2004年12月25日(土)夜回りの拍子木 年の幕を引く
明日から帰郷します。正月2日までデイリー・スムースお休みです。皆様、すてきな年末年始をお迎えください。
赤ペン先生はとにかく終了して返送。年賀状の宛名書きに移る。が、全部は無理そうなので、残りは新年になってから。いずれにせよ、年賀くださった方にはお返事差し上げます。
クリスマスはやっぱり「スノーマン」を見て、まったり過ごすのが一番。しかし、夜八時から夜回り当番に当たっている。町内を一時間ほど「戸締まり用心、火の用心」チョン、チョン、と巡回。今年の仕事納め。

『彷書月刊』一月号、特集「はじまりの本」。期待通り「均一
vs 赤貧」対談にW(笑)の連続。グレゴリ青山さんの観察眼に今月も脱帽。《さすりたいけどさすらない》という手の表情がゼッピン。七痴庵さま、スムース文庫のご紹介ありがとうございます。野見山暁治『パリ・キュリイ病院』が弦書房から復刊か・・・。ずっと昔だが、野見山氏とある画廊で同席して、この小説の話になり、「よかったです。表紙のデッサンがとくに」などとチョー無礼な感想を述べたことを思い出した。野見山氏は苦笑していただけだった。苦笑するしかないよ、そりゃ、若造にそんなこと言われりゃ。
今日も赤ペン先生つづき。
ひと息して、映画「死ぬまでにしたい10のこと」(アルモドバル監督、カナダ、スペイン合作、2002)をBSの録画で見る。わが家は非衛生、もとい、非衛星TVなので、知人が録画してくれたもの。当然ながら、主演のサラ・ポーリーのためにあるような映画である。いいかんじに演じている。ま、あんまりうまく行きすぎ、ではあるが。アルモドバルでは「オール・アバウト・マイマザー」(1999)も見た。ペネロペ・クルスがチョイ役(妊娠した修道女)で出ていて、すっごい印象が強かった。彼女が日本のCFにまで出るようになるとは想像すらできなかったけどね。「死ぬまでに〜」はスペインのマニアックな監督がアメリカ大陸で撮るとこうなりますというひとつの典型だろう。う〜ん、69点か。
《ちょっと蘊蓄斉、絵文字使うのやめてってば! ということで、ナベツマです (**) 。
ヤフオク年納めの「デンマークのクリスマスシール2点」が到着。最初、これらクリスマスシールを見かけた時には「ん? あにこれ?」という疑問が沸々とわきあがりました。デンマーク在住の出品者に質問したら次のような回答がよせられました。『ご質問ありがとうございます。このクリスマスシールはこの時期に郵便局やコンビニなどで売られており、手紙や郵便物の切手の横に貼って送ります。そのシールの売り上げは、孤児院や恵まれない子どもたちへ寄付されています。デンマークでは1904年よりこのような活動が続けられているようです』・・・おおっ、せちがらい世の中でなんというええお話。ということで、歳末助け合いでもないが、蘊蓄斉へのクリスマスプレゼント合わせ技(DVD
& 本)として2点落札してみました。
さて、10月後半より「鍋道」に迷い込み、いまや「鍋マスター」を目指して精進しつづけるナベツマを、どうぞみなさま来年もよろしくお願いいたしまっす!》

みずのわ出版より美術エッセイ集の初校ゲラが届いた。ほぼ終日、赤ペン片手に読みふける。昔の文章が多いので、われながらけっこう面白いじゃないか、などと思ったりする。
『Rewind 1969-2004 東京古書組合南部支部創立35周年記念写真帖』(同支部発行)が届く。南部支部は銀座から世田谷まで広範囲にわたる古書店が参加している。ほぼ中央の五反田に南部古書会館がある。岡崎日記や南陀楼日記にしばしば出てくるあの五反田である。山王書房関口良雄のページがあるのが嬉しい。麥書房・堀内達夫の姿も、『彷書月刊』編集長田村治芳さんの若き日の黒髪も拝める。1000円。南部古書会館、電話03-3441-3975。
昭和28年、大森・山王書房(『Rewind 1969-2004』より)
『紙魚の手帳』30号。大貫伸樹氏責任編集「編集の現場より」。田中栞(『古本屋の女房』)、市川恵里(『古書修復の愉しみ』)、猪狩暢子(NHK出版)、田中亮介(成甲書房)、飛鳥勝幸(三省堂)、滝口富夫(八木書店)、恋塚嘉(八木書店)の各氏が寄稿。書籍編集の実際を語る。書肆アクセス、恵文社、りーち、プロジェット、その他で入手可。
恵文社といえば、冬の大古本市、賑わっているようだ。(まだまだ間に合います! 日月堂さんの印刷展示もあるよ!)
酒井実通男氏の「gallery
art book chair」から案内葉書。「CLASSIC MODERN POSTER」12月25日〜1月30日(目黒区下目黒3-16-5シャトレー関根1F 電話03-3794-6219)。1950〜70年代のマーグ画廊のポスター、およびムルロー工房で制作されたオリジナルポスターの展示即売。マーグ画廊というのはパリにある世界的な画商画廊だ。ここについては、ウンチクには一九八〇年十二月この画廊に絵を売り込みに行った苦い思い出が・・・。あるフランス人の社長が絵をもって行けと紹介してくれたのだ(その社長の娘婿の兄貴がアパートの隣に住んでいて親しくなった)。繁華街から少し離れたパリ市中にあった。アレシンスキーだったか、ミロの立体だったかが展示中で、ハナから場違いなのは火を見るよりも明らかだったが、紹介された手前、オーナーに会いたいと受付嬢に申し出て、アッサリ追い払われた。表向きは出張中ということだった。ベトナム難民と間違われるような風体だったから当然ではある。門前払いでよかったよ、今思えば。
『APIE』6号届く。イプセン「人形の家」特集。中川六平さんの例によってのクダ巻きが面白い。
ナベツマが街中まで買物に出かけ、クリスマスプレゼントを買って帰る。先日、見つからないとイラついていた「スノーマン」のDVD(12/4
参照)と『魅惑のコンタックスTシリーズ』(木世(えい)文庫、二〇〇三年)。わが愛機 CONTAX T3 を含むTシリーズが簡潔にしかも、イカすレイアウトで展開している。サンクスです(でも、まだまだナベを買い込む腹とみた)。
どこか憎めないファニ−フェイス、CONTAX T3
出版学会から「編集研究会」の案内が来る。1月21日(金)午後6時30分より、日本エディタースクール701教室にて、寺田博氏の「文芸編集者としての体験」というお話だそうだ。寺田氏は伝説の編集者である。河出書房新社の『文藝』、作品社の『作品』、福武書店の『海燕』というシブイ雑誌を作ってきた。先日の木村徳三氏によれば『文藝』は改造社の同名雑誌を買い取ったもの、また『作品』も小野松二の『作品』と重なるが、むろんまったく別の雑誌。『作品』、『海燕』はともに菊地信義のデザイン・構成である。近ければぜひとも聴講したいもの。一般参加も可(非会員1000円、予約電話03-5275-1086)
探していると『作品』創刊号(一九八〇年十一月一日)が出てきた。巻頭に井伏鱒二が《小野松二編輯の同人雑誌「作品」が創刊されたのは、紀伊国屋書店発行の同人雑誌「文藝都市」が廃刊になつた翌年ではなかつたかと思ふ。その前の年あたり、紀伊国屋書店の店頭で「文藝戦線」は一箇月に八十部売れ、「戦旗」は一日に百部売れてゐた。「文藝都市」が売れるのは、一箇月に七部か八部ぐらゐなものであつた》・・・と小野松二を中心とした『作品』の回想を綴っている(他の場所にも同じようなことを書いている)。むろん、ここで井伏の言う販売部数をうのみにしてはならない。が、当時、左翼雑誌と非左翼雑誌の売れ方の違いが如実だったことは間違いないだろう。『文藝都市』は一年半しかもたず、昭和四年八月号で終刊、十一月に『新文藝都市』が一冊出てお終いになった。『作品』の創刊は昭和五年四月だから井伏の記憶は正しい。井伏は昔語りとみせて、新『作品』の行方を危ぶんだかのように思われる。残念ながら《1巻1号(昭和55年11月)〜2巻5号(昭和56年5月)のち特別号を刊行》(カナブン)という結果に終わり、井伏の予感が的中した恰好となった。
『作品』創刊号、作品社、1980年11月 表紙・構成=菊地信義
ひょっとして今年最後のナベツマ通信。《それでも懲りないナベツマは、相変わらずヤフオクに毎夜打ち込んでいた。その成果あって、今回のゲット鍋はヴィンテージのソースパン2種、ル・クルーゼ16cm&クーザンス14cmである。以前このコラム?
で触れたこともある「クーザンス」とは何ざんす? という蘊蓄斉の突っ込みが聞こえてきそうであるが、それは蘊蓄斉のちなみにコーナーにおまかせしたい。お色は「ペールイエロー」と「パウダーブルー」。なかなか美しいお色とチャーミングなネーミングだわね(☆☆)。で、いずれも残念ながら蓋に2ヵ所ずつの「欠け」があり、それで今回まあまあ安く落札することができた。両方同時に持ち上げてみたら、ほんと鉄アレイとまごうばかりの重さ。1.5kgと1.8kgというのだから、これらを毎日使えば相当の鍛錬になることは「まちがいない!」、ちゃんちゃん(^^)》
ウンチクのちなみにコーナー。「クーザンス」というのはル・クルーゼの三つのブランドの一つである。他の二つは「ル・クルーゼ」と「スクリュピュル(ワインの栓抜きの意味、Screwpull)」。ちなみに、ル・クルーゼの本社工場のあるピカルディ地方アンズ県(フランス北部)の東方にはクーザンス=レ=フォルジュという中世頃からココット製造で有名な村も存在する(ロレーヌ地方ミューズ県)。

『間島一雄書店 間島保夫追悼文集』(間島保夫追悼文集刊行会、二〇〇四年)届く。ウンチクも寄稿。間島さんとは、そんなに親しかったというわけではないし、さほど本を買ったというわけでもないが、古書店としては一目置く存在だった。古書全般を扱っていたなかで、やはり印象に残るのは良質の詩書を常に在庫していたことだ。君本昌久、佐本進、小島輝正らと親交があったことをこの文集から教えられた。君本については『sumus』12号の扉野稿参照。ついでに言えば、佐本進の遺作集『天の劇場から』(風来舎、一九九一年)は「林哲夫装幀本」最初の一冊である。『間島保夫追悼文集』ご希望の方は「街の草」まで(〒660-0084
兵庫県尼崎市武庫川町2-29 電話06-6418-3511 matinokusa@ybb.ne.jp)。
『間島一雄書店 間島保夫追悼文集』間島保夫追悼文集刊行会、二〇〇四年
木村徳三『文芸編集者その跫音』読了。鎌倉文庫や目黒書店の様子がよく分かって貴重な文献。養徳社と庄野誠一についてもいろいろ教えられた。
2005年に「ドン・キホーテ」出版400年記念行事が世界各地で行われる予定だと、20日にマドリッドで発表された(AFP)。初版発行は1604年12月20日で、市販された書籍史上最初のベストセラーだと言われる。マドリッド、ダラス(アメリカ)、メキシコ、パリ、ブリュッセル、オラン(アルジェリア)、サント・ペテルスベルグ(ロシア)の各地で、展覧会、討論会、コンサート、劇の上演などが行われる予定。
来年九月に新潟「絵屋」で個展をすることが決定した。風景画を中心にする予定。
昨夜、寝る前に見た「情熱大陸」(TBS系)は面白かった。独立四年で予約のとれない鮨屋になった「あら輝」の荒木氏(38歳)が、師匠だった銀座「きよ田」の主人(もう引退している)を店に招いて渾身のニギリをその前に置く。師匠は若い頃の話ばかりしていて、そのスシを食べる気配すらない。中トロだったか、表面がだんだん乾いてくる。そのうち、徐々にニギリの話になり、師匠の手も握るカッコウに動いている。結局、弟子の作ったスシの「姿」が気に入らないのだ。小振りで、ネタが飯を包んでしまうような形である。家庭の主婦が作ったのなら、これでも許せるが、金は取れない、ピシャリと言う。弟子はくやし(うれし?)涙を拭う。予め、若い女性客たちが「おいし〜い」とか言いながらパクつくシーンを見せているので、師匠の仕打ちとの対照がいっそう効果的だった。
エンテツさんなら茶番と言うかもしれない。鮨ってそんなたいそうなものだったのか。しかしドラマとしては上出来だった。きよ田主人の迫力は相当なものだ。『ひかない魚――消えてしまった「きよ田」の鮨』(求龍堂、二〇〇一年)という本も出ているそうだ。
京都市立図書館へ。用あって『和漢三才図会』(平凡社、東洋文庫)を一冊だけ借り出す。東洋文庫の書名はざっとながめるだけで読書欲を誘う(全てを読む機会は決してないでしょうが)。帰宅すると『黄色い潜水艦』42号(イエローサブマリンクラブ)が届いている。中尾務さんの「うらやましいな、高木さんのお酒」、宇多滋樹さんの「泣く男、泣く女」読む。
今年は年賀状を木版画にしたので(例年はプリントゴッコ)、せっせと手摺り・手彩色する。
下は萩原健次郎さんが発行しておられる詩の雑誌。表紙4から3への折り返しが表紙1側へ廻って函のようになっているという工夫がステキだ。
『庭園別冊4』萩原健次郎、2004、造本・装幀=大野好之
事故後のナベツマ。
《傷心のナベツマはそれでもダメもとで郵便局へ連絡。すぐに苦情係が証拠品を見にやってきた。
(〒〒)「あっ、これですか、ひどいですねえ、でもよくあるんですよ、船便だと」
(**)
「よよよ」と茫然自失を装う。
(〒〒)「補償、出ますよー。でも、これヴァリューの欄に$20とありますけど・・・」
(**) 「送り主が関税かけられたらいけないとかで安く書いたと言ってました。実際は100カナダドル」
(〒〒)「まあそれは無理ですねえ」
(**) 「このくらいのキズだと何パーセントほど補償がでるんですか? ちょこっと?」
(〒〒)「いえ、これは全損ですから、全部出ます。でも全額補償される場合はこのお鍋をこちらで引き取ることになりますけど」
(**) 「えーっ、傷つけられて、1800円もらって泣き寝入りですかあああ!!!」
(〒〒)「いやあ、それじゃあんまりなんで、この場合はお鍋もっててもらっていいですよ」
(**) 「ウッウッ、えっえっ」(嗚咽で声がかすれる嘘泣きのドン・ナベツーマ)
(〒〒)「じゃあ、この書類にサインとハンコお願いします」というので、計6枚もの書類に記入を行なう。
(〒〒)「もうほとんど忘れた頃に補償でますからねえ、待っててくださいねー!」
(**)
『フン、忘れた頃ってどのくらいやねん!?』と心の中でつぶやいたナベツマだった。》
昨日の午後は梅田へ出た。久しぶりにかっぱ横丁の古書街をのぞいた。梁山泊の百円均一に中村真一郎がまとめて放出されていた。大西巨人『神聖喜劇』(光文社、一九八〇年、栃折久美子装幀)の第四巻と第五巻を抱えてしまったので思いとどまる。高見順の詩集『わが埋葬』(思潮社、一九六五年)、書込アリ、函イタミで100円。黒い函に銀色がかった文字がカッコイイ。装幀者の記載はない。これは薄い本なのでゲット(状態が良ければ3〜4千円らしい)。
高見順『わが埋葬』思潮社、1965(函・本体)
加藤京文堂も勉強のためにのぞく。通路側のショーケースに稲垣足穂『第三半球物語』(金星堂、一九二七年)が。25万円。店内奧のケースに『工芸』96号が3万円で出ていた。木版二葉と説明にある(昨日、手摺版画と書いた「初夏の風」は写真版でした、訂正します)。むろん状態はかなり良かった。さすがだ。ご主人がおられたが、グレゴリー青山さんの漫画に出てくるキャラにそっくりだった。
ヨドバシカメラで、ナベツマに命じられたiBook用のAir Mac Extreme ベースステーションを買った。クリスマス前でiPodが飛ぶように売れているらしくレジはかなり混雑していた。思わず「アイポッドください!」と言いそうになったが、ナベツマに叱られるので、ぐっと抑え「スライムください。あ、じゃなかった、ベースステーションください」。多少ゴタゴタしたものの、なんとか無事購入。要するに、ナベ入札のときにスムーズにパソコンが動くよう無線LANを強化しようということなのだ。やれやれ。
【ナベツマの“ちなみに”コーナー。「スライム」はアップル愛好者の間で使われるニックネームでベースステーションのこと。形がドラゴンクエストに出てくるモンスター「スライム」に似ているから。他に、液晶iMacの半球形の本体が「大福」、透明カバー付きのマウスが「水まんじゅう」、どちらも見たまんま。ちなみに2ちゃんねる用語では、ヨドバシカメラを「淀」、ソフマップを「祖父」と略記する】
「スライム」の入った袋を下げて阪急ブックファーストの並びにあるイーマ・ビルの地下二階の串カツ屋へ。平居謙君言い出しの忘年会に参加。萩原健次郎さん、村岡真澄さんはよく存じ上げている。寺田操さんは『BOOKISH』、『アピエ』、『coto』でご一緒しているが、初めて。「あなたが林さんですか? ナベツマ読みましたよ、ほっほっほほほ」・・・。高階杞一さんは阿瀧康さんが送ってくれる『ガーネット』の主宰者で、やはり初めてお会いする。その他の若い人たちはまったく知らない顔ばかり。ほとんど全員、詩を書く(アナおそろしや〜)。萩原さんに、夏目美知子さんの詩集『朗読の日』(編集工房ノア、二〇〇四年)の装幀を誉めていただく。けっこう思い通りにできたジャケットだったので単純に喜ぶ。九時過ぎまで賑やかに、二次会の途中で引き揚げた。
夏目美知子『朗読の日』編集工房ノア、2004、装幀=林哲夫 写真=ナベツマ
怒りのナベツマ通信。《とうとうというか、約1ヶ月かかってフィネルの鍋がカナダから到着した。余りの嬉しさに「フィネルが来た!
フィネルが来た!」と大喜びして、枕元に置いて眠った。翌朝、段ボールの空箱を片付けようとしてふと見ると「あれ? 穴が開いてる」。箱の中に点々と赤いエナメルの破片が・・・。さらに鍋を包んであったビニール袋の中にも落ちている。やられた。慌てて鍋を点検すると、なんと片方の取手の付根にエナメル剥げが!!!(しかも2ヵ所)。もうたまらなくハゲしく動揺!!! 郵送途中のいづこかで何かが突っ込んだようだ。悲しいやら、頭にくるやら、思いっきり何かに向かって叫びたくなった!
「二度と買わねー!」じゃなかった「今度は航空便にするぞー!」》

午前中に恵文社へ古本を搬入する。妻とミカンも同行。能邨さんがいたので、しばらく犬猫談義。古本市は21日、午前10時スタート(1月3日まで、元旦休み)。すむーす堂ですから、そんなにスゴイ本はありませんが、安値にしてます。ひやかしがてら、お運びください。『ミカン ア・ラ・モード』、「P-BOOK」も販売します。正直、早い者勝ちです。
恵文社で『Arne(アルネ)』10号を買う。村上春樹の自宅訪問記事あり。書斎から台所まで50点以上の写真で構成されている。優雅ではあるが、案外、質素な雰囲気だ。一枚の写真に赤い鍋が写っていたので、ナベツマに見せると、ちょっとムッとした。「これはフィネルだわネ。えーッ、生ゴミ入れですって! 許せない」
いつものタケリア・パチャンガが12時からの営業になっていたので、時間つぶしに京大北側のシサム工房を覗く。途中、福田屋書店の百円均一で岩田潔『俳句静思』(臼井書房、一九四六年)と宮本常一『村里を行く』(三国書房、女性叢書、一九四三年)を拾う。『村里を行く』は宮本の単行本としては初期のもののようだ(著作集では第25巻に収録)。
昭和17年に『民間暦』(六人社)、18年に女性叢書としてもう一冊『家郷の訓』を出している。シサム工房の前に車を停め、朝から乗りっぱなしのミカンを散歩させる。百万遍交差点方面へ。吉岡書店の平台でモーガン『泉』(白水社、新しい世界の文学、小佐井伸二訳、一九六四年、装幀=北園克衛)を発見。ミカンを街路樹につなぎ、購入。パチャンガへ戻って昼食。
山崎書店へ。先日のJリーグ優勝決定戦、浦和vs横浜で、後半37分から出場したマリノスの山崎選手は山崎さんの甥子さんだ。延長戦でシュートを放ったとき、山崎家は「ヤッター!
バンザイ」状態だったとか(惜しくも外れた)。玄関先に『工芸』(日本民芸協会)96号が無造作に放り出してあった。川上澄生特集号。値段票を見ると「20,000円」、ああ、それぐらいするのか、手摺・手彩色の口絵があるしね、と思いつつ、目をこすった。あれ?
2,000円・・・。なるほど「落丁」と小さく書いてある。じっくりページをめくって行くと、図版のうち「初夏の風」、そして川上のエッセイ「私」が二枚分、計三枚が破り取られている。でも、買うでしょう。ちなみに、『工芸』96号(昭和十四年五月十五日発行)を「日本の古本屋」で探してみると、中野書店さんが39,900円で出品していた。他の号はおおむね一万円〜二万円だが、やはり川上人気だろう。
『工芸』96号表紙(左)と口絵木版画「鹿と狩人」
帰宅すると、マン・レイ石原さんより『研究紀要おいでるみん』17号(資生堂企業資料館、二〇〇四年)が届いている。マン・レイ展の総括など文化活動、研究活動の年次報告書で、石原氏の寄稿もある。資生堂の唐草についての論考(山形季央)も。深謝です。
編集工房ノアの新刊、佐伯敏光『人生への初恋』も届いている。表紙画=林哲夫。佐伯氏は『VIKING』の発行人である。
佐伯敏光『人生への初恋』編集工房ノア、2004年、表紙画=林哲夫
『日本古書通信』905号届く。長谷川利行と前田夕暮の関係を述べた山田吉郎氏の論考を面白く読んだ。長谷川の自由律短歌が幾つか紹介されている。「ガソリン配給所の若い女が、腰をかがめてホースを一直線にのばしてゐる(天城越え)」「何となしに憂鬱になつて、自画像の前で赤い蜜柑の汁を舐めてゐる、深夜」。そのまんまじゃないか、ひねらんかい、と思う一方で、じつは絵の方もこういう素直な観察に基づく作品なんだナ、と納得するところもあった。フォーブのスタイルはいわば「虚勢」だ。
川島氏の連載、得意の漱石である。漱石は「漱石」と署名していないというので驚く(識語にはある)。「著者」がほとんど、「金之助」もごく少数とか。漱石の小型本がずっと等閑視されてきたが、最近、値上がりしており、『硝子戸の中』(岩波書店、一九一五年)の人気が高いとのこと。初刊本で、かつ漱石の装幀本である。架蔵本は九版。
『硝子戸の中』九版、1917年、函と表紙(夏目漱石装幀)
目録ページの方も各店かなりリキが入っている様子だ。青猫書房がシブイ目録を出している。しかし森井書店の草稿類には目が引きつけられた。安部公房から始まって、開高健、川崎長太郎、寺山修司、志賀直哉、横光利一、芥川、川端はもとより、堀辰雄「鳥料理」200字45枚が367万5千円(!)、ふう。しかし、ウンチク的には、洲之内徹の「流氓」138枚、682,500円、に釘付けになる。七夕の目録には「雨の多い春」93枚20万円、「ルポルタージュ妙義演習場」31枚20万円が出ていたが・・・。こういうものが欲しくなるのは、まったく困りものだ。
ため息を吐きながらその紙面を眺めていると、電話が鳴った。見知らぬ男性が『ARE』洲之内徹特集号を欲しいという。ネット検索でヒットしたらしい。素晴らしいタイミングに脱帽して、余分がちょうど一冊だけあったので送ることにする。
西村氏より佐野装幀本の新収品と「「銀座百点」創刊600号記念展」(松坂屋・銀座、終了)チラシ届く。佐野が装幀を担当していた時期があるので、相当期待して出かけたらしいが、《現物はなく表紙を印刷パネルにしたものを並べていました》とのこと。英語版の「THE
GINZA BOOK」臨時増刊も佐野装幀だ。《捜します》の一言が頼もしい。
恵文社冬の大古本市に出品する本の用意。本をリストアップしてスリップを作り、それを挟んで箱詰めする。終日。ほぼ終わる。荷物の中から串田孫一『風の中の詩』(集英社文庫、一九八一年)が出てきた。表紙が気に入ったので本棚へ戻す。
串田孫一『風の中の詩』集英社文庫、1981年、カバー=串田孫一
郵便ポストの投函口が年賀状とそれ以外に分けられていてギョッとする。投函してから気づいた。
谷崎精二『放浪の作家』読了。葛西善蔵の生涯を友人として描いている。評伝としては不出来だとしても、実際に親しく接していただけに逸話が実にリアル。葛西の代表作「子を連れて」に、香典返しにもらったお茶の缶が凹んでいてショックを受ける印象的な描写があるが、これは谷崎の母が亡くなったときの実話だそうだ。また、息を引き取るときの様子も痛々しい。《「おい、どうした?」/葛西の様子が変なので、筆者はそう云って彼のベッドに近づいた。彼は半無意識で指を伸ばし、「切符、切符。」と呟いた。これが臨終の言葉であった。おそらく彼は碇ケ関村までの切符を買って郷里へ引揚げる望みを最後まで捨てなかったのだらう。》
先日、今年は忌中葉書が多いという話をした。岡崎日記にも同じような感想があった。そんなとき、『ARE』のメンバーだった平居謙君より電話があった。忘年会の誘いだったが、そのなかで、木内寛子さんが亡くなったということを教えられ、愕然とした。昨年、彼女の詩集『木を抱く』(ドット・ウィザード)を装幀したばかりだった。あれが遺作になったのだろうか・・・。いまひとつ装幀の出来に納得できなかったのが悔やまれる。ご冥福をお祈りしたい。
詩集『木を抱く』ドット・ウィザード、2003年 装幀=林哲夫
2004年12月14日(火)初霜にフロントガラスのアホやバカ *今年は初霜が一ヶ月近く遅れたという
恵文社冬の大古本市に出品する本の用意。本をリストアップしてスリップを作り、それを挟んで箱詰めする。当たり前ながら、古本屋さんはいつもこれに類することをやっていると思うと頭が下がる(セドロー日記が分かりやすい例だ)。嫌いな作業ではないが、年中やりたいとは思わない。惰性でやっていると、買値を無視して300円均一みたいになってしまう。ときおり、ふと、「これはひょっとして」と思い、「日本の古本屋」でチェックしたりして、めったに予想を上回ることはないが、今日はまさかの一冊にびっくり。一分ほど思案して、その半額にする。
萩書房より、石塚友二『虚実方寸』(甲鳥書林、一九四一年)と木村徳三『文芸編集者その跫音』(TBSブリタニカ、一九八二年)届く。木村氏は以前、鎌倉文庫に入社したときの記事を引用した(7/23)。雑誌『人間』の編集長を勤めた人物。戦前は改造社の『文芸』の編集部にいた。先日、M岡さんから『文芸』(文藝)のタイトル文字は誰の作でしょうか? という質問をいただいたが、分かりません。木村氏も記していない。例えば、『改造』(改造社、一九一九年四月創刊)の文字は石井柏亭デザインだったが、『解放』(大鐙閣、一九一九年六月創刊)の文字を頼まれた鍋井克之がデカデカとタイトルを表紙に配したところ、『改造』が真似をしてすぐに文字を大きくした、そう鍋井が回想している。タイトル文字は大事だよ。
石塚友二『虚実方寸』より一句、「覚めおれば寒さのはてにきしむ家」、同感だなあ。横光利一の序文にこうある。《石塚氏の作品はこれすべて忍苦、人に勝ことを目的としてゐる俗情がない。残酷無惨に人に負けることを願ふ、この非凡な心境こそ何ものよりも氏の恐るべき資質である。》・・・ヒロシの自虐ネタみたいなものか。
井上明彦さんの写真展「Parallel」がギャラリー・マロニエ(河原町通四条上る東側)で今日から19日まで。パラレルというかツインズというかんじのペアになった物体などをカッコよく撮っておられます。
木村徳三『文芸編集者その跫音』TBSブリタニカ、1982年、表紙画は須田国太郎(『人間』創刊号の表紙画)
ナベツマ通信(ああ、とうとうトップを取られた)。《過日、蘊蓄斉が手ぶらで帰宅し、ナベツマが思いっきりヘソを曲げた結果、増えたのは「なべ」でなく「スキレット」であった。ヤフオクで先週末落札し、本日我家に到着。レモンイエローという珍しいお色。ル・クルーゼのほんまもんヴィンテージ(底に刻印はないが、ナベツマ調べによると同様な色と底のスキレットは60年代に製造されていたらしい)。う〜ん、すてきだ! 頭に来て入札、という不純な動機にも関わらず、ブツは上等品。これから冬にかけてナベツマはタルトタタンをよく作る。このスキレットだと、りんごを煮て、上にタルト生地をのせ、そのままオーブンに入れてOK。おおっよだれが・・・。
ところで、最近会う人ごとに「そんなに鍋買ってどうするんですか!?」と尋ねられてしまう。まだ5ヶしか買ってないのにぃ(しかも1ヶはまだ太平洋の上)。で、こう言われると「フン、もっと買うわよ!」と天邪鬼になってしまうのには、本人も困っているのだ。さあみなさん、もっと買わせてあげなさい!
と蘊蓄斉に進言してね。そうすれば・・・・。》

蘊蓄斎の“ちなみにコーナー”。ちなみに「スキレット skillet 」というのは米国ではフライパンのことで、英国では柄付のシチュー鍋のこと。《1.See
frying pan. See Regional Notes at andiron, frying pan. 2.Chiefly
British A long-handled stewing pan or saucepan sometimes having
legs.》、語源《Middle English skelet, from Old French escuelete,
diminutive of escuele, plate, from Latin scutella, diminutive
of scutra, platter 》(The American Heritage Dictionary
of the English Language, Fourth Edition. Copyright 2000
by Houghton Mifflin Company.)
古書現世『逍遙』64号届く。今回は一口物(同一人物の蔵書処分品)が巻頭に280点以上あり、いつもの逍遙じゃない。けっこう迷ってしまった。『本の手帖』の美味しいところが10冊、各800〜1000円は安いだろう。「店番日記」も今回はしんみりさせると思いきや、最後の最後に落としてくれるじゃないか。前号の人気商品(注文重複本)に『バラの回想』(文藝春秋、二〇〇〇年)が4人で同点3着入賞。これはウンチクが入手したもの。サン・テグジュペリの妻コンスエロの回想。『星の王子さま』に登場するバラのモデル・・・だとコンスエロ自身が主張しているが、どうだかなあ。そういう面もたしかにある。だが、ウンチクは母親の占める割合が大きいという気がする。この本からも母の息子アントワーヌに対する溺愛ぶりがうかがえるのだ。
海月書林さんより『海月書林の古本案内』(ピエ・ブックス、二〇〇四年)いただく。じ、じつは、一昨日カロさんで買ったのでした。でも有り難く。このテイスト、古本の世界がパアーッと明るく(少々シブク)広がります。nakabanさんのコラージュもサイコーなり。「海月どら焼き」というのをぜひ食してみたい。ちなみに関西では「どら焼き」とは言わず「三笠」と称する。美味でございまする〜。
市川慎子『海月書林の古本案内』ピエ・ブックス、2004年、装幀=きりん果
昨日のハナヲ「おお、これがうわさのナベツマかあ〜、見上げるオイラもあきれ顔」
大阪の豊能郡豊能町立図書館が「大阪散歩」というシリーズ講座をやっておられるが、その第五弾として「古本散歩」という話をすることになり、昼前から出発。阪急宝塚線の川西能勢口から能勢電鉄に乗り換えて三十分弱、ときわ台という駅で降りる。ウンチク宅から二時間ほどかかった。新興住宅地の中に真新しい図書館が建っている。近隣には古本屋はもちろんブックオフや大きな新刊書店もないそうなので、図書館は繁盛(?)しているらしい。二十数名の参加者の前で、古本の見所と古本散歩の要領について二時間余りしゃべる。
先日(12/7)山本からもらった桑島玄二『現代小説の十年』が、まったく奇遇にも、豊能郡大里の詩画工房で発行されているという話を最後のシメにもってきたら、かなりウケた。図書館にも詩画工房の出版物が所蔵されており、『現代小説の十年』はなかったが、主に能勢の郷土関係の本を出しているようだった。
ということで幻堂百年祭には欠席。にとべさんの絵日記に写真入りで紹介されているので参照されたし。対談中から出来上がっているかんじなのが、いかにも幻堂さんのイヴェントらしい。
豊能町から梅田へ出て、カロさんへ。スムース文庫、「ミカン ア・ラ・モ」の納品、六月に「読む人」の個展(6/6〜6/11)をやらせてもらうので、その予約をする。ついでに石内都さんの講演会(1/15)への参加予約も。ナベツマが先に来ていて、カロHPの人気者ハナヲ君に対面し、感激ひとしお(ウンチクが到着したときにはもうご帰宅されていました)。トイレの「R.MUTT」シールも確認。ビルのお掃除おじさんに二度も剥がされたといういわくつき。カロさんたちに教えていただいた近所のレストランを廻り、二軒ほど満席で断られた後、Porta
Nuova ポルタヌオーヴァというピッツアリアでスパゲッテイ、ピッツアなど。久しぶりでイタリア風のピザ(マルゲリータです)を食べて満足(外食も久しぶり、ナベ買いのために緊縮財政なのだ・・・とほほ)。帰宅すると疲れ果ててバッタリ。
落書きじゃないですから〜、残念!
幻堂百年祭いよいよ明日、南陀楼綾繁登場です。遠藤哲夫さんも見られるぞ(!)
「P-BOOK」を注文してくださったS松さんが、ウンチクの発句に対する付句を案じてくださった。風流ですなあ。
寒朝に旧書の背割なぞり居る 蘊蓄
年ふりまさる硝子戸の雨 S松
綴じ糸のほつれも寒し乱草 蘊蓄
如何に繕わむ魚眠洞随筆 S松
くせ表紙定まりがたく隙間風 蘊蓄
季節忘れし野分かな S松
石塚友二の随筆集『春立つ日』(光風社書店、一九七三年)届く。代表句「金借るべう汗し廻りし身の疲れ」には《無茶に始まり、無謀に只管糊塗を以て遣り過す形となった出版の仕事は、印刷屋、製本屋の寛大さにも拘らず、不義理の積り重なるばかりであった。》というような注釈が付いている。文章もいい。ゆっくり読みたい本だ。ちなみに、昨日の十字屋書店、『古本年鑑1935』年版には《十字屋 神田区神保町1ノ7 専門雑誌》と出ている。
石塚友二『春立つ日』光風社書店、1973年、装幀=難波惇郎
ナベツマ通信。《2ちゃんねるの掲示板では「ル・クルーゼはどこで安く買えるか?」ということが何度か話題になっている。ヤフーオークションを除くと、一般的なのはネットのショップ、平均10%から30%引きになる(消費税に加えて送料が必要)。次は、郊外型の大型スーパー「ジャスコ」「サティ」「ヨーカドー」などなど。なかでも、本国おフランスから出店している各地の「カルフール」では、年に1〜2回は半額セールというのがあるらしい。どう見ても日本人には見えない(つまりフランス人風の)あんちゃんが、流暢な日本語で「安いよ、安いよ、ルクルーゼのお鍋、ちょっと奥さん!」なんて声を張り上げながら売ってるんですと。これじゃ高級鍋も形無しだわ。でも、一度、見てみたい気も・・・》
EDIより《12月発行予定の『サンパン』が、大幅に遅れております。締切日にキチンとご入稿下さった多くのご執筆者各位には、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げる次第です。●最終原稿を入手次第、24日に印刷所に入稿、年明けに印刷、来年1月15日には、納品して貰う段取りで只今進行中です。なお、1月16日(日)─18日(火)に、東京古書会館で開催の第4回『アンダーグラウンド・ブック・カフェ』に、「EDIブース」(地下ホール)を出店いたしますので、その初日には、何としても間に合わせたく思っております》・・・お近くの方はぜひ!
中野書店さんより《明けて1月、地下室の古書店番外編をやることになりました。左翼系のドキュメンタリー映画を中心に、関連の書籍を周囲にはべらすというなんだか懐かしくなるような試みです。お時間があれば、いらしてください》、いろいろアイデアが出ますねえ。
その中野書店の『古本倶楽部』162号に十字屋書店版『檸檬』(再版、昭和15)が31,500円で出ている。先月のデイリー・スムース(10/16//10/10)でも触れたが、初刊本(武蔵野書院、昭和六年)と同じ紙型。武蔵野書院の前田武が十字屋書店版でも発行人になっている(筑摩版新全集書誌による)。ところが『石塚友二伝』144頁によれば、《友二の友人に神田の古書店十字屋の主人がいた。主人の酒井嘉吉は古書店一誠堂初代宇吉の弟で同じ神保町の大通りに店があった。昭和九、十年に出版された『宮沢賢治全集』全三巻の古書相場が徐々に値上がりしているのに目をつけ、版元の文圃堂から型紙を譲り受けて再刊を目論んでいた》ということだ。『檸檬』の発行人前田武はどういう理由によるものだろうか? また、文圃堂版賢治全集が出る以前、友二もいた書物展望社の岡村政司(後、創元社社員)が編集して賢治全集発行を企画していたが、実現しなかったという経緯があった(横光利一の推薦だった)。友二は、草野心平を十字屋の主人に引き合わせ、十字屋書店版賢治全集の発行をうながし、校正も手伝ったということである。いろいろなところで活躍している人物だ。
『扶桑書房古書目録』73号届く。雑誌『作品』の全揃いを扶桑さんが入手したという極秘情報(?)が入っていたので、期待したが、ここには出ていなかった。
覚えていらっしゃる読者がおられるかどうか、以前、この日記で書評家「狐」の名前を明かしたことがあった。ある人から本人がいやがっているそうですよ(むろんこのデイリー・スムースを読んでではなく、名前を知られることを嫌がっているという意味)、と注意されて削除した。最新刊の『本とコンピュータ』冬号が「日本人の読書習慣 消えたのか? 変わったのか?」という特集を組んでいるなかに、狐氏が「書評に「名前」なんか要るでしょうか」という文章を執筆していて、どうして狐氏が匿名に拘るのか、よく分かったような気がした。
《書評は伝達者だと思う。肝心なのは、本を閉ざして自己主張することではなく、本を開いて、そこに書かれていることを伝えることのはずです。(中略)/もしも伝えるべきことがうまく、十全に、いきいきと読者のもとに届いたならば、それは書評者にとっての幸せというものでしょう。/そしてそのとき、書評文からは評者の名前などきれいに消えて、どこを探してもみあたらないはずなのです。それで、それだけでいいのです。》
拘りはよく分かったが、ただし、書評は内容紹介だから匿名でいいという理屈にはいまひとつ頷けない。
もう一点気になったところ、巻頭の加藤秀俊、関川夏央、中沢けい、佐藤健二各氏による座談中、中沢氏の戦前は《電車で本を読むのは変わり者だったんでしょう》という発言をうけて、加藤氏が《それは、持ち歩いて読める文庫や新書がまだなかったからです。岩波文庫ができたのが昭和二年ですからね》(p18)と続けているが、おい、おい、何をおっしゃるウサギさんではないか。岩波文庫が文庫のはじまりではないよ。文庫より小さい袖珍本は江戸時代からあったし、明治末頃には立川文庫その他の小型本が大流行したじゃないか。他の出席者も突っ込めよ、と突っ込んでしまった。座談を編集した人は加藤氏に真意を補ってもらうべきだった。このままだと、ただの無知ということになってしまう。
さらに、これは個人的なこと。「ビジネスマンはいま、どんな本を読んでいるか」という座談会に石井伸介氏(『プレジデント』副編集長)が出席している。以前、出版記念会のような席でお会いしたとき、氏は拙著のファンですと言いつつ『喫茶店の時代』を取り出して見せた。奇特な人もいるもんだと思ったが、この『本コ』の人物紹介欄を読んでスッキリ納得。《「〜の文化史」と題した本に弱い》とのこと。
『橋』18号届く。小沢信男さんの生徒さんたちが出している文芸同人誌(橋の会=船橋市金杉台2-2-24-101松本仕郎方)。終刊号。巻末に小沢さんがシビレること書いている。《小学校の頃から小説が好きな、いやらしいガキでした》あるいは《読むというのは、作品を演奏するようなものだ》とか、名言だ。小説に限らず本を読むガキなんて、やっぱりどうかしてると思う。『本コ』では清水真砂子氏が《子どものときから本によって幾度も幾度も救われながら》と発言しておられるが、本に救われなければならない子供というのが要するに《いやらしいガキ》なんじゃないか。清水氏と対談している堀江敏幸氏は《つながろうとして本をよんでいるんだ、という思いをぼくは消したくないんです》と言う。「つながる」という表現は《作品を演奏する》につながるのかもしれない。
谷崎精二『放浪の作家』現代社、1955年、装幀=桑畑義博
湯川書房で山本と落ち合う。スムース文庫を渡す。桑島玄二『現代小説の十年』(詩画工房、一九九〇年)と谷崎精二『放浪の作家』(現代社現代新書、一九五五年)をもらう。先月末の上京の話題が出る。岡崎邸地下書庫での文庫対談には、『彷書月刊』の田村さんと皆川氏も参加したので、けっこうまじめな内容になったそうだ。ゲラのときにギャグを追加したとのこと。待ち遠しいね。また、岡崎、南陀楼はともに来年になると著書が次々に出版されるらしい。「均一小僧の古本購入日誌」も彷徨舎が自ら単行本として出版することに決定したようなので、これが出れば岡崎新刊4冊になるらしい。売れっ子だなあ。まずは1月のちくま文庫新刊が楽しみだ。山本にも「古本泣き笑い日記」を定期的に更新するようにすすめる。
尚学堂を覗いて、寺町三条上のギャラリー・ヒルゲートで「第2回池袋モンパルナスとその周辺」展(〜12月19日)を見る。松本竣介、野田英夫、村山槐多、靉光、古茂田守介、野見山暁治、長谷川利行、木村荘八、内田巌、金山康喜、吉岡憲など、信濃デッサン館主・窪島コレクションからの展示。一部は非売だが、大多数は販売している。野田英夫のペン水彩スケッチ(ハガキ大くらい)は350万円付いていた。竣介のデッサン(非売)が良かったなあ。
山本と別れ、高瀬川沿いにあるという洋菓子店キルフェボンを探す。東京のN氏ご推薦の店で、支店は全国にある。ナベツマも一度買ってみたかったという。ところが、ツマの指示した場所に存在せず、三条から南側ばかりウロウロして、人に訊いても分からず、公衆電話は見あたらず(ケイタイは所有せず)、あきらめて手ぶらで帰宅。す、すると、オヤツをヒジョーに楽しみに待っていたツマは、怒り狂ってホーロー鍋を手当たりしだいに放り投げ・・・るわけはないが、すっかりツムジを曲げてしまった。そして、やおら、iBookの蓋をパチンと開き、ebayの画面をあちらこちらサーフィンしているかと思うと、ダンスク鍋に、ルクルーゼのフライパンにと、つぎつぎ入札を始めたのである。電話を探す努力を怠ったばかりに、ああ、また、ナベが増えてゆく。
『未来』12月号「追悼ジャック・デリダ」。向井氏連載は最終回「古書現世」。父上の経歴がステキだ(※セドローくんの真似)。高度成長時代を背景とした大河古本小説が書けそうではないか。
『ちょうちょぼっこ図書目録』2号届く。映画のおすすめもいい趣味してます。
下図は桑島玄二『現代小説の十年』の表紙画「十二段家書房之図/大阪南区ナンバ駅前北/御堂筋溝の側東入」(サインは「寅造」)。《本を買うと、高級和紙でぐるぐるっと巻いてくれた。ショーウインドには新刊詩集が一冊さりげなく置いてあったりした。詩集もあの頃は値打ちがあったものだ。この書店は空襲で焼失してしまい、戦後は京都祇園でお茶漬屋を始めた》と桑島は「あとがき」に書いている。湯川さんもよくご存じで、京都に移ってから、主人(西垣光温)の話を大阪の読書人たちが集まって聞いたことがあったという。「内容はすっかり忘れてしもたけど・・・」。お茶漬屋は今も盛業中。なお、十二段家書房については、高橋輝次氏の創元社HPでの連載「古書往来」にかなり詳しく語られている。それによれば、オッサン堂(『sumus』3号参照)が開店に協力し、スムース文庫『一読書人の日記』にも登場しているそうだ(気づかなかった!)。
十二段家書房之図/大阪南区ナンバ駅前北/御堂筋溝の側東入
スムース文庫、どうにか初期発送分はおおよそ荷造りを終わる。同人と執筆関係者には、本日発送する。その他は予定通り明日の発送になりますので、しばらくお待ち下さい。
『石塚友二伝』つづき。友二経営の沙羅書店は、先日から話題の西村晋一の本も出している。『演劇の明暗』(一九三七年)。《文芸春秋社で広告部長や「オール読物」の編集長をつとめ、東宝に入社している西村晋一の随筆集『演劇の明暗』の出版も手がけた。この年、友二は西村から廻してもらった切符で柄にもなく宝塚少女歌劇の東京公演を見に行った。男役スターの葦原邦子、小夜福子、春日野八千代、神代錦らをはじめ、桜緋沙子、天津乙女、雲野かよ子らの華やかな舞台を熱狂的なファンのかげにかくれて批評家のような目差しで注視した。そして鞭のようにしなやかな桜緋沙子を詠み込んだ俳句を作ろうとして長時間苦しんだ。また西村のすすめで東宝の演劇雑誌に劇評めいた雑文を書いた。》・・・おもしろい。
葦原邦子は言うまでもなく中原淳一夫人で、戦後も長らく映画、TVで活躍した。小夜福子も戦後は映画女優として数多くの作品に出演している。春日野八千代は宝塚の理事。天津乙女(あまつおとめ)はバラの名前として現在も親しまれているらしい。ただ、残念ながら、友二が惹かれたという「桜緋沙子」がどういう女優(宝塚では「生徒」と呼ぶ)なのか、今すぐには分からない。
谷崎潤一郎は昭和七年に発表した「私の見た大阪及び大阪人」というエッセイで、天津乙女、紅千鶴、草笛美子などという当時の宝塚スターの芸名を「大阪式のイヤ味の典型」としてやり玉に挙げている(デイリー・スムース9/10参照)。東京人には違和感があったんだろう。たしかに、駄洒落っぽい名前ばかりだ。大空カオリ、花沢花子、波野タイコ、磯野舟、磯野ワカメ・・・なんていう命名は宝塚のもじりでは?
谷崎の批判に対して大阪の画家で随筆家の鍋井克之が反論している。記憶に残りやすい芸名を付けるのが大阪式だ、例えば、東京の大衆的なおしるこ屋は「三好野」だけれども、大阪の「びっくりぜんざい」と比べたらその違いがはっきり分かる、と。今日でも、東京では「マック」とか「モス」というが、関西では「マクド」とか「モスバ」(しかもこれを平坦なアクセントで発音する)と称する。遺伝子は水よりも濃いか?
ナベツマがル・クルーゼ鍋(オレンジ)でおでんを作る。おお、さすがと言うべきか、確実にひと味違う。大根などはすてきな仕上がりだ。でも、一つか二つあれば十分だけどねえ。
ひらりと一枚の写真が出てきた。児童文学集『月夜に森の中では』前田出版社刊。ここには伊達得夫がしばらく勤め、『二十歳のエチュード』初版を手がけていた。ただしこの本は昭和23年6月発行だから、伊達が「書肆ユリイカ」の看板を掲げた後になる。『1914年ヒコーキ野郎のフランス便り』の編者・築添正生さんのお宅で、バロン滋野らの絵葉書を初めて見せていただいたときに撮ったもの。表紙が取れて、見えているのは口絵。作者は富(?)木秀夫。文庫が完成したときに、ひょっこり現れるというのも不思議だ。
宇野浩二他『月夜に森の中では』前田出版社、1948年
早朝より街の美化推進ということで、電柱のビラはがし隊に参加。携帯バーナーで周辺を焦がしすと取れやすくなる。またはスクレイパーを使用する。金融とピンクがビラの主な内容。
午後、扉野来宅。スムース文庫『1914年ヒコーキ野郎のフランス便り』挟み込みを裁断し、二つ折りにする。これだけでもひと仕事。腰が痛くなる。さらに、だいたいの仕分け。明日中、梱包にかかりきりになる予定。
今日のナベツマ便り。最近、こっちの方が長くなって、「デイリー・ナベ」に改題しなきゃいけないかも。
《例の「落札させられてしまったル・クルーゼ」が届いた。落札して2日後という、これまでで一番早い到着。コロンとした姿が結構キュートなスープポットである。
ヤフオクでは、落札するとすぐに売り主から次のようなメールが来る。『落札ありがとうございます。今回はウォッチリストに90もの方が登録されていたので、正直もう少し上がると思ったのですが、この落札価格ならとってもお買い得ですよ、ナベツマさま』とあった。(ウソ「はやしさま」)。
確かに、他のオークションでこのタイプは1万6千円から1万8千円で取引されているから、多分そうかもしれない。ウォッチリストというのは、気になる出品物を登録しておけば、その動きが楽に確認できるというシステム。つまり、「そろそろ終了かな?」「現在価格はどうなってるかしら?」なんていう興味本位のお方から、「えっー、こんな値段で持ってく気かいな」「ちょっとちょっかい出したろうかあ」なんていう例のシロウトや野次馬が終了間際に詰めかける、ということに連動しているシステムでもあるのだ。ふぅー》

KFCでセット・メニューを注文するともれなくもらえるスノーマンのマグカップ。今日の昼飯でゲット。スノーマンはレイモンド・ブリッグス(Raymond Briggs)の絵本、アニメのキャラクターである。わが家ではクリスマスが近づくと必ず一度はこのヴィデオをみるしきたりがある。ところが、どこへやったのか、今年は、肝心のヴィデオが見つからない。押入をあちらこちら、段ボール箱を開けたり閉じたり。出てこない・・・DVDを買えということか。
ついにスムース文庫が出来上がりました。明日、扉野が『1914年ヒコーキ野郎のフランス便り』挟み込みを持参してのち、発送準備にとりかかりますので、しばらくお待ち下さい。定期購読の方、および書肆アクセス向けには、おそらく火曜日の発送になると思います。第1号として刊行するはずだった大庭柯公『複刻ふるほんやたいへいき』も同時発売です。
大庭柯公『複刻ふるほんやたいへいき』
内澤旬子さんの『旅先でも本』(CRAFT碧鱗堂BOOKS、二〇〇四年)が古書現世より届く。さすが自主制作本のプロ(?)。判型、用紙といい、組版、イラストの配置といい、綴じといい、ひとつのカンペキを極めておられる。ウンチクの小冊子(「P-BOOK」と名付けました)ももうすこし工夫が必要だなあと反省。
内澤旬子『旅先でも本』CRAFT碧鱗堂BOOKS(135×150ミリ)
Nさんより東大せんべい(!)が届く。東大生協が発売している「東京大学ゴーフル」(味は風月堂のゴーフルだよ〜)。説明書によると、東大のスクールカラーは淡青色だそうだ。梶井基次郎らの同人誌『青空』と関係あるのだろうか?
ナベツマ便り。《「ナベツマあらため、サラツマさま、応援してます!」というメールを一読者の方からいただきました。なんですか、これは! 私は皿にくらがえした覚えはない! 蘊蓄斉!勝手に名前を変えるな!
と、怒りはこのくらいにして、昨夜またまたヤフオクで、懲りずにル・クルーゼ鍋に入札していたナベツマは、どんどん値段をつり上げてくるライバルと激しく競り合った。よく見れば、相手はまだ落札歴1回のシロウトじゃないですか! ついには最高入札額目前の12,000円まできたとき、しょうがないわね、今回は「あんたに譲ってあげるわ!」というつもりで入札をストップした。
ところが、こともあろうに「いえ、おねえさまにお譲りいたしまっす!」と返されてしまったのだ。つまり、相手はその時点の最高額12,000円を入れたつもりが、ナベツマが前もって入れておいた最高価格12,010円が表示された(すなわち10円負けてしまった)ので、そこで打ち止めにしてしまったのだ!(1万円以上は500円単位の入札になるから、つぎは12,510円)。「なんだ、なんだ、もう一回入れろよ!」と叫んでも(聞こえませ〜ん)後の祭り。これだからシロウトは困るのよね!(そういう自分だってヤフオク歴1ヶ月)、しゃーない、引き取って育てるしかない、じゃなかった、使うしかない、でした。》
今朝の朝日新聞にデュシャンの娘さんが出ていた。国際美術館のオープニングで遠目で見た感じから、適当なことを書いてしまったが、73歳となっていて、びっくり。それもそのはず、デュシャンの実子ではなく、再婚相手の連子だったそうで、似ていると思ったのも、まったく見当はずれということだった。彼女の父親はマチスの息子だそうだ。
ナンシー関の『聞く猿』(朝日新聞社、一九九七年)をパッと開くとこうあった。《なんでこの「日本新語・流行語大賞」というのが、「今年も決定!」なんて言われるようないっぱしのモノになってしまったんだろうか。またそれを「表彰」するってのはなんなんだ。すっかり恒例になってるらしいが、つくづく間抜けだ》って言うじゃない、ほんとチョー気持ちいいほど間抜けである。負け犬、残念!
ビートたけしの「座頭市」(監督・脚本・編集=北野武、2003)を録画で見た。ひどい。一人で全部やってるわけだから、好きにすればいいが、それにしてもどうしようもない。黒沢の晩年みたい。寺山修司をちょっと連想させるところもある(むろん悪い意味で)。なに?
芸大の大学院で教えるって? 誰か止める人いないのかなあ。
『石塚友二伝』、面白い。昭和七年に七年余り勤めた東京堂を辞めて、保高徳蔵の『文学クオタリー』(昭和七年、二冊、文学クオタリー社、大盛堂)を手伝い、引き続き『文芸首都』にも参加している。その後、岩本和三郎の書物展望社(すなわち文体社)に顧問として入り、横光利一の本を作る。顧問といっても、実際には、居候で下働きをしていたそうだ。
大阪文学センター構想断念の記事が朝日新聞に大きく出ていた。《「私も家にある約3万冊の詩集を寄贈しようと思っていたので残念」》という詩人の福中都生子さんの話が最後に引用されているが、昨年、たまたま福中さんらとこの話題で盛り上がったことを思い出した。「詩集じゃ古本屋も引き取ってくれないのよ、どうしようもないくらい毎日送られてくるんだから」とおっしゃっていた。たしかマンション住まいとうかがったので、3万冊では「本の上に寝るしかないわね」というのは誇張ではなかろう。ご愁傷様。それにしても、中央図書館を作るときに、中之島図書館との棲み分けをもっとキチンとして、どちらかに文学館の性格を付与すべきだった。それこそ、国際美術館みたいに中之島の地下を掘って収蔵庫を作ればよかったのだ。
喪中葉書が届く季節になった。今日は、山本芳樹さんが八月に八十三歳で亡くなられていたことを知って驚く。山本さんとは一九八一年に神戸で個展をしたときにお世話になって以来のおつきあいであった。会社勤めを引退されて画廊の顧問のようなことをされていた。そう親しかったというわけではないが、ご自宅にも一度お伺いしたことがあるし、賀状はいつもいただいていた。また、不思議と、京都や神戸の町中でばったり出会うことが何度もあった。いつもダンディというか紳士であった。バイロスのコレクターとして知られており、生田耕作らとともにバイロス事件の中心にいた。著書に『バイロス侯爵画集
: 世紀末ウィーンの甘美な夢』(京都書院アーツコレクション、一九九八年)、『わが密室を彩る画家たち : エロス幻想』(中外書房、一九七九年)などがある。
山崎書店より「再発見! コロタイプ印刷展」の案内葉書。11月30日〜12月9日。もっと早く出してね。
塩山氏より『記録』12月号。「天災時に役立たない公務員の無料カラオケ 防災無線を片っ端から爆破せよ!!」執筆。《常に新鮮な怒りに襲われる》そうだ。
『はぎしょぼ闊歩』44号届く。石塚友二『方寸虚実』(甲鳥書林、一九四一年)が出ていたので注文することに。ここは抽選なので慌てなくていい。
ナベツマから家庭内・添付メールあり。《 デンマーク在住の出品者のオークションで落札した、北欧テイスト満喫の「キャサリンホルムの皿」。キャサリンホルム社はノルウエーの会社で琺瑯製品を作っていたが、これらの皿はデンマークの製陶メーカーLYNGBYが製作。いずれにしても現在はもう作られていない。「北欧病」に感染すると誰もが一度は欲しくなるのが、キャサリンホルムのロータスシリーズ(ボール、鍋、コーヒーポットなど)だそう。ちなみにこれらの皿、落札後2日でデンマークを発ち、5日目に京都に到着した。もちろん航空便だが、今回はデンマークの郵便事情に少なからず驚かされた(外箱もきれいで海外からの荷物によくあるヘコミなんていうのも皆無)。う〜ん、なんだか北欧の香りがする・・クンクン・・・》。今度はサラツマか?
