|
家を建てる際には設計図面などが着工前に存在していなければならないことをご存知でしょうか。建物検査を依頼されて調べると、「図面を受け取っていなかった」「書類があることも知らなかった」というケースがよくあります。でも、書類さえよく確認していれば、避けられる例もあるのです。Vさんは東京都内で「建築条件つき」の売り地を購入しました。建築条件つきとは土地の売買契約後、売主から指定された業者と建築請負契約を結ぶことを条件に、売られる土地です。Vさんも指定業者と契約、一戸建てをつくりました。自由設計ができるはずでしたが、建築業者から「標準と違う設計や仕様にすると、上乗せ金が必要」と言われ、ほぼ業者の提案通り、60uに満たない土地に延べ床面積約80uの2階建てが完成。同じ家が4棟隙間なく並び、一棟の長屋のように見えました。引渡しから数年後住宅ローンの借り替えのために出向いた銀行で、Vさんは思いがけないことを指摘されます。「建築確認の履歴によると、ご自宅は並びの4世帯と合わせて一棟になっていますが・・」確かに建築確認履歴上は、延べ床面積は4棟合わせた分とほぼ同じ約320uとなっていました。でも、Vさんが手元に持っていたのは、間取りの打ち合わせに使った手書きの図面だけ。建築確認申請書の存在すら知らず、ほかの3世帯も全く気付いていなかったのです。売り主に問い合わせたところ、図面などは既に処分したとのこと。調べてみると、Vさん宅の地域では、最低敷地面積の規定により60u未満の土地では家が建てられなかったため、業者が4戸分を1棟として申請したこと、実際には一戸建てを4棟造り、その通りに登記していたことが判明しました。建物自体にも欠陥があり、裁判の結果、売り主は非を認め、Vさんらの家は建て直されました。しかし、契約から引渡しまでのいずれかのポイントで、申請図面を請求、チェックしていれば、避けられた悲劇と言えます。 |