■5月8日(日)午後2時から4時半(予定)東京古書会館での「アンダーグランド・ブックカフェ」の開催に合わせて、「東京スムース友の会」を開きます。スムース同人と読者が一緒になって、楽しく過ごしましょう。好評の「岡崎
vs 山本 100円均一・十番勝負」などの企画もあります。場所「南欧市場 Ole Ole〈オレ・オレ〉」千代田区神田神保町1-4−B1(パチンコ屋「人生劇場」隣り)電話03-5280-1137 会費3500円。参加者を募集します。「東京スムース友の会」という件名で、南陀楼綾繁(kawakami@honco.net)までご連絡ください。予約が30人に達した時点で締め切りますので、お早めにご応募ください。
■5月8日(日)〜10日(火)午前10時から午後6時半 神田古書会館地下ホールにて第五回アンダーグラウンド・ブックカフェ開催します。sumus 同人参加イベントてんこもり!
■ミカン ア・ラ・モード part4 完成! 独立したページをつくりました。ご覧下さい。
海文堂書店の「林哲夫装幀も仕事!」展、好評のうちに終了しました。ご来場くださった皆さんにお礼申し上げます。見逃した方は10月末からの山崎書店での展示へぜひどうぞ。そうそう、明日から山崎書店では「手づくりART BOOK展」が8日まで開催されます(ウンチクも出品)。勧業館の即売会(1〜5日)のついでに覗いてみてください。徒歩5分。
ひさしぶりに『モクローくん通信』届く。肥りやすい食べ物が好きというのはナンダロウアヤシゲな日々読んでる人はみんなそう思ってます。早稲田古本用語の「戸塚第一中学校」に納得(早稲田古書店二代目のほとんどが在学していたという)。神田村ならぬ早稲田村だ。『逍遙』66号も同時に着く。『歸らざる風景』も載せていただいてます。深謝。
『雲遊天下』39号。川崎ゆきお氏のブログがあるというので覗いてみる。写真がとてもユニークだ。さすが。
小野先生より久しぶりのメールをいただく。スイスで古本三昧しておられたようだ(『サンパン』に原稿が載ってないと思いました)。ジュネーヴの「LIBRAIRIE
COMESTIBLES」(食用の書店)というヘンな名前の古本屋で『ドリアングレイの肖像』の木版画挿絵本を購入されたとか、さすが。そのうち、写真入りで『サンパン』にでも紹介してくださるだろう。
【ミセスKの役立つかもしれない中国語会話その1】
ナベツマ(**) こちらは[レストランで]残しても全然OKよー。保存容器をいつも持ち歩いてるくちだから。「ミカン用よ」と知り合いにはそう言って、その親が食べてることも・・・
ミセスK(⌒⌒) 中国人家庭デハ(もしかウチだけか?)食ベ残しノ持ち帰りハ、トウゼンノアタリマエアルヨ! 『チンニィパウチライ。ウォヤオナホェイチャー』イウアル。訳すと『四月ほど残酷な月はない。屍の地にリラの花を・・・』、ちゃうちゃう、『持ち帰りたいのですが、包んでいただけます〜?』の意味デスアル。
ナベツマ(**) バカウケ
2005年4月29日(金)小包です春市前夜胃にひびく
最新『サンパン』3期10号届く。地下展までに間にあった。めでたい。「作家と編集者その2」は『新潮』編集者楢崎勤。山本の「洲之内徹ノオト」スタート。向井氏の「店番日記」は古書店の一日。いつものギャグはカゲをひそめている。いけるよ、この路線でも。小沢信男さんの人生、『新日本文学』時代にさしかかりました。花田清輝は運動オンチだったのだ。松本の版画荘文庫蒐集リストは涙ぐましい。その他、それぞれヴァリエテありながらもまとまってきた。その証拠に巻末の「執筆者近況」がおもしろい。十二人中七人が規定字数ピッタリに収めているのに感心する。地下展で購入できます。
『サンパン』3期10号
地下展での「書物の肖像」展に出品する水彩画を額装してしまう。一応12点。他に油彩画を4点の16点かな。今の予定では、売れれば持って帰ってもらうようにしようと思っているので、お早めにどうぞ。5月8日からです。
カエさんより辻静雄『フランス料理の学び方』(三洋出版貿易、一九七八年四版、装幀=佐野繁次郎)、俳句雑誌『一滴』第三号(一滴会俳句会、二〇〇四年四月)、俳句雑誌『青玄』三月号(青玄俳句会、二〇〇五年)などいただく。深謝です。『一滴』は寺山修司特集で細江英公の回想文などが収録されている。これまで寺山の俳句はさほど熱心に読んだことはなかったが、やはり非凡だ。いずれも十代の作。
どくだみや畳一枚あれば死ねる
もしジャズが止めば凩ばかりの夜
たんぽぽは地の糧詩人は不遇でよし
紙屑捨てに来ては西行忌
五月の空のみ仰げり吹けば飛ぶ男
『青玄』掲載のカエさんの句「三日月に ひょいと帽子を掛けようか」もオシャレです。
辻静雄『フランス料理の学び方』装幀=佐野繁次郎
この本を拾い読みしていると、辻と志度藤雄の対談がメチャメチャおもしろい。志度は神戸の東郷軒からはじまって東亜ホテル、京都の万養軒、そして貨物船でロンドンへ渡る、むろん密入国、強制送還されるところをマルセイユで脱出してパリへ、まずは常磐、牡丹屋という日本旅館を頼った、そしてパリのホテルや有名レストランを点々と渡り歩く、フランス大使に可愛がられ、帰国してからは日動グリル、重光外相に雇われ、楢橋厚生大臣と北京へ渡る、現地召集、敗戦、南京から引き揚げ、吉田茂に呼ばれて首相官邸でコック、メーゾン・シド、花の木、そしてレストラン四季。いや、すごいコック人生だ。
また『松本竣介の素描』という図録(不忍画廊、一九九七年)を西村氏よりいただいていた。丹治日良氏のテキストが入ったとてもスッキリとしたカタログである。HPによればまだ在庫はあるようだ。いろいろいただいてばかりで申し訳ない。
『松本竣介の素描』不忍画廊
そうそう、『芸術新潮』五月号に石丸澄子さんのポスター展(デイリー・スムース3/4参照)の展示写真が展覧会レヴュー欄(p122)に紹介されていた。コクテイル書房の雰囲気がよく出ている。
朝日記者Tさん来宅。おしとやかな感じの女性である。古書レッテルについて説明する以前に、古本とはどういうものかというレクチャーをしばし。どちらかと言えば、そちらの話の方が盛り上がった。なお、内容は事前にチェックできないそうなので、どんな記事になっていてもウンチクの責任ではない、予めお断りしておく。
街の草加納さんより、姫路文学館での古書即売会の目録に原稿を書けという指令をいただく。「夢の古本まつり」という題で四枚弱を即座に仕上げる。数日寝かして送稿する予定。
小林ハルさんが亡くなられた。百五歳。洲之内徹『人魚を見た人』に登場する越後の瞽女(ごぜ)さんである。
散歩の帰りに新刊書店ブックパルで『芸術新潮』五月号(特集・モランディのまなざし)を購入。新刊で買うのは何年ぶりだろうか、知らないうちに1,400円になっていてビビル。岡田温司先生(京都在住、一度お会いしたことがある、いろんな意味でユニークな方)のテキストでモランディをより深くとらえようとする内容だ。ボローニャのモランディ関連施設を訪問した写真記事もある。なんだか、つい先日ここに書いた再訪の願望がこれで吹っ飛んだ。ムゼオ・モランディを覗いてみるのも一興。
『芸術新潮』五月号
「荒地」の吉田健一訳を西村氏よりご教示いただいた。原文は4月18日参照。ing の連続した形を反映させようとする努力が感じられる。
四月は残酷な月で、死んだ土地から
リラの花を咲かせ、記憶と欲望を
混ぜこぜにし、鈍った根を
春雨で生き返らせる。
「cafe de poche vol.4
私的読書週間」の案内をいただく。5月12、13、14、19、20日、trico+にて。
朝日新聞の記者Tさんより電話あり。古書店標を集めているコレクターとして取材したいとのこと。「見てみて関西」という紙面に「うわさのコレクター」という欄がある。そこに登場せよとのこと。「そんなに枚数はないんですよ」とやんわり断ったが、書店および古書店標というのはこれまでにないアイテムですからぜひお願いしますということで、明日、来宅の手はずとなった。あわてて、かき集める。剥がさないで張り付けたままのものも多いのだ。ところで、この書店標をどう呼ぶかだが、ウンチクはこれまでシールと言ってきた。しかし、seal
とは本来は封印(手紙などの封じ目に赤い蝋を垂らして印章を押しつける。古代オリエントでは粘土版などを封じるときに円筒の印章を転がして封印した)のことなので、これからはレッテル(letter[オランダ語]商標、貼紙、ラベル)と言うことにする、あしからず。古書店レッテル・コレクション。
武者小路実篤『幸福者』に貼付された南蛮書房のレッテル
阪急梅田駅を降りて大阪駅を通り抜けたところで号外を配っていた。毎日新聞号外、「JR快速が脱線 横転/マンションに激突」「通勤客ら死傷者多数」「尼崎の踏切付近 福知山線」などの大文字が踊る。同社の記者が乗車していたとある。朝の九時二十分ごろの事故だという。梅田で阪神電車に乗り換えて武庫川、古書店街の草へ行く。そこでも電車事故の話題でもちきり。尼崎近辺では救急車のサイレンがうるさく響き渡り、野次馬などが集まって来て道路が渋滞しているという。
まずは二十円文庫や百円本をあれこれ抜き出してから、休憩して昼食に。すぐ近くの八珍という中華料理屋へ入り、定食を頼んで、テレビのニュースに見入る。この時点では死者三十五人と言っていた。ここの定食はうまい。揚げたてのエビの天ぷら、酢豚、かに玉の三品が一皿に乗り、白飯とスープで九百円。スポーツ紙には「能見1勝」(阪神タイガースの記事)がデカデカと。
腹ごしらえをしてからおもむろに街の草にとって返し、レジ近辺をあれこれ掘り起こす。武者小路実篤『幸福者』(叢文閣、一九二〇年十二版、装幀=岸田劉生)千円、南蛮書房(京都聖護院)という珍しいシールあり。加藤周一『ある晴れた日に』(月曜書房、一九五〇年、装幀=故六隅許六)、『青銅』八号(青銅文学会、一九五四年六月二十五日、表紙=井上覚造)、ロラン・バルト『恋愛のディスクール・断章』(みずず書房、一九九〇年十一刷)など、安価に入手。
頼んでおいた書肆ユリイカ本のコレクションを見せてもらう。二十冊以上あった。どれをとってもひとクセあるというか、工夫がある。変化に富んでいながら伊達趣味が一貫しているところが魅力だ。しかし、これは売らないのだそうだ。むろん売ってくれると言われても二三冊しか買えないけれど。加納さん自身が詩人であり、書肆ユリイカのファンなので、当分、秘蔵しておくそうである。眼福でした。
不忍ブックストリート店主一覧が発表になった。じっくり眺めて回るコースを決めた方がいいようだ。
『アンダーグラウンド・ブックカフェ』の目録、昨日届いていた。山田書店のカラーページはなかなか見応えあり。西秋書店に『富貴の人』特製版が15,000円で出ている。なるほど。その他、いろいろあるも財布は軽し。地下展の前日まで古書会館で開催される「城北古書会展」の目録もざっと見る。石神井さんがおもしろい本や雑誌をいろいろ出品している。例えば、『七』29冊、渡辺英綱編、平2《新宿「ナベサン」発行回覧誌。福島泰樹、清水昶、斎藤慎爾他》6,000円、にはかなり惹かれる。間村さんの『たまや』2号にナベサンこと渡辺英綱追悼記事があったような気がする。
午前中は制作、昼飯ついでに五条の「ブ」へ。とくに驚くような収穫はないが、ここの105円はけっこう拾える。小川国夫『黙っているお袋』(小沢書店、一九九五年)、小林信彦『時代観察者の冒険』(新潮社、一九八七年)など。『週刊グレート・アーティスト マレーヴィチ』(同朋舎出版、一九九〇年)もむろん105円、これはいい画集だ。マレーヴィチはもっとも好きな画家の一人。この週刊グレート・アーティスト・シリーズにはそれまであまり日本では知られていなかった画家も含まれているのでそれなりに貴重である。
帰宅してからは一箱古本市の最後の仕上げ。値札のチェック、箱を飾り付け。
『彷書月刊』5月号、特集・ラジオのひろば。ニッポン放送などで活躍してきた玉置宏さんインタビューをはじめとする『彷書月刊』らしい内容。《今日のお話のスピードが一分間に三百八十字ぐらい。ラジオで一番聞きとりやすい速さが三百六十字、ですから少し、早口でしたかな?》という玉置氏の締めの一言、お口の達人ですな。青木正美氏の連載「古本屋畸人伝・三茶書房・岩森亀一(中)」に『創業二十五周年記念
三茶書房古書目録』(一九七一年、第三号)が出ている。これは何故か架蔵していて、芥川龍之介の子供時代の書道作品まで出品されていることに驚いたものだが、青木稿によれば、葛巻義敏のルートから入ったもののようである。43ページにセドローくん、またもや登場。
『創業二十五周年記念 三茶書房古書目録』表紙画=武井武雄
編集・出版組織体アセテートの中谷氏、北浦さん、江崎氏がウンチクの話を聞きたいというので、茅屋の近所の茶店で面談する。大阪市立大の中谷氏が中心となってスタートした出版社(?)である。すでに幾つか刊行物があるが、それらは中谷さんの専門である建築史に関するものだ。内容、造本の両面におけるクオリティの高さに好感がもてた。今後は美術や日用品などに関する本もドシドシ出していきたいとのこと。近々発行を予定しているのは国分寺にある古道具ニコニコ堂(恋ヶ窪から徒歩10分とあるが、その辺は学生時代にけっこう親しんだ場所で、なつかしい)さんの『ニコニコ通信』だとか。楽しい本になりそう。別にとくに参考にしてもらうような話もなかったが、まだ書肆アクセスさんにコンタクトしていないというので、さっそく連絡を取るように薦めておいた。アトリエにもちょっとだけ立ち寄ってもらった。汚くしててごめんなさい。なお『本とコンピュータ』最終号に河上進氏によるアセテートさんの取材記事が掲載されるそうである。
角田光代・岡崎武志『古本道場』(ポプラ社、二〇〇五年)届く。これは画期的な古本入門書だ! なんといっても角田さんのナイーフさがいい。初心忘るべからず・・・ですね。例えば、角田さんは大学に入った直後にこう決意した。《己の無知っぷりが最底辺であることに気づき、十八歳の私は愕然としいた。クラスメイトは文化人みたいに物知りだった。(中略)/私はいっさいの文化的発言をやめた。文化的発言が飛び交う飲み会は避けた。文化的発言をしない友人を選んで、馬鹿騒ぎばかりしていた。そんななかで、ひそやかに決意をした。/生物とか数学とか歴史とかフランス語とかもうそんなものは無理だ。でもせめて、せめて、せめて、小説くらいは人並みに読もう、だって小説家になりたいんだから。と。》いいなあ、これ。ウンチクも田舎モノだったのでムサビに入ったとき、似たような感慨を持った。むろん古本道にもそのまま通じる。自分の風邪をひくってことですね、岡崎武之進殿? それにしても岡崎のはしゃぎぶり、これまでのどの本よりもテンション高く、ずっこけギャグ連発。こんなサイコーの弟子を持てるのも人徳であろう。猫とたわむれるセドローくんも必見だ。【早稲田古本村通信『古本道場』特集号(2005/4/23発行)『古本道場』(ポプラ社)をまるまる特集!!】
角田光代・岡崎武志『古本道場』ポプラ社、装幀=セキユリヲ
【ナベツマ通信・ひさしぶりに落札、厄落とし!】
ナベの厄はナベで落とすに限る! これナベコレクターの常識!ということで、ダンスク鍋を落札する。人気色チョコレートブラウン21cmである。少々難ありで(内底にレードル傷、外底にコンロ傷)安かった。使うわよ!
ここのところ円安だから、落札は日本のヤフーにて。今回ふらっと入札してしまい、怒濤の上げもなくあっけなく終了してしまった。実は1回だけ千円上げ逃げされた。腹立つー、上げてくるならちゃんと入札しろよ!と言いたい!(うっそ、人のことは言えないくせにー。ナベツマも時々やるのだ。こそっと入札し、最高額入札者が一体どこまで最高額を入れているかを確認するために少しずつ上げていくテク。)
でも、実は落札寸前に別のオークションでいい出物があって、「あっ、こっちに乗換えよう!」と思ったのだ。しか〜し、入札中のダンスクには最後まで誰もやってこなかった、故にあたしが落札しちゃったのだ、もお!
なんかヘンよねー、執着が薄いと落札できるし、絶対欲しい!と思ったら強力なライバル(そういう場合は必ずお金持ち)が出てきていっつも落札ならず。ナベ人生ってそういうもんかしら?
それにしても、去年の10月から始めたオークション、1年を通じてやってみないと断言できないが、12月の2週目より1月初旬、3月中旬より4月中旬、この2つの期間は、ことナベオークションでは、不人気の期間だったように思える。買いが入らない、もしくは値が上がりにくいオークションが多かった。つまりは、この2つの時期はオークションどころではない、というか人が忙しい、というのが原因か(もち落札する側にはグッドです)?

京都も今日は少し冷え込んだ。午前中、水彩画で本の絵を制作。神田の後、姫路でも展示するとすれば、もう少し点数に余裕が欲しい。『彷書月刊』の目録も書き上げる。体調もほぼ平常にもどった。
『VIKING』652号、中尾務さんより届く。富士正晴の新資料として戦前に一部発表されたまま中断した小説「信子の争奪」が掲載されており、中尾さんが注釈を執筆しておられる。富士は戦後、サルトルの『嘔吐』(白井浩司訳、青磁社、一九四七年)を読んで《阿呆らしい。昭和十一年に「信子」で僕がやっていた仕事と同質ではないか。》と日記に感想を書き付けているそうだ。ただ「信子の争奪」を読んだ印象では、「嘔吐」というより横光利一の実験小説を連想させるシュールな感覚がある。まあ、こじつければ、ジョイス〜カフカ〜フォークナーあたりにベースのあるサルトルと同時代を生きていたということだろうか。ところで、チョー筆マメな中尾さんがついにEメールをはじめたそうだ。どうなるんだろう(!?)
海月書林さんが三鷹市へ引っ越された。19日付けで案内がメールが来ていた。海月さんの『銀座百点』、ほとんど
sold out だ。すごい。
2005年4月21日(木)行く春や気配察して仁王立ち
狂犬病の予防接種のため桂駅近くの小学校まで出かける。ぞくぞくと犬連れが集まってくる。校門のあたりで「おや?」と感づき、脚をふんばって動こうとしなくなる犬もいる。注射を終え、さっさと独りで道路へ歩き出すやんちゃものもいる。大型トラックで乗り付けたレトリーバーもいた。
一箱古本市のあと何冊かが決まらない(けっこう真剣に考えてマス、すむーす堂は「古書ほうろう」さんの前に出る予定ですのでヨロシク)。単行本、雑誌はだいたい決まった。あと文庫本を取り出してあれこれ入れ替えてみる。そうやっていると机の下から北園克衛デザインのカバーが二冊出てきた。オシャレだ。
ハヤカワ・ミステリ文庫(カバー=北園克衛)
『扶桑書房目録』75号届く。写真入りで『映像』(第一早稲田高等学院文芸部、一九二二年九月〜一四年一二月、六冊のうち五冊)、『キヌタ』(キヌタ会出版部、一九〇八年五月〜七月、四冊揃い)など稀本が並ぶ。甲鳥書林関係が何冊かあって悩んだが、このところ物入りなので見送ることに・・・
2005年4月20日(水)網点はこらせど見えぬ筆霞
昼食を外でということで、ナベツマと四条のジュンク堂で待ち合わせる。一階集中レジ方式になってから初めて入った。配置がすっかり変わっていたが、以前よりやや見やすくなったような気がする。美術書コーナーには『帰らざる風景』も二冊ほど棚に差されていた(ありがたや)。長谷川潔『白昼に神を視る』(白水社、一九九七年七刷)を図書券で購入。日比谷美術館の東郷青児展だとか、大正時代の集合写真がとても貴重だ。
予定していた店を変更して、寺町の「スマート」へ向かう。京極通の三条下がったところ(MOVIX京都)に、明日、紀伊国屋書店がオープンするらしく、用意万端ととのっていた。「スマート」の一皿二品ランチはハンバーグとポークカツのコンビがベストだと思う。
食後、ナベツマと別行動でアスタルテ書房へ。保存用がなくなっていたので『ARE』8号を買う。また、持っているが……と思いながら手に取った鍋井克之『富貴の人』(小山書店、一九四〇年)は特製本(限定二百部)だった。よくよく見ると、見返しは前後ともに肉筆の墨彩画(葡萄の図)で飾られている。鍋井にしては上手い。一五〇〇円(!)。息子さんが大学に合格して上京したという話を聞く。下宿探しがたいへんだったそうだ。
帰宅するとMさんより本多顕彰『感動と批評』(作品社、一九三八年、普及版)、『銀座百点』57号届いている。前者は百円だったというから慧眼である。佐野表紙の『銀座百点』もただいま古書価急上昇中。深謝です。
鍋井克之『富貴の人』小山書店、特製本(肉筆画入り)
2005年4月19日(火)手さげ籠蝶も休むかうかうかと
EDIの新刊、竹内栄美子『批評精神のかたち 中野重治・武田泰淳』が届く。戦時中、中野重治が執筆禁止に近い状態にあったとき、宇野千代の雑誌『スタイル』だけが中野の原稿を掲載したという話は興味深い。全集未収のその「食ひものの話」1〜3が採録されていて、これまたおもしろい。
《私が東京に住むやうになつて驚いたことの一つは、東京の女や八百屋たちが、大根の葉を片つぱしから切りすてることであつた。また葱の青味を惜しげもなく切りすてることであつた。》《大根の葉なんかは、私の村では大根葉といふ特定の名を持つてゐて、それを色々にして食ふばかりでなく飯に炊きこんでも食ふのである。》などと小言幸兵衛になっている。
京都勧業館『春の古書大即売会目録』が届く。5月1日〜5日。欲しい本が一点出ていたので、とりあえず葉書出しておく。このところ風邪気味でろくに仕事をしていなかったが、今日は少し調子がもどった。地下展の「書物の肖像」展も近いことだし、そろそろエンジンかけないと。
扉野良人よりメールあり。《瀧口修造の夢の漂流物展、先日、神奈川に行ったおり、観てきました。手作り本がよかったです。プレゼントと美術について考えました。/そして図録を楽しみにしていたのにすでに売り切れていて、林さんが事後発送で受け取ってから10日と経っていなかったのでちょっと納得いかなかったです。富山の美術館に巡回するのでそこで手に入れてくださいとのことでした。》、うん、たしかにそれは納得いかないね。とにかく展示物が多かったのでカタログは重要になる。ただ、流行かもしれないけれど、ちょっと図版が小さくてせせこましい。
季刊美術批評誌『非』第三号 特集・瀧口修造、桂書房、一九八九年夏
2005年4月18日(月)ピカピカの赤ランドセル野花摘む
エリオット「荒地」The Waste Land の冒頭の和訳について、okatake日記(4/17)に《城戸朱里はこれを「四月は残酷を極める。」と訳した。四方田は「快哉を叫んだ」という。なるほど、気づかなかった、それは。》とあったので探してみた。なるほど。
原文(全文)。
APRIL is the cruellest month, breeding
Lilacs out of the dead land, mixing
Memory and desire, stirring
Dull roots with
spring rain.
『新領土』に上田保が発表した訳。
四月は最も残酷な月、
死地からライラックをそだて、
記憶と欲望をまぜあわせ、
だるい根っこを春雨で刺激する。
西脇順三郎訳。
四月は残酷極まる月だ
リラの花を死んだ土から生み出し
追憶に欲情をかきまぜたり
春の雨で鈍重な草根をふるい起すのだ。
訳語はともかく、原詩からいちばん感じるのは改行によって意図された ing
ing ing in (韻?)のたたみかけである。これをなんとか工夫して訳せないものか。
アンドレ・フランソワが没した。またもや89歳。
2005年4月17日(日)ゆるやかな四月の空にコルネ、ボー、ヨー
海文堂書店でのサイン会のときに、ウンチクの識語・署名の書き順(筆順)がヘンなのはどうして? という質問を複数の方からいただいた。理由というほどのこともないが、どうも、ふつうの書き方では手クセのようなものがいやらしく出てしまうので、一角一角を新鮮にしようという魂胆。ヘタウマというかヘタヘタ文字で誤魔化しているのである。深い意味はありません。
第五回アンダーグラウンド・ブックカフェのチラシ、荒川トークの葉書、まとめて届く。今まで以上に種々様々なイベントが組み込まれていて、画期的な古書展じゃなかろうか。
田中栞さんより『「古本屋の書いた本」展目録』(東京都古書籍商業協同組合、二〇〇五年)、『日本書票協会通信』131号いただく。「古本屋の書いた本展」は4月21日〜24日、東京古書会館二階にて開催される。天野忠、伊丹三樹彦は知っていたが、坂本勝とか岡崎清一郎、横井弘三らも古本屋だったのか。だとすれば、ちゃわん屋文庫を経営していた洲之内徹もここに加わる資格がある。
『日本古書通信』909号。「続署名本の世界」に出ている『在りし日の歌』中島健蔵宛て「世話人」署名本(印は「青山」)おもしろい。「心に残る雑誌」特集では、酒井忠康氏が若き日に雑誌『三彩』に彫刻家の若林奮論を書いたのは、当時編集長だった吉増剛造にすすめられてのことだった、と回想しているのは印象深い。若林銅板画入りの吉増の詩集が出ていたはずだが、そういう親交があったのか。若林先生には武蔵野美大の共通彫塑で指導を受けたことがある。静かでカッコイイ方でした。
ちんき堂で買った大迫重隆『愛犬全書』100円。昭和九年発行だが、その発売元は大阪東区空堀通り「百萬弗」・・・なんだろうね?
大迫重隆『愛犬全書』の扉
2005年4月16日(土)花とともに旅立つ人よ自転車で
サイン会の日。ナベツマと神戸へ。昼食は三ノ宮センタープラザ地下のかつ丼吉兵衛(よしべい)。十人ほど行列をつくっているが、回転も速い。かつ丼600円。まあ、こんなものか。
BALビルの無印良品で白磁の醤油差しを購入。サイン会用に硯と筆を持参していたのだが、水滴を忘れたので、これで間に合わせる腹づもり。李朝ですよ、と誰かに言ってみよう。
時間まで、ちんき堂をのぞく。根本敬氏の原画展開催中。ちんき堂はいつも楽しい棚作りだ。けっこう欲しい本が多かった。しかも安い。ペンギン・ブックスの「THE
LITTLE PRINCE」をまず手に取る。これで仏、日、西、英語版がそろった。「LE SALON 1930」という展覧会図録、VIZZAVONAという版元が出しているのだが、それをそのまま丸善が輸入販売していたようだ。表紙だけにMARUZEN
CO.,LTD TOKYOと印刷されている。フランスのサロン展への出品作が図版で一望できる便利帳である。野坂昭如の本が、状態は良くないにせよ、百〜五百円ていどで無造作に並んでいるのもいい。一箱古本市用に何冊か仕入れる。
一時二十分頃、海文堂書店着、ちょうど烏本舗の川辺さんとばったり、カエさんも来合わせる。いつも俳句をくださる方で、初対面。控え室へ行くと、中村よおさん、オヤジ芝田さん、川辺夫人らがおられた。中村さんが「今日はショックなんです」とおっしゃる。午前一時頃に高田渡さんが亡くなったという知らせを受けたそうだ。二十日ほど前、コンサート中に倒れ、危篤状態が続いていたという。直接の死因は酒とは無関係だったとのこと。中村さんのフリペ『トオリヌケ・キ』20周年記念号いただく。B4裏表にびっしり手書きの記事が詰まっている。また、それが面白い。落語、本、映画、もちろん音楽、今回はとくにクレイジーキャッツのCD「クレイジームービーズ」などについて、熱く語っておられる。
二時ちょうどに海文堂書店の店頭でサイン会開始(ご足労いただいた皆様に心よりお礼申し上げます、差し入れも有り難く頂戴しました)。和田氏、ウンチク、森元暢之さん、中村さん、芝田さんの順に並ぶ(下の写真では左から、森元さん席を外している)。中村さんの本『洋楽ROCK関西実況70's』の表紙画は森元さんなので連名のサインだ。森元さんのイラストサイン、そして書き添えられた一言がとてもいい味でつい見ほれてしまう。川辺夫妻が呼び込みやったり、サクラになったり、大活躍。和泉書院の吉矢さんに『いずみ通信』31号いただく。
頃合いを見て、となりの和田さんに無印の醤油差しを「李朝ですよ」と言ってみる。「うそ〜?」という顔をしながら和田氏はひょいと器を持ち上げ、「八百円の李朝があるかいな」。値札を剥がすの忘れてました。
なかほどで中村よおさんのライブが始まる。ギター弾き語りで数曲。ライブはやっぱいいです。音楽の力を感じる。人垣ができたので、中村さんの前に、福岡店長が機転を利かせて空き箱を置くと、投げ銭がたまっていた。四時過ぎ、盛況のうちに終了。一同は、いっぷくしてから近所の居酒屋松屋へ移動となる。
ウンチクだけしばらく居残り、神戸新聞の田中記者から喫茶店についての取材を受ける。二十分ほど遅れて、田中記者ともども打ち上げ参加。鶴亀本舗の石井氏、森元さんと同じテーブルへ。森元さん、サイコーのキャラです。福岡店長は『神戸ハレルヤ!グルめし屋』(解説はあの遠藤哲夫さんです!)の著者オヤジ芝田さんに、続編にはゼッタイこの松屋を紹介してね、とやや酔いの回ったロレツでお願いしている。席を移って、川辺さんが漫画編集者時代の逸話を面白く語っているのを拝聴する。原稿をもらって電車に置き忘れる話など、つぎつぎに出る。村上知彦さんと名刺交換。幻堂の中野さんとも挨拶。ただし、今ひとつ調子が戻らないウンチク、咳が抜けない。七時半ごろに一足さきに失礼する。お疲れさまでした。

■神戸元町の海文堂書店にて4月1日〜30日「林哲夫装幀も仕事!」展やってます。
2005年4月15日(金)透く緑ミラーの飛蝗ひげゆらり
季題としての飛蝗(ばった)は秋であるが、午後の散歩から帰ると、うすい緑色のバッタ類の昆虫が車に貼り付いていた。体調は、毎日、少しずつ良くなるかんじだが、まだパッとしない。
小杉小二郎『巴里ゆらゆら』(日本経済新聞社、二〇〇三年)読了。小杉放庵の孫で、父が美術史家小杉一雄、叔父にマツダ・キャロルなどをデザインした小杉二郎をもつ。文章を読むとあんがいいい人柄だ。もっと詳細にパリの日本人画家たち、長谷川潔や岩田栄吉について書き残して欲しいものだ。トイレ本だった堀江敏幸『河岸忘日抄』もやっと読み終わった。フランスがなつかしくなった、かというとさほどでもなく、何故か無性にボローニャへもう一度行ってみたくなった。
小梛精以知の句集『寸楮』、これも月の輪目録より。昭和八年から古書肆一誠堂書店に勤め、先般亡くなった。「蛇腹草に隠れて葛西善蔵碑」「讀めぬ字はそのままにして櫻桃忌」「夜の海に船ひとつ見ゆ實朝忌」「「死者之書」を讀みさして閉づ木下闇」などブッキシュな句も多く収録されている。「日蝕や地に見え見えの嘘を言ふ」が目についた。
《横光利一も装丁については一家言ありそうですが》という大貫氏の質問が届いているのだが、たしかに何にでも一家言ありそうな人物ではあり、何か書き残していないか探してみようと思い、随筆・評論集『書方草紙』を取り出す。これは横光自装。
横光利一『書方草紙』白水社、一九三五年、装幀=横光利一
2005年4月14日(木)ふきだまり花に九相あり立ちどまる
月の輪さんから届いた注文品のなかに『えびな書店古書目録書架』十四号「特集
洲之内徹と気まぐれ美術館」がある。田村義也旧蔵本。わずかに外辺が焼けているが、状態はいい。本文もきれいでチェックした様子もない。ところで、最新の『書架』は70号、巻頭のカラー図版だけでも楽しめる豪華目録であるが、その五分の一ほどの厚味しかない14号をめくってみると、えびな書店の興味はまったく不変だということが分かるような気がする。仮に洲之内徹特集から何か注文できるとすれば、洲之内の宮崎サユリ(宮崎丈二未亡人)宛て書簡20,000円を注文したい。

『未来』4月号、読書特集はなかなか欲張った内容である。丸川哲史氏の「台北書店めぐり」を眺めていると「那威的森林」(那はテヘンあり)というおしゃれな喫茶店があるという記述に目が留まった。《村上春樹の『ノルウェイの森』から取ったネーミングそのまま》だそうだ。誤訳は広がるよどこまでも〜(小説それ自体とはさほど関係はないけれど)。
まだ、のどがすっきりしない。
2005年4月13日(水)花散らす気配を耳に喉いがら
楢橋朝子さんの写真展がツァイト・フォト・サロンで開催される(4月16〜5月19日)。石内都さんらと作っておられた写真誌『main〈マン〉』(創刊1996〜2000年10号で終刊)を通してしか存じ上げないので、そのうちぜひ拝見する機会があればと思っていた。これなら五月に見られる。ご主人の尾仲浩司さんの作品展は大阪で一度拝見してファンになった。
西秋氏が「不忍ブックストリートMAP」「古本屋の書いた本展」(東京古書会館二階4/21〜24)チラシなどを送ってくれる。いつも有り難うさんです。不忍マップはいい色だ。しのばず君のキモカワなテイストが内澤さんらしい(誰も思いつかないです)。「犬書房」は「カバン堂」の親戚かも?
ふとんたたきおばさんのパワーに圧倒された一日。いまだ体調すぐれず、この辺で。
2005年4月12日(火)花冷えに未裁の小口の山数え
ここ数日、少々風邪気味。土曜日のことがあるので自重する。書肆アクセスさんにP-BOOKを頼まれているのをボチボチ作る(少し遅れてます、すみません)。
『i feel』春号。ライターズワークショップへようこそ特集。『帰らざる風景』にも書いたが、アートを教えるのは不可能ではないだろうか。たとえば、巻頭対談のまとめとして新井敏記氏が《まずいい本を読ませるという環境づくりが必要だと思います。世の中にはいい小説があるのだということを、教えてあげる。もしかしたらそれだけで十分かもしれない。》と発言、青山南氏が相槌をうつ、《結局そこに戻るのですね。そう、それが一番です。》。う〜ん、「いい小説」をたくさん読んで「いい小説」が書けるなら、何の問題もない。もし「いい」本読みなさいというだけしかできないとしたら・・・、ま、それも教育ですか。
脇役本のハマダ氏より、佐野繁次郎の装幀本、薄田研二『暗転 わが演劇自伝』(東峰書院、一九六〇年)のカラーコピーなどいただく。深謝です。佐野繁次郎の装幀参照。
神戸で買った石川達三『風樹』(春陽堂)の奥付をチェックして???

2005年4月11日(月)待つ椅子に雨がのこした花もよう
月の輪書林古書目録14『田村義也の本』が届く。田村義也の装丁本、書き込み本、旧蔵本、小梛精以知の旧蔵本、長岡光郎の旧蔵本、などからなり、例によって読める目録である。巻末の『田村義也 編集現場115人の回想』(同刊行会、二〇〇三年)からの引用のなかに、草野権和氏の《あなたの装丁本は、帯をとり表紙を脱がせて、裸にしていくほどに美しいと思います》があるが、草野氏は『sumus』を購読してくださっており、先日の友の会にも参加できない旨のお葉書をいただいていた。《お目にかかれればムサビでも変な先生をしていた田村義也さんに「甲鳥書林」の二号をみせて以降、亡くなられるまでのことなど一寸話したかったのですが……》と書かれていた。ぜひ、いずれお願いします。
巻末の田村義也年譜によれば、1966〜92年まで、武蔵野武術短期大学の生活デザイン科非常勤講師となり、自宅で編集計画研究という授業を二十七年間にわたって行ったということである。この退任記念会が開催されたのが何と品川の「つばめグリル」(3月6日参照)だというからおもしろい。

2005年4月10日(日)はなびらが風のかたちをなぞる道
昨日、届いていた郵便物のなかに、浅生ハルミンさんの著書『私は猫ストーカー』(洋泉社、二〇〇五年)がある。猫との距離の取り方が、そのまま人間や街の観察につながっているところがとくにいい。イラストはもちろん、写真や文章(ちょっと突き放したような文体)も楽しめる。カバー用紙、本文紙、本文組(とくに地のアキを狭くしたところ)なども工夫がいっぱい。猫好きならずとも座右におきたい一冊だ。
浅生ハルミン『私は猫ストーカー』洋泉社、装丁=川名潤
佐野繁次郎装幀本では新橋演舞場『五月興行新派大合同』(松竹株式会社事業部、一九五六年)のパンフレットがN氏より送られてくる。B5の表紙・裏表紙をコンテ・水彩で。カットに三井永一、木村荘八。有り難く拝受。
2005年4月9日(土)均一を流して濯ぐ甘茶善し
ナベツマと神戸へ。二人で来るのは久しぶり。三宮センター街の南側一本目(三宮本通)中程にある「丸萬」という昔行きつけだった中華料理店で昼食。ラーメンセット(ラーメンと半チャン)、やきそば(普通の。あげやきそばもグー)。ここのラーメンは汁が透明(ばっちりドンブリの底まで見通せるくらい)でじつにあっさりとした味付け。麺も独特なもの。どちらかと言えば、ベトナムあたりのラーメンを連想させ、しかも和風も加味されている。
食後は別行動。言うまでもなくこちらは古本屋を流す。まず、あかつき書店で安東次男『芭蕉』(中公文庫、一九七九年)300円。後藤書店の店頭、三冊400円の箱から中野重治『鶉の宿』(一九四八年、筑摩書房)、『楽しき雑談』(一九四七年、筑摩書房)、福沢諭吉『学問のすゝめ』(ほるぷ、一九七六年)。中野重治二冊は渡辺一夫装幀本。両方とも所持しているが、絶滅危惧種なので捨ててはおけない。
サンパルの万葉書店は何かありそうで何もなく、倉池書店の表で石川達三を三冊310円、『風樹』(春陽堂、一九四六年五版、岡村夫二男装幀)、『石川達三選集3 日陰の村』『石川達三選集13 春が咲かせた花』(八雲書店、一九四八年、花森安治装幀)、ロードス書房で舟橋聖一『続雪夫人絵図』(新潮社、一九五〇年、岡村夫二装幀)、入江徳郎『サムライ記者』(鱒書房、一九五四年三版、鈴木信太郎装幀挿絵)各105円、林静一『赤色エレジー』(小学館文庫、一九七六年)260円。
『本棚』(神戸近辺の古書店による合同目録)のメンバーが中心になって六月(17日〜19日)に姫路文学館で古書市を開催することが決まり、その目録についての打ち合わせ。表紙をカラーでやりたいとのこと(たぶんウンチクの本の絵になると思います)。
海文堂書店へ。ロードスさんと話し込んでいてちょっと遅くなった。妻と福岡店長は事務所で歓談中。福岡店長の愛犬「テツ」の写真はカワイイが、店長が女子高生に扮したエグイ写真を見せられてナベツマへきえき。展示の様子をデジカメでナベツマが撮る。
そこから歩いてハンター坂のギャラリー島田へ。震災後ちょうど十年でかなり人出も戻っているようだ。阪急線のガードをくぐって北側(山側)から生田神社、東門街を通り抜けて、角に西村珈琲があったところ(今現在は更地になっている)を上って、リランズゲートというビルまで。この一階と地階が画廊になっている。地階では日下部直起さんの個展を開催中だった。
日下部さんは、奇遇にも、京都のわが家のすぐそばの中学校を出ておられ、お住まいや絵画教室も近所であった。昨年、文化庁の在外研修員としてフィレンツェに滞在しておられた。その成果も含めた展示。オーナーの島田氏と歓談。結局、林も来年の十月に個展を開催させてもらうことに決定した。神戸では一九八五年以来の個展になる。
六時前に退出し、三宮駅近くの焼き鳥屋「のんちゃん」へ。やはり神戸時代によく通った店。まきみ、つくね、ねぎみ、手羽先、豚バラ、青唐、唐揚げ、おにぎり(梅紫蘇、おかか)、とりスープ、そして生中(420円)、黒生小瓶。まきみは頸の肉だそうだが逸品。焼き鳥はもちろん、唐揚げもおにぎりが美味しく、あっさりとりスープとの取り合わせもいい。二人で4,250円だから安いもんです。
『石川達三選集13 春が咲かせた花』(八雲書店、一九四八年、花森安治装幀)扉
2005年4月8日(金)花をやね石をねどこに飽く日なし
住宅地の外れにある児童公園、ここ何年も同じボヘミアンが住み着いている。暑さ寒さにかかわりなくベンチの上に寝そべって動かない。達磨のような男である。密かに尊敬している。
目録がまとめて届く。『古本倶楽部』166号に高柳重信の短冊が図版で出ていた。「北風は此処までくるとみな背き 重信」15,750円。句も字もいい。欲しい、けどね・・・。
近所の古本市場で『新・100人のジャズメン』(荒地出版社、一九七八年)、木下長宏『舌の上のプルースト』(NTT出版、一九九六年)など各105円。前者ではモンクの項目をまず読む。《五一年、麻薬事件に関係があると疑われて演奏許可証を没収され、まったく仕事ができなくなったのである。こうした半失業状態は、四五から五五年まで続いた》とある。「おいらはストレートだぜ」と言いたくなるだろう。演奏はヨッパラッているけどね。
で、モンクのCD「Epistrophy」(IMC MUSIC, 1990)を聴く。1963、64年に録音されたとだけしか記されていないが、ネットで調べると「エピストロフィー」は1963年に来日したとき東京で録音されたようである。タイトルはおそらく
epistrophe(反復=リフレイン。「書簡」という意味もある)からきているのだろう。TSはチャーリー・ルース。コルトレーンらとのヴァージョン(1957年録音)より曲としてのまとまりはずっといい。
明日4月9日から茨城県近代美術館で「気まぐれ美術館
洲之内徹コレクション展」が開催される。
【ナベツマ通信・少々休息中の巻】
「最近ナベはないんですか?」とのお問い合わせを幾つかいただいております。円安も進んでいる昨今、少々休息中です。その代わりに、mimibookに変身して「ミカンアラモード4」の製作に励んでおります。ただ今、追い込み中です。近々新作発売のご報告ができることでしょう!!(パート4ではナベツマもイラストで登場いたしまっす!!)
2005年4月7日(木)傘たたみ桜餅買う旅ひとり
JR嵯峨嵐山駅で新幹線の予約をする。十時二分前にコンピュータを止め、十時ジャストに全国一斉に起動させるという。無事予約完了。有名な桜餅屋に寄って天竜寺の前を通り、久しぶりに渡月橋を渡った。昨日暖かだったので、急に開花したようだが、まだ全体では五分咲きくらいだろうか。小雨のなか観光客が出はじめていた。
ソウル・ベロー死去。89歳、失礼ながらまだ生きていたのかという印象だ。ネットで『ニューヨーク・タイムズ』を読んでみたが、まったくよく分からない文章だった。ヤフー・アメリカのニュースは米文学の素人には単純でよろしい。戦後すぐに書評一本十ドルで糊口をしのいでいた時代があるという。十三歳のときから小説家になると決めて、そのように生きてきたそうだ。ただし後年はボストン大学で教鞭をとっていた。
ペンギン・ブックスのベロー二冊。表紙画はベン・シャーン
ようやく「PureDays」を入手した。ブックストアガイドの折り込み(?)部分に、caloさん他、Utrecht、洋書ハックネット代官山店、BOOK
246、COW
BOOKS 南青山、NADiff、TOM'S
BOX、PROGETTO、恵文社一乗寺店、ベルリンブックス、コロンボ、iTohen、ヴィヴォヴァブックストア、ファビュラス
オールド ブックが紹介されており、内容的にもまずまずだ。ミカンはハナヲくんと並んでます!
2005年4月6日(水)眠たげな刈り上げ寒く新学期
というわけで、友の会を午後2時スタートに変更してもらった。1時〜3時がベターだが、一般営業の合間を貸し切りにするため2時が限度ということである。すでにお申し込みの皆様にはまったく申し訳なく、平にご容赦をお願いいたします。また、大貫氏をはじめ関係各位に深くお詫びいたします。
『CABIN』7号に書いた「スムースの作り方」を読んで岡崎が感想の手紙をくれた。メールで用が済む時代に手紙というのがうれしい。書かなかったこと、書けなかったこともいろいろある。いずれそのうち。「日刊漫画屋無駄話」では塩山御大もこの一文を誉めてくださっている。
地下展の「書物の肖像」展のために額縁の注文をする。チラシには20点出品と書いたが、あそこの壁面では一度にそんなに並ばないだろうから、とりあえず油彩画4点ほどと水彩画10点ていど、あとはストック。
一箱古本市のための古絵葉書を選ぶ。一箱だと本はそう入らないので絵葉書をあるていどの数そろえる。お弁当箱に何を詰めようか、といった楽しみがある。出品予定の「帝国劇場」と「三越呉服店」(「東京名所」のうち)。帝劇は1911年に日本初の西洋式劇場として開場した。関東大震災で被害を受け、1966年に谷口吉郎設計のビルに立て替えられるまで、補修を繰り返しながら持ちこたえたそうだ。今日は帝劇、明日は三越。帝劇には学生時代によく通った。といっても劇場ではなく出光美術館へ。皇居が見下ろせるカッコウの場所だ。
帝国劇場
三越呉服店
2005年4月5日(火)亀鳴くや水面打つ子ら聞きもせず
京都新聞の取材を受ける。『sumus』などのミニコミとインターネットの関係について。いまひとつまとまりのない発言しかできなかった。日頃あまりそういうことは考えていないので。
市中のディスカウント・ショップで東京行きの新幹線チケットを買う。夜行バス(京都―東京)片道4,300円という貼り紙。安いけどねえ、もう年ですから。帰途、五条の「ブ」で吉田衛『横浜ジャズ物語・「ちぐさ」の50年』(神奈川新聞社、一九八九年二版)を850円で。昭和十七年に召集された吉田は中支の楠林橋へ派遣され、同地で慰問楽団に参加、《浅草のサブちゃんことタッパー中村三郎や、自称“三文役者”の殿山泰司の劇団と一緒に各中隊や旅団まで回った》そうである。
帰宅してみると西秋氏と田中女史よりメールあり。地下展での大貫伸樹さんのトークとスムース友の会が重なっていると指摘される(!)。まったくの勘違いのうっかりミスです。申し訳ありません、お詫びいたします。小生は大貫さんのトークにゲスト出演する予定なので、友の会の方を少しでもズラせるか幹事に頼んでみます。
自らのボケかげんに落ち込む。
2005年4月4日(月)くさめ三つ悠然たりユキヤナギ
このところいろいろな催しが重なりみょうに忙しかった。一段落したので、ひさしぶりに仕事部屋の掃除をする。積み上げ放しだった本をあるていど仕分けする。アトリエの方もモチーフを動かさないように掃除機をかけた。
西村氏より佐野繁次郎展図録、および甲鳥書林本届く。佐野は、大正九年の二十歳頃、大石七分(西村伊作の実弟、大石誠之助の甥)が建てた滝野川のアトリエに住んでいたそうだ。アトリエの写真も載っている。これは新知見。おもしろい。さらに面白いのは、下図の堀辰雄『晩夏』(甲鳥書林、初版一九四一年)。今回、西村氏が送ってくれたのは第四版(一九四二年、中央)だが、表紙の背文字をよ〜くご覧いただきたい。「堀辰夫」になっている(誤植大賞モノ!)。左の第五版(一九四三年、箱は元々ないのだろう)ではさすがに直っている。なお、本文は同じ紙型を使っているようで、表紙まわりだけ、各版ごとに刷り直したらしい。

2005年4月3日(日)弔いかとどろきやまず春の闇
夕刻からものすごい雷鳴が続いた。
デイリー・スムース3月29日の【プラハ便り】に《チェコならではか、と思われる風習は、復活祭の月曜日、猫柳の若枝で編んだムチで男性が女性の腰やお尻を殴りつける、というものです。春の息吹を女性の胎内に送り込むことで、豊穣と繁栄を祈るもののようで、どうもキリスト教以前の異教の名残のような風習ですが、女性はぶん殴られて「ありがとう」とお礼を言わなければならないうえに、いわゆるイースターエッグを渡さないといけません》とあったが、同じような風習が日本にも存在したという考証を安東次男『風狂始末』に発見した。
《其諺の『滑稽雑談』には「北岩倉祭…俗に岩倉の尻たヽき祭と云。神事夜に入て神供を献ずるに、一村の内にして新婚の女を選て婚礼の表衣を著して、神供を器に入て頭に戴きて神前に進む。一村の老若、ちひさき枝木をもて件の嫁どもの尻を打つ也」云々と注している》(p397)
京都の岩倉祭に関する記述である。こちらは陰暦九月十五日に行われ、明治時代の初め頃まで残っていたそうだ。多産に直結する古代から続く習俗であろう。
『gui』74号、岩田氏より。奥成達氏の「北園克衛『郷土詩論』を読む(三八)」はいつもながら面白い。今回は西脇順三郎『シュルレアリスム文学論』(天人社、一九三〇年)について。なぜか本文中では『シュルレアリスム文学』と記載されていることはともかくとして、西脇のシュルレアリスム定義を高く評価しながら、鶴岡善久氏の瀧口礼賛、北園克衛・春山行夫否定を批判的に引用している。
西脇はブルトンの作品が社会主義的でないという批判に対してブルトンを擁護するつもりで《政治的文学は外面的な世界を扱つてゐるが、シュルレアリストなどの文学などは内面的な世界を取り扱ふ。外面的世界に関する場合は、シュルレアリストでも政治的運動を行ふ。しかしそれは矛盾でもない。またシュルレアリストが政治的経済的社会主義的文学を書かないとしても、それは社会価値に相反する行為ではない。心理的価値と社会的価値とは相反するものでない》と書いている。
ま、そんなに価値があるかないかに拘る必要もないと思う。カッコよければいいのだ。主義的なものはカッコ悪いよ。
ヘンリー・ミラー『薔薇色の十字架第一部セクサス1』新潮社、一九五四年
2005年4月2日(土)蒲公英の顔が見えた会釈する
とうていできないとぼやいていた岡崎だが、やすやすと自力で「はてな」にブログを開陳した。「okatakeの日記」、これから毎日楽しめる。『彷書月刊』の方も、週一で購書報告をアップしてゆくそうである。
苗カメさんよりいただいた「スムース友の会」の写真一点アップしました。3月29日をご覧下さい。
カロさんよりメールあり。《学研の「PureDays」という、まさにスロー系な雑誌の最新号(Vol.2)の巻末に、手作りゴコロをくすぐる本屋ガイドという付録がありまして、Caloが掲載されたのですが、その中で「ミカン ア・ラ・モード」を紹介させていただきました。お近くの本屋さんでチェックしてくださいね》、いつもありがとうございます。
アラン『散文論』桑原武夫訳、作品社、1935三版(1933初版)
2005年4月1日(金)花たより三輪五輪に身もやつれ
気象庁はソメイヨシノの標準木が五輪開花したのを担当官が肉眼で目視して初めて「開花」を宣言するそうだ。屋根に隠れていてもだめ。見える範囲内に五輪以上の花が開いていないといけないという。
町内会の組長の役を先月末で終えたはいいが、二十九日、三十日と二日続けて訃報が届いた。「○○さんが亡くなられました、お通夜は○○、お葬式は○○です」という内容を組内の十四軒ほどに知らせて廻らなければならない(ナベツマがくるくると走ってまわった、ちなみに町内に十二組あり、わが組は第九組)。今年は町内に三件しか葬式が出なかったと慰労会で町内会長が喜んでいたのに、最後の最後に二件続いた。お悔やみ申し上げる。
10月末に山崎書店の二階で装幀展をやらせてもらおうと思い、打ち合わせに出かけた。10月28日〜11月6日と決定(青空古本まつりに重なっている)。海文堂書店とはまたちょっと違った展示にしたいと思う。帰途、水明洞の前で、明治二十六年の『大阪朝日新聞』を二部ほど買う。帰って読んでみるととても面白い。そう沢山はなかったものの、浅い函に重ねてあったので、全部買っておいてもよかった。《朝鮮の弁護者誘導者を以て自任し昨年一月より米国宣教師ヲーリンガー氏夫妻主筆となりて毎月一回発行し居たるコーレアン、レポジトリー(朝鮮最初の英字雑誌)は満一箇年を経たる去一月第十二号を最終として廃刊したり》(明治26年2月19日)など。
『虚無思想研究』19号。特集・小野庵保蔵。小野庵(1897〜1950)は藤枝の蕎麦屋「小野庵」に生まれ辻潤らの『虚無思想研究』などに参加したニヒリスト。《「労働したくない人間に労働させる」ことは確かに強要だ、国家がイデオロギーによつて人民を支配することには僕は絶対反対する。僕は人のために生きているのではない。なるべく他人に迷惑をかけないようにせいぜい長生きしたい》、うん、もっともだ。
塩山氏より『記録』4月号届く。相変わらずの絶口調、目黒考二氏と『本の雑誌』のほぼ完全否定。嘘も方便というが、正直は不便かも。
『柿衞文庫(かきもりぶんこ)のご案内』届く。先日、ジャック・カロ展のついでにここで短冊展を見て、説明文の間違い(?)を感想用紙に書いて投函しておいたところ、次回の入場券が送られて来、ついで年間スケジュールが届いたというわけ。宗因生誕400年(ドン・キホーテも400年だったっけ)だそうだ。芭蕉は宗因を高く評価している。
水明洞で100円だった『MODERN ART 1956』(モダンアート協会)。村井正誠、山口薫、勝呂忠、矢橋六郎、流政之らの団体モダンアート協会の年次展図録。
