YPCニュース
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2.3.2 横浜物理サークル発行巻頭言
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2月例会の報告
まとめby山本明利 編集by市江 寛 158-164
(1) 「科学常識調査」某県立高校版
(2) ケーブルの包装 黒柳さんの発表
(3) おもちゃのアイデア募集 黒柳さんの紹介
(4) 超音波浮揚装置 宮川さんの発表
(5) スチールウールの燃焼 徳永眞由美さんの発表
(6) 「現代科学の電子年表」CD−ROM 山本の紹介
(7) 物理系の事故事例 山本の発表
(8) 超伝導ビデオ 車田さんの紹介
(9) ダイコンサインカーブ 工藤さんの発表
(10) 星の折り紙
(11) ミニバランス・回転バランス即売会
(12) レインボーツリー
(13) サーモリライト
(14) 手軽で安価なpHの実験
ビデオを見た感想文から―『"独創"はこうして生まれた』―
徳永恵里子 165-167
手軽で安上がりなpHの実験
山本明利 168-170
ダイソーの加速度計
山本明利 171-172
石原 純 研究ノート(W) ―――年譜(4)―――
徳永恵里子 173-177
プラネタリウム今月の解説話題「太陽とオーロラ」
宮崎幸一 178-179
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プラネタリウムに日の出はないのか
夕方の太陽を出し,周囲の景色の解説をする。日の入りにあう音楽を流し,同時に日周運動のスイッチを入れる。ゆっくりとした口調で,日没の時刻をつげ,おりおりの歳時の話をし,夕焼けのスイッチを回す。
日が沈むと,周囲の景色を夜景に変え,昼光・青光を落とし,薄暮にする。1番星2番星と星を増やしていき,薄明終了後には満天の星空を映し出す。
静かに,今晩の星空の解説を始める。時々流れ星をながす。もう500回を数える星空投影。未就学の子供たちがあきないように,話を変えテンポを変える。大人ばかりのときは,宇宙の階層構造の話もするし,何度注意しても静かにならない中学生には,星を消し明るくしてお説教をする。いつもの常連さんがコンソールまできてお礼をいって帰っていく。おもしろかったですと帰る人や暗くなったとたんいびきかいて寝てしまう人。笑顔で帰っていく多くの人たち。プラネタリウムは人の心を安らかにしてくれる。
そのプラネが,なくされようとしている。
いわく,県でおく理由がない。市町村に施設が増えた。自然体験ではない。県の新しい構想にははいっていない。
県立青少年センターのプラネタリウムはこの3年間着実に来場者を増やしてきた。3万5千,3万9千5百人,そして,2月の現時点で昨年を越えようとしている。他の部署と比べても7〜8倍の集客力を誇っている。また,新指導要領の影響で小学校の団体が非常に増えてきた。学習投影に特化してきたウチのプラネの成果である。指導要領にも,「プラネタリウムなどの施設を使う」ことが明記されており,今後も必要性は高いはずである。
新たな構想は何を目標にした物なのか?利用者の現状を見たものではないように思える。4万人の利用者の声は届かないのか?予算案は2月議会で審議される。
M
日時:2002年2月13日(水)18時〜21時
会場:県立青少年センター
参加:計22人
内容:
(1)「科学常識調査」某県立高校版 鈴木健夫さんの発表
去る1月25日の朝日新聞に載った科学常識調査を、高校生に試してみたという授業報告です。10問全問正解者は3人。全体としては64%の正答率。日本人の大人で、51%だということなので、かなりいい成績です。普通の高校生でも日本人の大人の平均以上の成績を取れるということは、理科教育の意義として成果を評価してもいいのでは、と思います。世代別に正答率などを分析すると、おもしろいデータが出てくるかもしれません。
(2)ケーブルの包装 黒柳さんの発表
ビックパソコン館でプリンタ用の長さ5mのケーブルを購入したところ、写真のような銀色の袋にわざわさ包んだ後で、いつものレジ袋に2重包装してくれたそうです。どうやら巻いてあるケーブルがコイルのようなはたらきをして、万引き防止センサーに感じてしまうらしいのです。だとすればいろいろ面白い実験も考えられそうですが、営業妨害になるといけないので、ここには書かないことにします。
(3)おもちゃのアイデア募集 黒柳さんの紹介
某大学生の卒業研究として持ちかけられた相談です。「図のようなお皿の中でボールを転がすと位置(中心からの距離)によってテルミンのように音が連続的に変化するおもちゃを作りたいと考えているのですが、中の電気的(機械的)仕掛けはどのようにしたらいいか?」という問い合わせです。名案のある人は黒柳さんにご連絡を。
(4)超音波浮揚装置 宮川さんの発表
宮川淳后さんの勤務する株式会社ウエットマスターでは、加湿器の技術を生かして、室内で雪を振らせる装置などを開発しています。これもその応用例の一つです。空間に超音波の定常波を作り、発泡スチロールなどの軽いものを空中浮揚させます。
上は一次元バージョンですが、宮川さん達は円筒形の振動体で空間にクラードニの図形のような超音波の定常波を安定して作り出し、立体的な空中浮揚にも成功しました。写
真のように、発泡スチロールの小片が、まるで蜘蛛の巣に引っかかったかのように、空間に静止します。これにはみんなびっくりでした。

鈴木さんは自らの「マジックハンド?」を反射体にして定常波を生み出し、空中浮揚に成功しました。マジックのネタにも使えそうです。株式会社ウェットマスターでは、全国の博物館にこの装置を売り込み中です。資料入手は同社のWebページhttp://www.wetmaster.co.jp/ へ。
(5)スチールウールの燃焼 徳永眞由美さんの発表
スチールウールを酸素中で燃やして、質量保存の法則を説明する実験は、ガラス器で行うとガラスを割ることがしばしばあります。徳永さんは、たまたまもらった肉厚のアクリル管で写真のような装置を作って試してみました。アクリルが燃えるのではとの懸念もありましたが、意外と燃えにくいようです。今までのところ、割れることもなさそうです。装置全体の質量が大きいことや着火が不確実であることなどの改善案も議論されました。

(6)「現代科学の電子年表」CD−ROM 山本の紹介
東京電力が横浜市鶴見区に新たに開いた博物館「電気の史料館」が、開館記念として企画制作した標題のCD−ROMが例会出席者に配布されました。YPCが一部資料提供しています。Win&Mac両対応です。
科学の全分野に及ぶ、詳しい発明・発見年表で、資料画像・動画なども豊富に収録されています。立体的な年表のデザインもユニークです。高等学校「理科基礎」の教材として開発されていますが、辞書的にも使えるスグレモノです。非売品につき、入手の問い合わせは直接「電気の史料館」http://www.tepco.co.jp/rd/shiryokan/home-j.html へ。
(7)物理系の事故事例 山本の発表
1月に開かれた科学技術振興事業団の行う教員研修会で、理科実験の安全に関する事例研究を発表する機会があったので、例会の席でこれを再現しました。物理分野では比較的最近新聞等でも取り上げられました、(1)PETボトル、(2)レーザー、(3)感電、の3つの事故事例を取り上げました。事故の多くは、現象を正しく理解することと、量的な見積もりを怠らないことにより防げます。
下はPETボトルに関する資料の一部です。PETボトルは下のような4種に大別されますが、製造業者が想定している耐圧・耐熱性は、一般の理科実験で期待されているものよりかなり低いことに注目すべきです。目的外使用物への過信や、無理解が事故に結びつきます。
発表に使用したPowerPointの資料は山本のホームページ
http://www2.hamajima.co.jp/~tenjin/labo/jst0201.htm へ。
(8)超伝導ビデオ 車田さんの紹介
車田さんが紹介してくれたのは、Institut fur Festkoerper-und Werkstofforschung Dresden が制作した高温超伝導体によるマイスナー効果のデモビデオ。クレーン効果により、磁石の下につり下がって動く超伝導体や、宙に浮いたまま、しかもレールから脱線せずに走る機関車の模型などの映像が、わかりやすく興味深く示されています。

右の写真は10テスラの超強磁場の中で宙に浮く、生きたカエルです。体内の水の「反磁性」により、空中浮遊しています。衝撃的な映像です。他にも宙に浮くイチゴやトマトの映像がありました。
(9)ダイコンサインカーブ 工藤さんの発表
数学の講師をしている工藤さんは、授業で正弦曲線の解説をするときに、ダイコンのカツラむきを披露します。まずダイコンの円柱を斜め45°に切断し、円柱の側面に沿って薄く皮をむくように包丁を入れます。
むいた皮を広げると、ご覧の通りサインカーブが現れます。右は、そのわけを「絵解き」してみせる工藤さんです。この技を使うには、まず包丁さばきを練習しなければなりません。
(10) 星の折り紙 工藤さんの発表

洋紙の縦横比は1:√2です。星形の頂角36°のタンジェントは√2の逆数に近いので、洋紙の長い方を3%弱切り縮めて、対角線に沿って折ると、星形の頂角が作れ、星の折り紙ができます。
(11) ミニバランス・回転バランス即売会 平松さんの頒布会
「一人はみんなのために」はYPCの活動スローガンです(?)。百円ショップ「ダイソー」で発売されて、以前の例会でも話題になっている「ミニバランス」(二重コイルによるフィードバックで永久運動)や「回転バランス」(磁石同士の反発力で浮いて回転する)を、平松さんが大量購入してきて原価販売してくれました。近くにダイソーがない人は争うようにして買いあさっていました。それはそうでしょう。百円なんですから。
(12) レインボーツリー 山本の発表
秋葉原のジャンク屋で安かったため大量購入した「12V用麦球」の使い道を考えたあげく、5個直列接続して直接商用100Vの電源につなぐようにしました。コードを束ねて塩ビ管にさしこみ、取っ手のようにしてみました。ただそれだけの簡単な照明装置ですが、「虹スクリーン」の前にかざすと、シャボン玉のような立体虹がそれぞれの点光源を囲んで浮かび上がります。虹スクリーンからの距離に応じてシャボン玉の大きさが変わるので、より立体感が増します。
もちろん普通の麦球や、マグライト用電球でもよいのですが、ポイントはフィラメントが切れる寸前ぐらいまで電流を流して、色温度を上げることです。そうすることで、緑や青まで色がそろい、美しい立体虹となります。
(13) サーモリライト 渡辺さんの発表
現在、JRのスイカやポイントカードに使われている何度でも書き換え可能なリライトカードです。急熱、急冷で色を発色させ、ゆっくりの過熱、冷却でもとにもどせます。この反応を何度でも繰り返せるため(300〜500回)、ICカードやラベルなどの書き換えが必要な場面で使用されています。現在は青色ですが、将来的には赤、黒の発色が可能になるそうです。面白い素材です。詳細な情報は、三菱製紙株式会社のサーモリライトのホームページ
http://www.e-mpm.com/rewrite/jp-top.html へ。
(14) 手軽で安価なpHの実験 山本の発表
化学のpHの単元における導入生徒実験の実践報告です。ポッカレモン、炭酸飲料、灰汁、トイレ洗剤など、身近な溶液によるpH測定、慶應の平松さんが開発した「あやむらさき芋スナックを用いて酸アルカリを調べる」実験 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2808/imo.html などを組み合わせ、さらにSEPUPの連続希釈実験の手法を取り入れました。
ダイソーの文具売り場にある「使いすてパレット」と、保健室放出品の検尿容器を使用した微量実験で、手軽・安い・環境にやさしい、の3点を追求してみました。
詳しい報告と資料は天神の研究室http://www2.hamajima.co.jp/~tenjin/labo.htmへ。