
昨年の秋に宮崎県の大崩山(”おおくえさん”と読みます。)に行ってきました。大崩山は”登山”と言うよりも、切り立った絶壁や花崗岩の岩隗が織り成す自然の造形美を巡る”観光ツアー”のようなコースで、見どころ満載の好展望コースです。”観光ツアー”のようと言うのは、時間の都合で山頂まで登らず途中で下山コースに乗り換える人が多く、山に登るというよりも展望所をまわるという感じの山行になるからです。おまけに”展望所”も周りの山を展望するのではなく、大崩山の巨大な岩のモニュメントを見るのが主体ですから、”観光ツアー”というよりも、大崩山自体が”巨大な美術館”または”テーマパーク”と言った方が正しいでしょうか?
なお、”観光ツアー””テーマパーク”のようと言っても結構ロングコースで、おまけにハシゴ、ロープが一杯で普通の登山よりも遥かにハードなコースです。ハシゴ、ロープに慣れていない方、1日に8時間以上歩く自信がない方、お子さん連れにはお薦めできません。
| 2003.10.18(土) 晴れ | ||
| 20:00 | 周南市発 傾山-祖母山縦走と同様、国道2号→10→326と乗り継いで宮崎県まで南下。このあと延岡まで行ってから祝子川沿いの林道を北上するのが一般的であるが、宇目を過ぎてしばらくの長いトンネル”桑原トンネル”を出てすぐの交差点を右折すると近道の林道に入る。道は舗装されているものの細くやや荒れ気味なのであまりお薦めはできないが、かなりの近道にはなる。ただ、昼は対向車が、夜は猫、狸、鹿が出てくるので注意。特に鹿は当たり前のように普通に道を歩いてるので驚かされる。鹿って夜行性でしたっけ? 林道で一山越えると祝子川沿いの林道に合流して右へ。合流すぐの祝子川温泉の綺麗な駐車場を見送って進む。鱒?の養殖場などを過ぎてさらに細い林道を進んでいくと右手に登山口が見つかる。登山コースを記した大きな案内板が目印となる。駐車場はないので道脇に置くことになる。 |
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| 2:10 | 祝子川登山口着 登山口近くの路肩にはテントを張っているグループもある。私は4番目位の到着。とりあえず仮眠するが、いつもながらあんまり寝られない...。 5時を過ぎると回りもゴソゴソし始める。結構ロングコースになるので少しでも早く出発したい所だが、6時くらいまではまだ暗い...。 |
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| 6:00 | 登山口を出発 6時になって待ち切れずに登山口まで行って見たものの、暗くで道がどっちに向かってるかもよくわからない...。登山口の案内板を見ながら、誰か詳しそうな人が先行するのを待ってみたが誰も出発しない。とりあえずは登山道も林道沿いに進むことを頭に入れてもう一度登山口付近をよ〜く見ると先程より少し明るくなったこともありなんとなく道が見てとれるようになったのでようやく出発。左手下から祝子川のせせらぎを聞きながら薄い林の中を進んでいくと20分ほどで大崩山荘の前に出る。 |
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| 6:25 | 大崩山荘 帰路、坊主尾根からこの山荘前に戻ってくるには山荘近くで祝子川を徒渉しなければならないが、増水していると徒渉できないので、近日に雨が降った可能性がある時は一度左手の河原へ出て徒渉可能かどうかを確認しておく必要がある。 さてワク塚コースへは大崩山荘前を直進、すぐに指道標が見つかるが、これには”ワク塚コース”の案内はない。ここは”三里河原”方向へ直進し、20分ほど林の中を進み指道標のある分岐で左手に降りていくと丸木橋の河原に出る。 |
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| 6:45 | 丸木橋 河原の先には丸太一本の橋、その先にはハシゴが掛かり、背後には小積ダキの岩峰がそびえている。このコースが容易なコースではないことを端的に示す光景だ。 河原に転がる大きな岩を乗り越えていくと問題の丸木橋に辿り着く。ホントの丸太一本だけだと怖いが、手摺がわりに針金が張られているので無事に通過、ハシゴを登って林の中へ入っていく。大きな岩屋の前を通り、谷道を登っていくと丸木橋から30分ほどで谷筋を離れ足場の悪い中を急登となる。ロープなどを頼りに20分くらい急登と格闘すると袖ダキ展望所への分岐があらわれる。左手に見えるハシゴを登っていくと素晴らしい展望が広がる大岩のテラスにでる。 |
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| 7:50 | 袖ダキ展望所 正面に小積ダキの絶壁を望み、右手には下ワク塚の岩峰がそびえる。ガイドブックにも必ず写真が載ってるこのコースを代表する光景を眺めながら一息つく。素晴らしい光景だが、惜しむらくは期待した紅葉が全く見られないこと。この近くの九重、傾、祖母などがこの日紅葉の見頃ということで、満を持してやって来たのだが赤い木はほとんど見られなかった。 まだまだ先は長いので後ろ髪を引かれながらも出発。元の分岐に戻らず先へ進むと、近くにあるはずの”乳房岩”というのを見逃してしまった。急登を登っていくと20分ほどで下和久塚への分岐が現れる。左手に進み、ハシゴを登っていくと下和久塚に到着。 |
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| 8:25 | 下和久塚 ロープで岩の上に上がるとまたまた大展望が広がる。岩の先の方まで行ってみたい気がするが、この日は体調が悪く落ちそうなので止めといた。近くの桑原山や北方の傾山などを展望して岩の上を中和久塚方向へ向かう。 |
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| 8:55 | 中和久塚 15分ほどで中和久塚直下まで辿り着いたものの岩の上への登り口がよく分からない。ハシゴを見つけて登ってみたが危なそうなところだったので、次の上和久塚の写真だけ撮ってすぐ降りてしまった。 中和久塚からは一旦ハシゴ&ロープで下って上和久塚の北側を回り込むようにトラバース。ここで突然スッテンコロリン!転んでしまった。なんでもない所だったが濡れた石に足を滑らせてしまい、顔面から着地、鼻の下、顎を強打した。一瞬の出来事で何が起きたのか分からないくらいで、自分では打身で紫に腫れてるのではないかと思ったが、実際は擦り傷で結構血みどろになっていたようだ。とりあえず血を拭いて出発。中和久塚を迂回するルート?と合流して登っていくと上和久塚登り口に到着。 |
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| 9:25 | 上和久塚 ロープが垂れていて登っていくとさらにロープが...。3本ほどロープを登ったが、かなり危険な状態で、登るのはなんとかできそうだが、降りるのが大変そうだ。体調も良くないし、さっき転んで自信もないし、ロープもかなり怪しいし...。あとロープ1本くらいに見えたが、結局途中で撤退した。正面?から登らずに右手に回り込むともう少し楽に登れるルートがあったらしい。これは予習不足だった。 さて、写真を撮ろうとすると、コケた時カメラをぶつけたようで、シャッターまわりの金具が変型してシャッターが押し込まれた状態で固まってしまっていた。これでは写真も撮れない...。 上和久塚をあとにするとすぐにリンドウ丘を経て坊主尾根へ向かう分岐が現れる。 |
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| 9:45 | リンドウ丘経由坊主尾根への分岐 これを直進し、薮に囲まれた石ころの多い道を登っていくと15分ほどで再び坊主尾根への分岐がある。これまた直進すると尾根に上がり、右手に祖母山、傾山などが見えるようになる。しかしそれも束の間、すぐに薮に囲まれ見えなくなってしまう。でも10分程我慢すると、上和久塚から約40分で一気に視界が開け、石塚に到着。 |
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| 10:20 | 石塚(昼食) 事実上の大崩山頂上とも言える大展望の石塚からは、西方に向かいの日隠山、釣鐘山であろうか?綺麗な山並、北方には傾山、祖母山が少し霞んで見える。が、私はまずカメラを修理しなければならない。車のスペアキーをタガネ代わりに使って石で叩きまくるとなんとかシャッターが動く状態になった。やれやれ...。 |
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| 11:15 | 昼食を終え出発 展望はないらしいが、せっかくここまで来たので山頂に向かう。と、すぐに到着。 |
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| 11:20 | 大崩山山頂(1643m) 大崩山頂上は三角点があるだけで確かに展望はない。 ただちに引き返してもと来た道を下る。山頂から約20分で坊主尾根への分岐を通過、さらに15分下ってリンドウ丘への分岐で右折。さらに10分ほど下っていくとリンドウ丘と呼ばれる展望所に出る。 |
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| 12:05 | リンドウ丘(大休止) リンドウ丘は、和久塚の岩隗を正面から眺める特等席で、上和久塚、中和久塚、下和久塚の全体像が客観的に把握できる。しかし一体どこをどう歩いてきたのかは分からない。たぶん、裏っ側を歩いてきたのだろう...。 |
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| 12:25 | 休憩を終え出発 リンドウ丘を出ると、10分ほどで坊主尾根の道に合流。さらに10分ほど下るとまたまた好展望のテラスに出て小休止してしまう。ここから見ると、上和久塚、中和久塚、下和久塚は、単なる岩の固まりではなく、随分薄い板状であることがわかる。 ここを出発するとすぐに小積ダキへの分岐となり、5分で小積ダキに到着。 |
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| 12:55 | 小積ダキ またまたの展望所で小休止。この小積ダキは、朝の最初の展望所、袖ダキの向かいにそびえていた絶壁の上になる。 小積ダキから10分ほど下ると小積ダキ下の展望所に到着。大迫力の小積ダキの絶壁を、口を開けて見上げる。 ここから15分ほど下ると巨大な象岩の下、切り立った谷際をトラバースする難所にさしかかる。 |
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| 13:40 | 象岩の下のトラバース 手摺としてロープが張ってあるので見た目ほど危険はない。ただザックが体より大きい人は、岩側に寄り過ぎてザックを岩にぶつけると反動で谷底へ突き落とされることになるので注意が必要だ。 ここから10分ほど下ると、またしてもの展望所、”見返りの塔”に到着。 |
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| 13:50 | 見返りの塔 いよいよ本日最後となるこの展望所からは、巨大な小積ダキの絶壁をようやく1つのフレームに納めることができる。右手に見えているのは下和久塚と袖ダキの岩隗であろうか? また眼下には坊主岩が鎮座している。 最後の展望所をあとにすると、ひたすらハシゴで下る。イチイチ書いていないが、この坊主尾根コースは上からずっとハシゴだらけで、ほとんどハシゴで下っていると言って過言ではない状態だ。誰かこのコースにいくつハシゴがあるのか数えた人はいないのだろうか? 尋常な数ではないはずだ。ただ、架けられているハシゴは全てアルミ製でしっかり固定されているので、ハシゴごと落ちると言う心配はないと思われる(たぶん)。なぜか和久塚コースで登って坊主コースで下るのが一般的なようだが、ハシゴは下るより登る方が安全なので、坊主コースで登って和久塚コースで下った方が安全かも知れない。 |
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| 14:25 | 林道への分岐 ハシゴ下りから解放されると林の中に入り、見返りの塔から約30分で分岐点が現れる。真直ぐ(左手)は大崩山荘へ戻る道だが祝子川が増水していると橋がないため徒渉できない。右手へそれていく道は林道を歩くコースでやや遠回りとなる。この日は増水の心配はないので真直ぐ進む。15分ほどで小さな沢を渡り、この沢に沿って下っていくと分岐から30分ほどで大崩山荘前の徒渉点に出る。 |
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| 15:05 | 徒渉 私の靴は濡れてると極端にグリップが落ちる(だからコケた。)ので石が濡れてるとヤバいが、幸い乾いていたので石を2つほど飛んで難なく通過。最後に小積ダキを仰ぎ見てから大崩山荘に向かう。大崩山荘からは朝来た道を戻り、30分ほどで登山口に帰着。 |
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| 15:35 | 祝子川登山口帰着 無事ではないが一応帰着。左鼻の穴の下から唇にかけて1cm幅で擦り傷ができており、遠目には”鼻血ブー”状態になっていた。おまけに顎の左にも2cm大の円形擦り傷。 |
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| 15:55 | 祝子川発 お約束の祝子川温泉”美人の湯”に寄って帰りたいところだが、この傷で風呂に入るのはヒンシュクなので、登山口近くのミニ滝で足だけ洗って直帰。 |
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| 23:00 | 周南市着 帰ってから歯茎にも違和感があるのでよく見てみると、なんか白くなってると思ったら歯茎が削れて骨が見えていた。虫歯じゃなくて”虫骨”になったらどうやって直すの? |
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