恵文社
 冬の大古本市12月20日〜2006年1月9日

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 ◆12月21日〜31日 ◆トルコ紀行1 ◆トルコ紀行2


2005年12月20日(火)枯れ果てて庭の小石の在りどころ

◆トルコ紀行2 さらに写真を追加しています。

『ぼくの早稲田時代』(右文書院、二〇〇五年)が届く。ちょっと渋いか。だが、悪くない上がり。小沢信男、涸沢純平、高杉晋吾の各氏が栞(24頁もある!)に文章を寄せている。涸沢氏は川崎氏が病に倒れたときのカンパの様子を記しているが、知友に愛される川崎氏の人柄が偲ばれる。この作品は五十年代クロニクルであると同時に、本文から十二分に伝わってくる詩人川崎彰彦の新たな誕生だと言えるのではないだろうか。むろん面白さは請け合う。

 川崎彰彦『ぼくの早稲田時代』右文書院

 なお、右文書院からは向井透史氏の「店番日記」も来年二月には刊行される予定だ。これもウンチクが装幀することになるだろう。年明け早々にゲラを見せてもらう手はず。お楽しみに! そうそう『逍遙』70号が届いたので、ざっと見て注文。今回は欲しい本がいろいろあって目移りした。

TV録画で「ブラス」(マーク・ハーマン、1996)を見た。レンタル・ビデオでもすでに見ていたが、やはり惹きつけられる。せめてこれぐらいの作品は作って欲しいぞ、日本映画も。サッチャー政権下のイギリスに居たことがある。ほんとに貸家(for rent)と「国産品を買おう」(Buy British)の貼り紙ばかりが目についた。


2005年12月19日(月)立ち読みのつま先刺すやみぞれ降る

◆トルコ紀行2 さらに写真を追加しています。

『ちくま』12月号、特集・ちくま文庫創刊20周年。岡崎氏が特集巻頭をエッセイとイラストで飾っている。文庫王なり! 近代ナリコさん、角田光代さんも寄稿。

渡辺一夫『空しい祈祷』(勤労学徒援護会、一九四六年)をMさんよりいただく。渡辺は書いている。

《日本の敗戦は、文化史的には単純な現象であらうが、当の日本国民にとつては深刻な反省を要求する現象でなくてはならず、この反省なくしては、所詮日本は跛行を続け、更に大いなる蹉跌に遭遇する宿命を受諾することになるのである》

 幸い、これまでのところ大いなる反省は有効だったようだが、六十年も経てば、いろいろ変わってくるようだ。先行きはまったく不安である。

夏目美知子さんの個人詩誌『カンラ』1号が届いた。装幀はウンチクとなっているが、印刷の都合でレイアウトは変更されている。文字は明治の教科書から、挿絵は活字の「し」をペン画で。



2005年12月18日(日)雪止まず動かぬなりに空を掻く

◆トルコ紀行2を独立させました。さらに写真を追加してゆきます。


【ナベツマ・ジャンク《ドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」》】

 12月はナベツマのTUTAYA会員としての更新時期である。更新料を支払う代わりに、ビデオ旧作が1本只になるので、どれにしよっかなー? と棚を上下左右あれこれ探した。メジャーじゃないけど、確かアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門賞をもらったんじゃなかったっけ、という1本を見つけた。

 ということで「スーパーサイズ・ミー」見てみました。1ヶ月間毎日3食マクドナルドだけで食事をしたら人間はどうなるかを自らの体を使ってやった実験ムービーだ。だいたい予想はつくが、実験日程を2/3を終了したところで、医者に命が惜しかったらもう止めたほうがいい、とまでいわれたが、最後までやり通したところがなんとも。体重が増えるだけではすまない、あらゆる数値が体の異常を示していた。ナベツマが一番ひっかかったのは、全米の肥満が多い州というイラスト図がでたときに、それがブッシュの支持基盤の州と重なったこと、つまり中西部に南部。しかも、肥満全米ワーストワンはテキサス州だった。

 それにしても、アメリカでは学校給食に給食供給会社がくいこんでいるが、作っているのはハンバーガーやピザなどのファストフードが中心。それどころか、スナックやお菓子の類いまで提供されている。作っているといえば聞こえはいいが、ほとんど作業はチーン状態で提供。なんともかんとも。

 国栄えて滅びるときには、内側からその浸食が始まるのだろうか。静かなる滅びのプロムナード、「肥満」は緩慢な自殺行為かもしれない(ちなみにアメリカ人の肥満率は子どもの半分、成人の3分の2に上る。年間40万人以上が肥満が原因の糖尿病や心臓麻痺で死亡している)。

**原題の「スーパーサイズ・ミー」のスーパーサイズとは、Lサイズを越えるサイズのこと。例えば、コーラでいうと1.5Lから1.9L(チェーン店によって異なる)。日本なら接客時に「ポテトもいかがですか?」が定番だが、アメリカではフライドポテトやドリンクを注文した客に「スーパーサイズにされますか?」というセールスが行なわれていた。過去形なのは、この映画の公開直後、マクドはスーパーサイズをラインナップからはずしたため。


2005年12月17日(土)舗石(いし)あらた三鬼の街の風寒し

◆トルコ紀行2を独立させました。さらに写真を追加してゆきます。

展覧会はしごの日。三条のギャラリー射手座で「キオク ノ カゲ」坂内圭個展、河原町通のマロニエで「散歩の条件」展。梅田へ行ってヨドバシカメラでPC書籍を購入し、さらに神戸三ノ宮まで足を伸ばす。ルミナリエ開催中とのことで、夕方から若者達が駅に集合していた。ハンター坂のギャラリー島田の「日本人への旅《街角》」福島清油彩画個展のオープニングに参加。

 ギャラリー島田では来年十月に林哲夫の個展も開催される予定。日程を決定する(10月14日〜25日)。福島氏のトークショーの途中で急用ができて帰宅する。

『海会』29号。第二十二回書皮大賞に海文堂書店の書皮が選ばれたそうだ。「この本を売りたい!」は『佐野由美作品集』(シ−スペース、二〇〇五年)、平野義昌氏の「本屋の眼」ぼやき全開。

『APIED』8号届く。ラフカディオ・ハーン「怪談」特集号。山田太一、郷田貴子ら寄稿。八雲之墓の写真(雑司ヶ谷霊園)、墓石のすぐ後ろに植わっている樹木は槇だろうか。

 表紙画=山下陽子

エディション・イレーヌから、ジャン・ジュネ詩篇『愛の唄』(日乃ケンジュ挿画、松本完治訳)の刊行案内葉書。没後20年記念出版とある。そんなになるか、というか、まだそんなものか。


2005年12月16日(金)つるし柿面取りなぶる薄日あり

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恵文社へ古本市の搬入に出かける。段ボール箱七つを積んで自家用車で。店の近くの倉庫に運び込む。そのあと、一乗寺近辺の古本屋を流し、山本氏宅へ。スムース文庫09『明治美術絵葉書』を渡す。いっしょにガケ書房、文庫堂、萩書房を回る。文庫堂はさきに見ておいたのだが、ゴッドハンド山本は『ベルイマンの世界』(竹内書店、一九六八年)と白水社の北園装幀本をひょいと拾い出した。

 水明洞をちょっと見て、三月書房へ。三月さんは恵文社へ段ボール箱八つ送ったそうだ。初参加なので、小手調べに安めに値段設定したとのこと。これは楽しみだ。『早稲田文学』がフリーペーパーになったよ、と言って渡されたのが『WB』vol.1(早稲田文学会/早稲田文学編集室、二〇〇五年十一月号)「愉しい文学」。角田光代さんと重松清氏の対談、大西巨人さんなどが登場。『早稲田文学』自体をさほど読んだことがないので、評価のしようがないけれど、この開き直りは悪くないかも(?)。

 帰途、少し遠回りをして、北野天満宮の近くにある「粟餅や」で粟餅を買う。十個入り1,020円。あんころと黄粉まぶしが六四で入っているが、黄粉の方が好きなので、四六にしてもらう。注文すると、老夫婦が臼から粟餅を取ってひょいひょいと作ってくれる。お嫁(娘?)さんが馴れた手つきで包装してできあがり。これが絶品。店でお茶といっしょに食することもできるし、夏はかき氷もおいしいのだ。

 『ロック自身』41、42号 星直樹

 ガケ書房でもらったフリーペーパー『ロック自身』。A3片面コピーを折り畳んでA6八頁に仕立てている。手書き原稿とイラストで音楽と食い物についてとりとめもなく綴っているのがいい。『WB』も見習った方がいいかも。


2005年12月15日(木)凍天に月冴えかえる喉仏

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『ブックカフェものがたり』(幻戯書房、二〇〇五年)が南陀楼氏より届く。「一冊の本と、一杯のコーヒー、そこから始まる新しいスタート」という帯の惹句。ジャケット二色刷、帯四色刷、はちょっとした工夫(装幀・本文組版=木下弥)。これは石川あきこさんの「おわりに」にもあるが、メタローグの『本屋さんになる!』(二〇〇四年)の続編として企画されたもの。デイリー・スムースでも書いたように(8/28)チェコのマッチラベル展を機に開かれたトークショーの打ち上げで石川さんから南陀楼氏に話が渡り、その結果、幻戯書房から発行されることになったのだ。

 はっきり言って、喫茶店と本屋、どちらもどんどん数がへっている業種である。そのふたつを合わせたブック・カフェがこれほどあちらこちらにできているなんて! チーとも知らなかった。マイナスとマイナスを合わせるとプラスになる、そういう発想だ、とも思えないが、本当にそうなるのかどうか、しばらく様子を見たいものである。そういう観点からも、これは単なる案内本ではなくて、とても貴重な「時代」のドキュメントとなっているように思う。

 『ブックカフェものがたり』幻戯書房


2005年12月14日(水)乾風(あなじ)吹く病自慢のさらし店(だな)

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『日本絵葉書会』(日本絵葉書会事務局)15号に「父平井房人の絵葉書」という記事が載っている。ひらいふみひと氏が父房人の残した絵葉書アルバムについて語っておられる。平井房人・・・の名前がすぐにピンとこなかったのだが、『はぎしょぼ闊歩』47号の3番が『家庭報国 思ひつき夫人』(朝日新聞社、一九三八年)二冊五千円だったのを見て、『sumus』11号の表紙4に『家庭報国 思ひつき夫人』の一部を掲載していたことを思い出した。参考までに、ひらいふみひと氏による平井房人の略歴を引用しておく。

《明治36年(1903年)福岡県久留米生まれ、大正10年頃に上京(絵葉書はこの2年間、房人20歳〜21歳の頃に作られたものらしい。)大正12年の関東大震災の後、神戸に移る。同時に宝塚少女歌劇の美術部に所属し、雑誌『歌劇』の編集、舞台の台本やポスター制作に携わる。(ポチ袋が作られたのはこの頃の模様)関西の漫画家たちと『大阪グルっぺ』を設立。昭和13年大阪朝日新聞に『思いつき夫人』を連載。翌年、東宝で映画化。戦後は京都に移り昭和26年に大阪毎日新聞に『ポッポおばさん』を連載。

 東京の出版社の雑誌『平凡』『明星』『主婦の友』『家の光』などの注文で京都、大阪、宝塚などのイラストルポや漫画の制作。子供用の絵本の出版。母が切り抜いていた仕事の量には驚かされます。またラジオや宝塚新芸座の漫才や芝居の脚本や台本も沢山残っています。昭和35年突然脳溢血で倒れそのまま死去。享年57。》



【ナベ通《出発5日遅れ、到着同時》】

 eBayで一日ずれて落札したグレーのグラデーション・ルクルーゼが到着した。実は前回紹介した花柄のルクルーゼ片手ソースパンと同時に我家に配達されたのだ。でも荷出しは花柄ソースパンより5日後なのに到着が同時なんて・・まっ船便というのはそんなもんかもね。

 以前ヤフオクで、同じグレーのアイアンハンドルのソースパンを落札してから、その色具合がとても気に入り、他にもないか探していたのだ。この1年間、ほとんどお目にかかったことがなかったから、ちょうどeBayに出てきたのは運が良かったのかもね。

 

**25cmのオーバル鍋、容量3.2L 、重量 3.5kg。このサイズだと、直径22cmの丸鍋とほぼ同じ位の容量となる。モノクロームの世界もまたうつくしい・・・が・・そろそろ押し入れが・・・。


2005年12月13日(火)雪空や犬の尾を抱く庭の苔

◆トルコ紀行を独立させました。さらに写真を追加してゆきます。

『文士風狂録』を読んでいると、《大日本正義団組員の鳴海清が、京都三条東橋詰のクラブ「ベラミ」で山口組三代目組長、田岡一雄を狙撃して世間を騒然とさせるのだが》(p144)というくだりがあった。この事件は一九七八年七月十一日に起こっている。

 臼井喜之助の『京都味覚散歩』(白川書院、一九六三年五版)によれば、ベラミは《東京にあるラテンコーターとよく似た雰囲気をもつクラブで、五年前に開業してから、京都でいちばん雰囲気の良いクラブだという評判である》《ここのショウのいいことは定評があり、最近もアメリカの黒人のテナー、サックス奏者サムテーラーがやってきたし、映画「世界の夜」に出演した骨なしアクロバットのスリーマーキースもやってきた。日本の芸能人でも、小坂一也、芦野宏、旗照夫など、よそへ出ない人ガが、バンドもいい、雰囲気も好ましいと、ここだけ出演するというくらいである》《なお河原町四条上ルにジャズ喫茶の「ベラミ」がある。ここは戦後いち早く開業、東西一流のバンドにシンガーが出演して、コーヒーを飲みつつ生の音楽を楽しめるようになっている》(p366)と書いている。執筆は昭和三十六年と思われる。

 ベラミは一九八四年には閉店していたようだが、ひょっとして、三条東橋詰というと、今の「ブックオフ三条店」のあたりにあったのではないだろうか? ウンチクはその頃も京都に住んでいたけれど、別世界の話で記憶にない。


2005年12月12日(月)行列の尾につく三たび師走かな

11月28日からのトルコ紀行に写真を追加しました。

スムース文庫09『明治美術絵葉書』(生田誠+山田俊幸)が完成した。モノクロだが、137点の図版が入って明治美術絵葉書の大きな流れがつかめる内容になっている。メジャーからまったく無名の画家まで24人を取り上げて絵葉書コンビが解説を施す。

留守中に届いていたもの。「銀座ブックバザール」(銀座松坂屋、12月22日〜28日)の目録。スムース文庫も半ページの広告を出している。この広告(古本応援隊)コーナーがすこぶるユニークな連中ばかりで、感心する。石神井さんの広告カッコ良すぎ(!)。

マン・レイスト石原さんより「第六回京都写真展」(ギャラリー・マロニエ、12月20日〜25日)などの案内状。石原さんも出品されている。おなじくマロニエで13日〜18日まで「散歩の条件/三つの写真レッスン」(井上明彦・戸矢崎満雄・長谷川直人)展の案内状が井上氏より。向井氏より『未来』12月号、塩山氏より『記録』、その他に古書目録も何種類か届いていたが、申し訳ない、省略。

Mさんより古書メール。《天神橋筋四丁目の幸文堂書店は来年2月で閉店とか。現在五割引のセール中です。以前から気になっていた『灰色の月』志賀直哉細川書店アンカットと『記憶の中の女』浅尾忠男書肆ユリイカを買ってきました。前者には「このカバアは、本のお手許に渡るまでの汚損を防ぐためのみのものでございます。お求めの上は、何卒お取捨て下さいまし。」とのメッセージのついたカバアがかかっています》、いつもながらいい本を買っておられる。


【ナベツマ・ジャンク《タイガーに乗換え》

 蘊蓄がやっとマックOS Xに移行すると決心した。きっかけはささいなこと。トルコで撮りだめしてきたデジカメ写真を、iBookに取り込んで整理し外付けハードディスクに移したのだが(もち作業したのはナベツマ)、それを自分のiMacに入れることができなかったため。ようするに、ナベツマの使っている外付けハードディスクは古いiMacには使えないらしい。というか、いい加減買い替えろよ!と叫び続けてもう1年。やっとその気になったので、気が変わらないうちにと思い、速攻でヨドバシのHPでネット注文し、翌日午後2時過ぎには到着。はやっ!

 まあ、iMac DV+という機種が出たのが2000年初秋で、かれこれ5年ちかく使ってる。定価148000円だったのを新機種発売目前の値下がりで、118000円で購入している、抜けめないねえ、はは(マックは元々値引きがほとんどない)。それにしても今回のiMacのプロセッサはG5、古いiMacはG3だ。ナベツマのiBookはG4だからその中間。驚くのはこの5年で、CPUが450MHzから2.1GHzに、内蔵のハードディスクの容量が20GBから250GBに、メインメモリーは64MBから512MBに、しかも最大2560MBまで増設できる・・。なんていう進歩なんだ、すごい!

photo by unchiku

 あとで判明したのだが、ナベツマの使っている外付けハードディスクは古いiMacでも使えるんだってさ、おほほ、後の祭り・・。
**ちなみに「タイガー」とはマックOSの名称で、OS X v10.4の呼び名。


2005年12月11日(日)凪なれど凪にはあらねど木枯らし


間村俊一さんの装幀本、大川渉『文士風狂録―青山光二が語る昭和の作家たち』(筑摩書房、二〇〇五年)を読む。ジャケットおよび表紙にウンチクの油彩画を使ってくれた。ジャケットの紙質が珍しい。キャンヴァス風な網目がある。内容は『ちくま』に連載されていた聞き書きに加筆したもの。織田作之助、太宰治、坂口安吾、林芙美子、田中英光、花田清輝、丹羽文雄、舟橋聖一、埴谷雄高、三島由紀夫、梅崎春生、色川武大、笹沢左保、木々高太郎、芝木好子、田宮虎彦について青山光二が語っているのをうまく補いながらまとめてある。戦後文壇における相関図の見えてくる好著。


みずのわ出版より新刊が届いていた。ウンチクの装幀本である。表紙のモチーフは四世紀のコプト織。著者は岡山大学文学部の教授。宮沢賢治を再読しながら幸福と死についてじっくり考えてみるのもいいかもしれない。詳しくはみずのわ編集室などを参照されたし。

旧知の翻訳家平岡忠氏よりiMacについていろいろご教示いただく。そろそろ買い換えを検討しているのだ。ついでといっては失礼だが、平岡氏の翻訳絵本『クリスマスをさがしに』が好評らしい。再版されたそうなので、時期的にも興味のある方はぜひ。

11月28日からデイリー・スムースにトルコ紀行を書き始めました。ご覧下さい。


2005年12月10日(土)乙子月おさまりきらぬ震えあり

11月28日からデイリー・スムースにトルコ紀行を書き始めました。ご覧下さい。

近代ナリコさんの新著『本と女の子』(河出書房新社、二〇〇五年)、風邪気味で横になっている間に読んでしまう。まずは、なんと言っても表紙がうつくしい。若き沢渡朔が撮った金子ユリ。本書の内容がここに象徴され尽くしている。中身を見るまでもなく、この表紙が好きなら「買い!」でしょ。光沢のコーティングも効果的。むろん内容も、山梨シルクセンター(サンリオ)、新書館、『私の部屋』、池坊の『新婦人』というある種異端的な出版媒体ばかりを狙い撃ち。聞きとり調査を基にした「もうひとつの出版史」になっている。たとえば、伊藤昭久氏の「ヤマナシ・ミニ・ブック」を小物の卸問屋に流したところ東販・日販から呼び出しをくらった、などという話は、そんな時代もあったのね、とあきれずにはいられない。このなんとも玉石混淆、聖俗併せ呑む雰囲気を楽しむだけでも1600円の価値はある。「近代のカオス」を堪能せよ。

 近代ナリコ『本と女の子』河出書房新社


2005年12月9日(金)大雪や闇の宝玉もちかえる

7日の昼過ぎに成田に戻る。トルコ時間午後六時過ぎにアタチュルク空港を離陸。漆黒の空間にイスタンブルの市街が宝玉を鏤めたように輝いていた。機内は、空席が目立ち、わりあいゆったりとはしていたが、12時間半のフライトは楽だったとは言えない。成田に着いたときにはトルコ時間午前七時、ほぼ徹夜状態だった。ノドがいがらっぽく、風邪気味になってしまった。年齢を感じる。というか、同行した六十代の人たちの方が元気そうだった。トルコ滞在中は例外的に暖かだったが、日本は寒気につつまれていて、向こうで使わなかった防寒服をすべて着用。そのまま直行で京都に戻る。

 とにかく寝る。8日もどうしても返事しなければならない急ぎの仕事を処理しただけで、あとは炬燵でダウン状態。本調子に戻るまでまだ数日かかりそうである。留守中にいただいた本の紹介やトルコ旅行記もぼちぼちアップしてゆく予定なのでしばしお待ちくだされ。