ裏にアイオーナーの老夫婦がいるが、最近電気アイを購入されたようで、なんとガソリンアイとの両刀使いである。

 そして三菱に賞賛を送りたいのは、生産台数の少ないiにいたずらに特別仕様車を出さない事だ。エアロパーツなど余った在庫をつかってキャンペーングレードを設定したりしない。ルーティンのフェイスリフトも行わない。変わったといえば知るところ、さりげなくシフトプログラムを変更して燃費アップを果たしていることくらい。メーカーやディーラーがキャンペーンを張ると、クルマそのものがたちまち陳腐化して見えてしまうので、そういうことをしないのは三菱にとってのiは特別なクルマだということが伺える。


◆◆◆アイ君との5年間の生活


 本題の生涯インプレッションといこう。結論からいえば「楽しかった」に尽きる。これから10年付き合っても尚魅力があると思っている。その一つにアイ君が持つその「個性」で、最大の特徴であるリア・ミッドシップレイアウトによる影響だ。未来的なデザインはデザイナーのスケッチそのもので、私の好みにジャストミート。モノスペースの真骨頂だと思っている。そしてその特異なディメンションがもたらす走りの質だが、これはいい方と悪い方に分かれる。

当然、エンジン音は後ろから聞こえてくる。ターボエンジンだから、かすかなトルクステアも感じる。フロントに重量物が無いのは「何もない感」があって気持ちのいいものだが、反面「スカスカ感」がついて回り、前述したスタビライザーを追加する事で対処した。ステアリングのキックバックや路面トレースは躾がよくて、背高ノッポを安全に運ぶ。もちろんアンダーステア傾向。三菱はメルセデスAクラスの転倒を見て、提携関係にもあっただけに破綻は許されない。軽カテゴリーでコストパフォーマンスの厳しい中、よくぞ出来たと思う。今思えばコルトの共同開発もあったためか、三菱の意地と面子をかけてたのかもしれない。当時の三菱にとってはコスト度外視してでもやらねばならなかったのだ…。私はそんなパッションの詰まったクルマが大好きなのである。

◆◆◆軽ガラパゴスの損得勘定


 一方で困る事もあったのは事実。第一には1600mmという全高の高さは見る角度によってはひょろひょろした印象を受ける。立体駐車場に入らないサイズに妥協してまでデザインを完成させたのは軽独特の全幅の狭さが原因だと思う。全幅をせめて10センチ拡げ、無理な注文だがタイヤとホイールハウスが詰めて全高を下げた状態がベストではなかっただろうか。
これは全ての軽自動車に共通するデザインの悩みのような気がする。スズキ・パレットのアンバランスさをみれば明らかだ。筆者はこの軽ガラパゴス規格に最後まで悩み、そして得をしたのである。

 何を得したかといえば、普通車2台はとてもきつい自宅ガレージに軽であれば何とか収まるサイズ、普通車では躊躇する左側車線にすいすい入っていき、渋滞の隊列を抜けられる事などだ。全高以外は軒並みサイズが同じ軽ガラパゴス、似たようなクルマが出来るのは当たり前の事。いっその事、重量だけで普通車と軽を分けてもらいたい。基準は950kg。サイズに規定なし。これなら殆どの軽がクリア出来ているし、普通車は努力次第で軽カテゴリに参入可能だ。そして同時に欧米規格のライセンスプレート枠を設定したらいい。理由は然り、コストの上でプラスにしか働かないのである。




 話が脱線してきたので元に戻そう。総じて、アイ君との素敵な日々は終焉を迎えた。デザインで入った軽なんてiが最初だし、殆ど振り向きもしなかった軽自動車の新たな価値を私にもたらしてくれたのである。オートエアコンは相当よく効くし、設定した通りに環境を整えてくれる。ただし冬のヒーターは冷却水の温まりに時間がかかるせいで効くのが遅い。一本ワイパーは特別感があって個人的に好きだし、スイッチやシフト、ペダル類など操作系は節度感があり、指摘の多かったシートは小振りながらもなんとか長距離にも耐えた。前席シート下にガソリンタンクが設置されている分、フロアが盛り上がり、後席住人のつま先が入りにくい。ただ後席シートのリクライニングは可能。トランクスペースはエンジンルーム確保の為床が高く、それほどスペースがあるわけではないが、いざという時はリアシートを倒せばミニワゴンとなる。エンジンが下にある為、熱が伝わる為に食料品には気を遣う。そのため私は常にクーラーバッグを常備していた。

 燃費は丁寧に走らせて大体16km/l台、空いた国道や高速道路を法定速度で流して18km/l、ボディパネルに塗装の劣化やモールの劣化は見られず、洗車さえすれば新車時のコンディションを取り戻す。タイヤは純正時に履いていたダンロップSPSPORTSをはき続け、フロントの方が消耗が激しく、残り5mm位。無念だったのはエコタイヤを履かせて乗り心地や燃費向上を試したかった。3回目の車検時にブレーキオイル交換、今回は新たにATフルードを交換した。尚、バッテリーは一度も交換しておらず、新車時にクレーム交換してから実に4年半継続して使っている。勿論このままで済ませられないので、6年目の定期点検時にタイヤとバッテリーを交換してもらうつもりだ。

 

◆◆◆
iのライバルは姿を消し…

 2012年時点でiのライバルは存在しない。iの登場した2006年当時、プレミアム軽としてR1、ソニカやセルボがあったが、いずれも姿を消し、2012年に於いてはプレミアム軽なんて存在はないように思える。今や燃費戦国時代。リッター30キロを誇るミライースが目立つところ。燃費の上でアドバンテージの無いiは孤高の存在となってしまった。販売台数も少なく生き延びているのはi-MiEVがあってこそ。それでもずっとガソリンiも継続してほしいところ。何度もいうが街で出会った瞬間、未だにギョッとする存在感を放っているクルマも珍しい。軽自動車のくせに実に生意気だ。生意気な小学生小僧のような存在。アイ君とのモビリティライフはとても楽しかった。



MITSUBISHI i>【最終回】5年 生意気な小僧、アイ君 2012/06/19
MITSUBISHI i>4年1ヶ月 フロント感触の悩みを解消 2011/1/20
MITSUBISHI i>3年7ヶ月 ドアミラー色変更・下廻り錆対策 2010/8/1
MITSUBISHI i>3年1ヶ月 車検・2009年型ビバーチェに乗る 2010/2/7
MITSUBISHI i>2年11ヶ月 ボディ修復・足回りチェック 2010/1/7
MITSUBISHI i >1年9ヶ月 イベント参加、i-MiEV試乗 2008/09/30
MITSUBISHI i>12ヶ月 12ヶ月点検 1歳の誕生日 (2008年2月2日)
MITSUBISHI i>10ヶ月 灼熱の夏を乗り切る (2007年10月26日)
MITSUBISHI i >6ヶ月 6ヶ月点検 (2007年7月16日)
MITSUBISHI i >4ヶ月 異音発生の方策 (2007年5月3日)
MITSUBISHI i >3ヶ月 ミッドシップレイアウトの特徴 (2007年4月9日)
MITSUBISHI i >1ヶ月 イロイロ分かってくるアイ (2007年3月5日)
MITSUBISHI i >一週間 アイにイロイロ付ける (2007年2月15日)
MITSUBISHI i >一週間 今度のクルマは i (アイ)に決める (2007年1月26日)
MITSUBISHI i >imagination (2008年2月18日)
MITSUBISHI i >intelligence (2007年6月1日)
MITSUBISHI i >innovation (2007年2月14日)

TOP>CAR report>MITSUBISHI i 【最終回】5年 46029km 生意気な小僧、アイ君