daily sumus デイリー・スムース

[林蘊蓄斎]

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2004年3月1日(月)気が気でない午後

昨日のパラダイス展最終日、朝から雨。ちょっと心配だったが、午後には晴れると予報のあったとおり、友の会が開かれるころには青空も見えた。6畳の展示室と同じく6畳ほどのベランダに、岡崎、山本、生田、扉野、荻原、南陀楼、林のメンバーに加えて、たくさんの方々が来場くださり、一時は、およそ30人にもなった。山崎店主が下から「だ、だいじょうぶですか?」と不安げに問いかける。それはそうだろう、築七十年とも思われる木造建築だ、階下ではギシギシ、ギシギシ、生きた心地がしなかったにちがいない。こちらとしてもこんなに大勢の人達が集まってくれるとは思いも寄らなかった(いちいちお名前は挙げませんが、皆様にお礼申し上げます。当日の様子はマン・レイ石原輝雄さんの日録サイトに写真とともにアップされています)。
../manrayist/daybook2004-2.html

散会後、有志とともに新京極「スタンド」で乾杯。岡崎の弟、岡崎さんの経営する木屋町のライブスポット「ディランII」へ移動するも、もう一軒の店「キャラメルママ」が10周年とかで、お休み。直ぐ近く、先斗町と木屋町の中間地帯、路次の奥にある扉野行きつけの「一養軒」で水割りなど。さらに熊野神社そばの「YAMATOYA」へ、コーヒーとジャズでシメ。
南陀楼は林宅に泊まる。手土産がわりに『東アジアに新しい「本の道」をつくる』(トランスアート、2004年)をくれる。今、日本はプチ・バブルと言われているが、すべては中国の元気が源だ。今後も当分、その勢いは止まらないだろう。出版の世界でもその傾向は加速する。3人の代表的ブックデザイナー、杉浦康平、呂敬人、安尚秀各氏による座談会「東アジアの文字、本、デザイン」が興味深かった。「読むひと 一九三五―一九八五」の写真も目を引かれる。http://www.honco.jp/


2004年2月28日(土)遠路はるばる

山崎書店へ。書肆砂の書・寺井さん来場、五条堀川に事務所があってネット通販でやっておられるとのこと(http://www.sablelivre.com/other.htm ヒップなラインアップです、一見の価値あり)。この日録を愛読してくださっているというので驚く。まだ一月にもならないのに、いろいろな方から、古書店シールが渋いですねという感想をいただいている。芳名帳を見ると川崎から来て下さった定期購読の方がおられるし、今日は世田谷からもお一人・・・さすがに散財させてしまって申し訳なく思う。湯川さんも覗いてくださったし、それなりに忙しい半日だった。
タバコを吸うと頭が良くなる、という迷信があったそうだ。帰宅すると、その典拠を求めて探していた下田将美『煙草礼讃』(海口書店、昭22)が届いていた。ざっと目を通したが頭が良くなるとは書いてない・・・天才たちは煙草が好きという章はあったけど。


2004年2月27日(金)追補

スムース文庫について南陀楼より追補のメールあり。八木さんの発言(34頁)のなかで「火金会でいまでも存命な人として大田臨一郎さんのお名前がありましたが、今月の「古通」によれば、1月21日に亡くなっていました。なんと101歳。著者校正のときに、八木さんはこの部分、ノーチェックでした。まだニュースが届いてなかったのか、それとも話した時点のこととしてあえてそのままにされたのか、判りませんが」とのこと。さすがに、古書数寄は長命ですなあ。
昨年、ユトレヒト(代官山)で開催された「sano100展 佐野繁次郎の装釘」が今度は「:BOOKS」(2月28日〜3月21日、名古屋市東区代官町39-18 日本陶磁器センター2F 
http://www.colonbooks.com )へ巡回するそうだ。DMが届いた(代官つながり?)。とても素敵な図録だったが、その改訂版や、佐野の装幀本の一部を販売するとのこと。お近くの方はぜひ。


2004年2月26日(木)おほめいただく

南陀楼より、八木さん、スムース文庫気に入ってくださっているというメールが届く。肩の荷を降ろす。めざせ、増刷!
このところ忙し過ぎて遅れていた『舟山板(サンパン)』(
http://www.edi-net.com)次号の原稿をようやく仕上げてメールで送信。図版は宅急便で送る。前号、宇崎祥二と波屋書房について書いたので、引き続き「関西の夢二」と呼ばれた兄宇崎純一について分かるだけのことをまとめた。本題の小野松二になかなか入らないところがミソ。


2004年2月25日(水)ごくろうさま100号

税務署へ申告書を持って行ったついでに、山崎書店まで足をのばす。『京古本や往来』100号が出来ている。な、なんと拙文が巻頭エッセイだ。しかも100号で休刊するという。掉尾を飾るには、ちょっとおちゃらけ過ぎてはいないだろうか? 何しろ創刊号の巻頭は寿岳文章先生だったというのだから恐れ多い。その他のかなりディープな記事や古書研メンバーの店舗案内も充実していて楽しめる。いずれにせよ、早期の復刊を期待する。注文は、京都古書研究会(604-8135京都市中京区東洞院六角上る京都古書組合内)まで。
『関西赤貧古本道』増刷決定とか、めでたい。


2004年2月24日(火)sumusの冒険だ

昨夜、西秋書店の西秋学さんよりメールあり。アンダーグラウンドブックカフェの陣容がほぼ決まったとのこと。
・期間:6月13日(日)〜15日(火) 参加古書店 8店
・併催企画展示:雑誌「sumus」による「小出版社の冒険」(仮)展
・地下室の映画会(夜):石井輝男監督による新作「盲獣VS一寸法師」
年刊となった
「sumus」、次の12号は5月末発行なので、それに合わせて、このような展示会を開くことになった。会場は昨年新装成った神田の古書会館。一昨日は三省堂で岡崎と山本がトークショーをやったが、6月にもそういう催しをやるかもしれないので、お楽しみに。できれば、上京したいなあ、と思う。特集「小出版社の冒険」では、高桐書院、第一芸文社、蜘蛛出版、書肆季節社、未来社、三島書房などを取り上げる予定。
『APIED』(アピエ)4号・スウィフト『ガリヴァー旅行記』特集が届く。巻頭は中川六平氏。小生も寄稿しているが、いろいろなガリヴァーの読み方があるものだ。平賀源内がいち早くパクっている(『風流志道軒伝』)というのはさもありなん。源内さんの同郷者としてはうれしいような、さびしいような。注文はアピエ社(603-8063京都市北区上賀茂今井河原町5-6)まで、送料込み650円。昨日『一寸』17号が届いていたのを思い出し、パラパラッと読む。山田先生「絵葉書三昧」だそうだ、やっぱり。やぽんな書房についての岩切信一郎氏の記事に興味引かれる。購読は、森登(もり・のぼる)氏まで(248-0013鎌倉市材木座1-11-3)、700円。


2004年2月23日(月)くたくた

スムース文庫の発送用意をする。予定より早く届いたので、定期購読の皆さん、メンバー、書店さんその他、午後ずっとかかりきり。ちょうど配達された『彷書月刊』3月号、映画特集だ。面白そう。奥崎謙三の家の前をよく通ったことを思い出す(「ゆきゆきて神軍」は日本映画ベスト1だ)。しかし、巻末目録をザーッとチェックするのがやっと。あとでゆっくり読もう。夜までかかって梱包終了。疲れた。


2004年2月22日(日)雨に煙る東山

昨日の展示の不十分なところを補い、説明用のシールや写真を増やす。正午前から、入場者がぼつぼつ見え始め、雨が降り出したにもかかわらず、午後3時ごろまではひっきりなしに対応に追われる。驚いたのは、神戸から来てくれたロードス書房さんの話。なんと、間島一雄書店の主、間島保夫さんが亡くなられて、今日葬儀だったというのだ。59歳とか、まだまだ仕事ができる年齢ではないか。端正な目録を作っておられた。何度かお話をさせていただいたことがあり、「sumus」を評価してくださっていた。サンパルに店を構えておられたときには、文学史に残るような詩集ばかりでなく(そういうものも数々陳列されていたが)、無名詩人たちの詩集によって本棚一本を埋めておられた。誰にでもできることではない。御冥福をお祈りする。また、ある方から杉山平一さんの具合が良くないとうかがった。心配です。


2004年2月21日(土)パラダイスまであと1日

午前10時過ぎ、山崎書店着。早速展示を始める。写真・資料などを貼り付けたパネル、大6枚、小6枚、その他版下などを壁面に設置していく。扉野夫妻とmimi-bookが手伝ってくれたので、12時過ぎにはほぼ終了。みんなで昼食に「パキスタン・カレー」(河原町丸太町の交叉点を東へ30メートル南側)へ。戻ってから、販売用の本などを一階レジ前に並べて、今日は終わり。
帰宅すると、大島なえさんより『本屋さんで散歩』(ファン通信、2003年、http://www.joy.hi-ho.ne.jp/yamao/)が届いている。神戸の黒木書店や日東館書林の回想がなつかしい。神戸といえば、
海文堂書店福岡さんからスムース文庫新刊の注文が南陀楼経由で入っていた。感謝(来週末までには納本していますので、少々お待ち下さい)。


2004年2月20日(金)はがきまみれ

帝塚山学院大の狭山キャンパスへ。小高い丘の上に建つ、うすクリームとピンクの学舎は、まるでスイーツのよう。山田俊幸先生の絵葉書コレクションを拝見する。図書館では、こども絵葉書にしぼった展示も行われていた。生田誠のコレクションは質量ともに驚くべきものだが、山田先生もかなりすごい。何十冊ものファイルをざっと見るだけでも一仕事だった。夜、明日の搬入準備。


2004年2月19日(木)チチカネさんは人気翻訳家

散歩のついでに立ち寄った近所の新刊書店ブックパル。金原ひとみさんの本がダダーッと積んである。綿矢さんの本はあまりない(売れたのかな、入らないのかな)。金原さんのお父さんが金原瑞人さんだとは、先日の「本のメルマガ」だかでどなたかが書いておられたが、じつは、父金原さんは拙著『喫茶店の時代』(編集工房ノア)を『流行通信』の書評欄で取り上げてくださった恩人である。お礼に「sumus」をお送りしたら、翻訳書を送ってくださった(遅まきながら、おめでとうございます)。それはさておき、『週刊朝日』2月27日号を立ち読みすると、恵文社一乗寺店が取り上げられている。セレクト書店特集の一番手、カラーで1ページ全面写真。ユトレヒトとかハックネットなど数店舗が続く見開きに展開。なかなかみんな個性的だ、書店の未来は明るいゾ(たぶん)。
帰宅すると、『彷書月刊』の弘隆社から電話あり。なんだか、どこかのカフェで催し物をやるらしい。まだHPにも発表されていないようだ(
http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/framemain.html)。PR誌を作るから、マッチ箱大の広告を出してくださいとのこと。即座に了解、受話器を置いて5分後には版下ができてしまう(だってマッチ箱大ですからね)。さらにメールで神田 書肆アクセス畠中さんより、バックナンバーと文庫新刊の注文入る。ありがたきしあわせ。


2004年2月18日(水)さすがの足穂サイン本

『関西赤貧古本道』読了。山本の古本生活が手に取るように分かる。それにしてもいい本を安く買っている。二度も出てくる小野松二『十年』(作品社、昭和15、小野勇への献呈本)、聞いてなかったよのプルウスト『スワンの恋』(作品社、昭和8)、そんなものまでの摂津茂和『和蘭勘定』(読切講談社、昭和17)、これもってないよの渡辺一夫『筆記帖』(白水社、昭和11)。なお、朝イチで見たメールには「天神さんで、足穂の絵入りサイン本買いました。例の判子もついてありました」とあるではないか。この日録には書かなかったが、あの日、山本とはブロンズ先生の講義を拝聴しているときにあいさつだけですれ違ったのだ。やはりただものではない。


2004年2月17日(火)自慢じゃないが、金はない

山本善行より『関西赤貧古本道』(新潮選書)届く。ようやくできあがったか、めでたい!(書店発売は20日とか、お楽しみに)。うす紫色のオビに「自慢じゃないが、金はない。しかし、365日古書店通い」という惹句が踊る。うん、まあ、間違いとは言い切れないけど、山本はついこの間までVWのゴルフに乗っていたし、一戸建てを購入してもいるのだ、これはちょっとどうだかなあ。といっても、そのワーゲン、ほとんど本の置き場(隠し場所)兼読書室にしか使っていないという理由で手放したらしい(家の方はまだ)。「一冊仕上げたことによって、原稿を書くスピードも少しは変わってくるのではないでしょうか。ひとごとのようですが、何だかこれから、どんどん書けそうな感じです。?」というメモが添えてあった。そう願いたいものである。


2004年2月16日(月)書誌はでんでんむし

朝イチで「[書評]のメルマガ152号」(購読は http://www.mag2.com/より)を読む。吉田勝栄氏の「私の日本近代書誌学再見―谷沢永一の明白な誤りを論証する」がすばらしく面白かった。谷沢永一『日本近代書誌学細見』(和泉書院、2003)の身内びいきをバッサリ(しかも念入りに)斬っている。初めて吉田氏の原稿をもらったときからそうだった。細かいところまで、よく読んでるよなあ、仕事柄だろうけど(正しい名称は分からないが、裁判官らしい)。そうして結局、最後には、谷沢本の暴論を逆説的に評価している。正確を期するあまり少々分かりづらかった文章もかなり読みやすくなってきた。今後の吉田氏の仕事(もちろん書誌)に注目。
河原町へ買い物に出る。丸善で、貼ると見えなくなるテープなどを買い、『ユーリー・ノルシュテインの仕事』(ふゅーじょんぷろだくと、
http://www.comicbox.co.jp)などの内容見本をいくつか取り、『本の雑誌』の三茶日記を立ち読みする(坪内さん『リュミエール』14冊揃いを買った)。アスタルテ書房に頼まれていた「sumus」のバックナンバーを持参し、パラダイス展のチラシを置かせてもらう。夢二やスミカズなどのたくさん挟み込んである絵葉書帳を拝む。帰宅すると『逍遥』59号が届いている。いつもながら「店番日記」には腹を抱える。今回はごめんなさい。


2004年2月15日(日)おお! 洲之内徹の小説原稿

パネルのレイアウト開始。途中、閑々堂の目録58号が届いたので、しばらく小休止。『古茂田守介画集』(美術出版社、1961)5万円、『松本竣介画集』(美術出版社、1949)15万円、ため息が出るなあ。『自選 林唯一挿畫選集』(ユウヒ社、昭和5)5000円はちょっと気になる。しかし、何と言ってもビックリしたのは、25頁の2526番、『洲之内徹小説原稿「雨の多い春」』ペン書き400字93枚完、昭和57年、70万円! 昭和57年ということは、う〜ん、晩年なんだけれども、タイトルに見覚えがあるような……。後藤洋明氏の「洲之内徹文献目録」を参照すると、1970年に『文学草紙』68号(文学草紙社)に同名小説を発表している。晩年に書き直した原稿だろうか? 興味が尽きない。レイアウト続ける。


2004年2月14日(土)パネル背負って、どっこいしょ

近所のドゥーイットの店「京タンス・アルファ」で展示用のパネルを買う。ホンダのアクティ・ストリートで家まで運ぶ。あらかじめ、このパネルにいろいろな写真や資料を貼り付けて、それから搬入しようという目論見。巾910のまま、高さ1200ミリに揃えて、6枚用意する。あと、本などは展示用の長い台があるので、そこに並べる。写真を整理するのに時間がかかる。


2004年2月13日(金)審美書院本にシンびれた

山崎書店へ。「審美書院の美術書展」を見る。審美書院とは、木版画多色刷などによって古画を複製し、それを画集として続々刊行した京都発祥の出版社である。明治32年から昭和16年までの出版物が展示されていたが、活動期もおおよそその間のことのようである。驚くべき微細な表現だ。明治時代後期の木版画がもっとも精密だという話を聞いて納得する。きっと銅版画や写真版に対抗意識を燃やした職人がまだごろごろいたにちがいない。活版の部分は東京築地活版製造所の製作だが、こちらも非の打ち所がないと言えよう。明治期になって本格的に導入された活版印刷術はすでに最高峰に達している。ついでに、会場壁面などの寸法を計る。21日に「sumusパラダイス展」の搬入展示をするためである。階段部分も使えば、展示スペースはかなりあるようだ。東山を間近に望めるベランダも気持ちいい。


2004年2月12日(木)奥付に時を忘れる

昔、古書店街の草でもらった奥付ページ数十枚を、フッと思い立って、整理し始める。本を処分するときにめぼしいものだけ破り取ったそうだ。検印紙も検印もさまざまで、奥付のレイアウトもこれまた千差万別、時間を忘れた。「奥付の本」というのを作れないものか。で、あまり関係はないが、日録に古書店のシールを入れてみることにした。ネタがなくなれば、検印紙にしよう。


2004年2月11日(水)どっぷりワンダーランド

昨日届いた横田順彌さんの『古書ワンダーランド1』(平凡社、2004年)を読んでしまい、頼まれた書評原稿を書き始める。とにかく面白いのだが、ちょっとついていけないほど深いところもあるので、これを短くどうまとめるか。感心したのは、106点ほど挿入されている書影がどれも粒よりなことである。本文では装幀などについてはほとんどウンチクを垂れていないにもかかわらず、かなりのこだわりというか、良い趣味をもっておられる。その分、モノクロで小さな図版というのは惜しい。


2004年2月10日(火)梅は咲いたか、百円満開

午前10時少し前に大阪天満宮に到着。古本まつり初日。2月に野外展とは無謀な試み、かと思ったが、天気は上々、人出もまずまずだった。テント店の方はまだなのに百円均一台はオープンしている。人が群がる前にざっと見ていくと、あれも、これも、いやそれも、アッという間に十数冊積み上げてしまった。最近こういう均一台に遭遇していなかったので興奮してしまう。でもまあ、端(はた)の人が見れば、どうってことのない汚い本ばっかだが。例えば、細川新書『二人の愛人』(ミュッセ、新庄嘉章訳、昭和24年再版)、これはいままで見知った紺色を斜めに継いだ表紙ではなく、三分の二が臙脂色、そこに蝶の模様が散らしてある。初物はなんでもうれしい。他に榊山潤『歴史(合本)』(砂子屋書房、昭和15)、菅谷北斗星『将棋の話』(誠文堂、昭和5)、ヴェルハーレン『ルーベンス』(土井義信訳、甲鳥書林、昭和18)、ダビ『グレコとベラスケス』(吉川逸治訳、筑摩書房、昭和17、青山二郎装幀)、『牧野信一集』(創元選書、昭和23、宇野浩二の解説がとてもいい)などなど。巻末見返しの古書店シール目当てで買った本もある。いずれも味わいが深い。
さすがに均一台だけで引き揚げるわけにもゆかず、テント店の方もひとまわりする。キトラ文庫の安田さんに声をかける。
『coto』という安田さんらの出している雑誌に「古書へんぺん記」なる雑文を書かせてもらっているのだ。ここで佐野繁次郎が表紙画を描いた『随筆サンケイ』を4冊(昭和31年9,10,11,12月号、なかなか読ませる)、青山二郎表紙の『文學界』(文學界社、昭和23年1月号)、安井曾太郎表紙の『文藝春秋』(昭和23年1月号)、まとめて1,500円。こういったペラペラのざら紙に刷られた雑誌がなんともいとおしい。
やや? 扉野が大先輩のブロンズ先生と立ち話をしている。近づいてあいさつすると、先生が京都パラダイス(明治28年、京都で開催された内国勧業博覧会の折りに開設された遊園地。山崎書店 
http://www.artbooks.jp が、昨夏、移転した場所はいにしえの会場の一角にあたる)の入場券を取り出して見せてくれた。これは珍品だ。


2004年2月9日(月)やれやれ、やっと

スムース文庫「私の見てきた古本界70年」、午前中かかりきりで最後の指定を行い、全体をチェックし直し、発注書を書いて、2冊分の版下その他を梱包する。やれやれ、やっと一仕事終わった。午後から娘犬ミカンの散歩ついでに、クロネコ便桂川営業所より日本データネット宛てに発送。あとは、見落としや指定ミスがないことを祈るのみ。写真分解は印刷所に任せるが、経費節約のため校正刷りは取らないので、小さな間違いは防げない。大きなミスは担当の窪田さんがチェックしてくれるから、まあ安心ではあるが。
『モクローくん通信』最新号届く(注文・問い合わせは kawakami@honco.net まで)。紙面リニューアル号。芳雅堂書店の目録『書宴』をまとめて七冊手に入れたと書いてある。ちょっとうらやましい。だが、『谷中安規の夢』展(渋谷区松濤美術館)図録、売り切れで買い逃したとある、ふふふ、持ってるもんね(西村くんありがとう)、ぎっしりと図版の詰まったお買い得感いっぱいの一冊だ。


2004年2月8日(日)いよいよフィニッシュ

最終的、決定的な図版指定を行う。午後には南陀楼より再校のチェック箇所がメールで届き、いよいよフィニッシュへ。
創元社のサイトで高橋輝次さんが古書や小出版社についてのエッセイを連載しておられる、とご本人よりファックスあり。さっそく覗くと、波屋書房、尾崎書店、大丸出版、など渋い内容だ。
http://www.sogensha.co.jp/editorial/index.html


2004年2月7日(土)分かっちゃいるけど

とにかく「私の見てきた古本界70年」図版の割付を終えて校正刷りをプリントアウトする。とくに昔の古書店地図を拡大して挿入することにした。南陀楼宛てに発送。帰宅してから図版ひとつひとつにトレペをかけて指定を書き込んでいく。つづいて「一読書人の日記1935-84」版下の印刷にかかる。こちらの本文は文字だけなので、これが完全版下となる。
伊勢丹府中の目録で注文していた
『或る芸術家の肖像』(創元社、1932)が届く。分かってはいたが、代引きだった。本は2000円、代引き送料が970円、税も含めて3118円になっている。メール便ならまあ送料210円だろう(冊子小包でも290円か)、振替手数料70円(CDから払うと60円)を足して280円だ。差し引き690円損した気分になる。ああ、今度はもっと慎重にならねば、反省しきり。この本はもうすでに所持しているのだが、状態のいいのが欲しかった。ところが、以前入手したものと較べてビックリ、どちらも初版ながら、まったく大きさが違う……今日届いた本は天地と小口が裁断されているのだ。BOOKOFFみたいなことを昔の出版社もやっていたのか、未裁断のものよりひとまわり小さくなっている。ベンキョーになった。代引きショックがちょっと緩和された。


2004年2月6日(金)ファックスの嵐

割付プランをほぼ固めて、図版のコピーを取るため近所のセブンイレブンへ。コピー機は二台あるのだが、すぐに満員になって待っているおばさんに睨まれるしまつ。落ち着いて拡大・縮小率など考えていられない。適当に取って出直すことに。南陀楼綾繁より校正ファックスが30枚近くも届く。感熱紙設定にしてあるのだが、メモリータイプはまったく使いづらく、あわや紙がなくなるところだった。取り急ぎ訂正を終えて、ページ配分を決定。小さい図版はスキャンしてレイアウト、さらにキャプションを入れていく。


2004年2月5日(木)湯川書房にて

山本、扉野より『彷書月刊』2月号目録に掲載していた「すむーす堂」の本を受け取るため、河原町三条上ル二筋目東入ルに移転(昨年11月)した湯川書房へ。途中、少し時間が早かったので丸善をのぞく。7階美術書コーナーに森山大道の白くて大きな二巻本全集(大和ラヂエーター製作所、2003)が並んでいたのが印象的だった。
『鶉屋書店目録』(昭和53年発行)を伊勢丹府中の目録(石神井さんの出品)から手に入れたので、湯川さんに見せる。すると、「これ、うちで作ったんとちゃうかなあ? 鶉屋さんはこんな目録をふたつ作ってんねん。そのうちのひとつは、うちで作ったことは間違いないけど、これやったかな?」という。こんな目録とは、A3より少し小さめの紙三枚を重ねて二度折っただけのスタイルをさす。墨と朱の二色刷、キリッと引き締まった版面だ。掲載189件、内容の見事さは言うまでもない。例えば下記のごとし。
 新体詩抄 明治15 700,000
 海潮音 上田敏 明治38 550,000
 転身の頌 日夏耿之助 大正6 650,000
 春と修羅 宮沢賢治 大正13 470,000
 死刑宣告 萩原恭二郎 大正14〜15 280,000 初版再版二冊
 スペクトラム 西脇順三郎 大正14 200,000
 頌 高橋睦郎 昭和46 70,000 湯川書房、限定35部
山本扉野両人やってきたのでしばらく雑談。洲之内徹のエッセイ拾遺が出たこと、書誌季節社の政田岑生のこと、伊良子清白と平出隆さんのことなどなど。湯川書房を出て三人で寺町の「スマート」にて昼食。山本の
『関西赤貧古本道』(新潮新書)がいよいよ今月20日発売と決定したとのこと。著者紹介欄の写真をわざわざ新潮社まで出掛けて撮ったそうだ。写り具合をしきりに心配していた。恵文社の古本市で、モダンジュース古書部は400冊ほども販売したそうで(スゴイ!)、大盛況だったらしい。近代ナリコさんの単行本も近々発行される予定だという。ますます繁盛めでたいかぎり。
帰宅すると、南陀楼綾繁より図版原稿届いている。貴重な資料が多い。できるだけ大きくいれたいと思い、割付をあれこれ考える。


2004年2月4日(木)「デイリー・スムース」創刊

「sumusパラダイス展」チラシの発送準備。約200枚。定期購読者のみなさんと同人誌関係者を網羅。A3片面コピーしたチラシを二度折ってA5にするのだが、これが二百となるとひと仕事。指の皮がすべすべになって指紋がうすくなったような気がする。さらに発送用シールを作って封筒に貼り、チラシを入れてテープで封をする。これで半日つぶれる。他に配布用のチラシを数百枚折らなければならない。チラシの片面には1994年の「ARE」創刊から終刊、そして「sumus」創刊から現在まで、10年にわたるクロニクルを載せている(ご希望の方はメールください、お送りします)。
スムース文庫の次回配本は2月末。昨日、八木福次郎さんへのインタビュー「私の見てきた古本界70年」原稿が南陀楼綾繁よりメールで届いた。さっそく組み上げて、校正紙をプリントアウトし、今日、宅急便で発送。図版がまだ届いていない。同時発行予定の「一読書人の日記1935-84」(林哲夫編)の方は組み上がっているので、表紙のレイアウトを完了する。パラダイス展終了までに発行できる見込みになった。