YPCニュース
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2.6.15 横浜物理サークル発行巻頭言
すた 225-226
5月例会の報告
まとめby山本明利 226-230
(1) 光の三原色
(2) 渦電流
(3) 落下中の重さは?
(4) ダイソーの室内花火
(5) カラフルフレーム・オイルキャンドル
(6) 1円玉はなぜ浮かぶ?
(7) JSTデジタルコンテンツとシンポジウム
(8) 原子力体験セミナー神奈川コース
(9) 質問書方式のまとめ(物理編)
(10) 本の紹介・アエラムック「物理がわかる。」
(11) ICテレカ解体
(12) ミラクルフルーツ
一円玉はなぜ浮かぶ? 山本明利
231-236
科学技術学習支援シンポジウムと「科学技術・理科教育のための革新的なデジタル教材」のご案内
水上慶文 237-239
「質問書方式授業」での生徒の質問集(物理編)
鈴木健夫 240-246
「チャールズ・ダーウィン」
石原純著『偉い科学者』より
247-249
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最近、いつも同じような話題になってしまうのですが、ご容赦下さい。異論がある方もいるかもしれませんが、私の気持ちを書く場として、この紙面をお借りします。
メーリングリストで、とある話題を巡って議論しているとき、「教師の誇り」という言葉が出てきました。我々は、授業をすることに誇りを持っている、それを誇りにしながら仕事をしている、という趣旨での言葉でした。それはそれとして、私は、その言葉に、はっとさせられました。もちろん、私自身、授業をすることに誇りを持っているつもりですし、授業だけでなく、生徒に接し、生徒と触れ合うことに、誇りとやりがいを持っているつもりです。ところが、今、教育行政は、その「誇り」を踏みにじるようなことばかりしてきます。
ひとつは、校長に民間企業の経営層の方を起用しようという動きです。東京ではすでに実施され、神奈川でも導入されます。もしかしたら、私の学校にも配属されるのかもしれません。もちろん、民間の方で人格的にもすぐれ、教育者としての適格性に満ちている人がいるのかもしれません。しかし、授業をしたことがない、生徒指導の困難な場面に直面したことがない、というような人が、校長として学校現場に来て、学校をどうするつもりなのでしょうか。学校現場の生ぬるい感覚を、民間のきびしい経営手腕によって改革しよう、ということなのかもしれません。でも、現場としては、現場の苦労を理解して、我々がしっかりと仕事をできる環境を作ってくれる管理職をこそ、望みます。
同じ文脈ですが、昨今の規制緩和の一環で、教育現場で教員免許状を持たない人に、教壇に立つ道が広く開かれ始めています。一般論としては良さそうな話に聞こえますが、本当にそうでしょうか。確かに我々は、教員免許状を取るために素晴らしい勉強をしてきたという訳ではないかもしれません。しかし、やはり教員であることとそうでないこととの敷居は、ある程度の高さが必要だと私は思ってしまいます。教育は、誰でも簡単にできることなのでしょうか。
教育職は、専門性に満ちた、複雑な職業なのです。だからこそ、教育公務員特例法や人材確保法などで、特別な扱いをされている職種なのです。研修する権利と研修をさせる義務もそこから生じるのです。「研修」権もどんどんと奪われ、研修する自由もますます狭められています。まさにこれらは「教師の誇り」を踏みにじる動きだと感じるのは、私だけでしょうか。
他にも、人事評価システムや、夏休みの服務問題など、言いたいことはいっぱいありますが、今回はここまで。
すた
日時:2002年5月22日(水)17時〜20時半
会場:慶応義塾高校
参加:計25人
内容:
(1)
光の三原色 車田さんの紹介
春休みにガリレオ工房の主催でMeSci(日本科学未来館)で行われた実験の紹介です。3色のLEDをボタン電池に接続して点灯し、別々のプラコップに入れます。赤の光が強いので、下から順に赤コップ、白い紙コップ、緑コップ、青コップの順で重ねていきます。赤コップの外側は光が漏れないように黒紙でおおい、一番上に半透明のプラコップをさかさに伏せてかぶせます。
3つの光が適度に混じると、上にかぶせたコップは白色に近い色に見えます。右はコップから取り出したLEDで白紙に直接光を当てているところ。色の数を変えたり、距離を加減して光量を調節すると、さまざまな色が作り出せます。(白黒印刷で色が見えず、ゴメンナサイ。)
(2) 渦電流 車田さんの発表
2月に喜多さん車田さんが富山のワンダーランドに行ったときに作った実験器具。普通のアルミパイプとアルミインゴットに同じ径の穴をあけたものとで、ネオジム磁石の落下時間を比べてみます。穴の径は22o、ネオジム磁石は径20o。短い距離ですが速度の違いがはっきりわかります。肉厚の方が電気抵抗が小さい分だけ大きな電流が流れ、落下速度が遅くなるのです。
(3) 落下中の重さは? 喜多さんの発表
上の関連実験です。浮くように管の中を降下中のネオジム磁石の重さはどうなっているのでしょう。パイプごとはかりの上に乗せて、重さの変化を観察してみます。管にふれていないにも関わらず、管内を落下中のネオジム磁石の重さも加わった値が示されます。
右の写真で、アルミパイプの下に紙コップを置いているのは、落下後にネオジム磁石がはかりの台に落ちたとき、はかりの鋼鉄部分と引き合って、はかりの目盛りが狂うことを防ぐためのものです。
(4)
ダイソーの室内花火 山本の発表
百円ショップダイソーのパーティグッズで4色の「室内花火」が発売されました。炎色反応を使った固形燃料のキャンドルです。赤、黄、緑、白があり、それぞれシュウ酸リチウム、炭素鉄粉、硫酸銅、硝酸バリウムが使われています。後日、ヨウ素酸カリウムの紫もあることがわかりました。燃料はメタルアルデヒドと表示があります。きれいなことはきれいですが、一回百円の使い切りはちと高い、と評判は芳しくありませんでした。
(5)
カラフルフレーム・オイルキャンドル 関さんの発表
炎色反応ならこちらがおすすめですよと、関さんが見せてくれたのは、東急ハンズ新宿店で購入したという、COLORFUL
FLAME OIL CANDLEというアルコールランプのようなもの。主原料の表示には、グリセリン、エタノール、植物油、塩化物とあります。点火、消火を繰り返すことができ、ふたをして持ち運べるので¥580の価値はあります。
(6) 一円玉はなぜ浮かぶ? 山本の発表
一円玉が水に浮くのは常識?アルミは水より2.7倍も重いのになぜ?
「そりゃあ、水の表面張力で支えられてるからだよ。」・・・
表面張力という意味不明の言葉にだまされて、それでわかった気になっていませんか?
一円玉は軽いから浮くのかというと、厚さが1mmのアルミ板なら、ご覧のようにずいぶん大きく重くても楽に浮くことがわかります。このぐらい大きくなると、表面張力を外周に沿って積分した力では、重さを支えきれないことが、ちょっと数値を当たってみればわかります。
かなりの熟練を要しますが、厚さが2mmのアルミ板でも下のように何とか浮かせることができます。右の板は322gもの質量があります。どうやら面積は浮く浮かないに無関係のようです。厚みと密度が支配的、ということになれば答は圧力でしょう。
下の写真は、厚さ2mmのアルミ板が浮いているところを真横から拡大して見たところです。水面の形に注目してください。水面が上に凸な曲面を作っています。この曲率によってラプラス圧という圧力が表面張力のはたらきで生じ、それぞれの深さで水圧とつりあいます。言うなれば水の壁が水の浸入を防いでいるのです。アルミ板の重量を支えているのはあくまでも板の上下にはたらく大気圧と水圧の差にもとづく力です。これは浮力と呼んでよいでしょう。表面張力は浸水防止という大事な役割を果たしてはいますが、アルミをつり上げているわけではなかったのです。
詳しく知りたい人は後ろの記事をお読み下さい。
(7) JSTデジタルコンテンツとシンポジウム 水上さんの紹介
JSTの水上さんのセクションでは、次世代のIT機器を活用した理科授業のために、教室でリアルタイムダウンロードして使うデジタルコンテンツの開発を進めています。コンペで選ばれた教材の展示とシンポジウムが下記の要領で開かれます。参加者には、気に入った教材3点のCD−ROMが無料で配布されるといいます。ぜひゲットしたい。
「JST IT科学技術・理科教育シンポジウム」−先進的科学技術・理科教育用デジタル教材の開発・提供−
2002年6月22日(土) 日本科学未来館 http//www.miraikan.jst.go.jp/
10:00〜10:10 文部科学省 基盤政策課 土屋課長による挨拶
10:10〜10:40 安西委員長による基調講演「日本のITと教育について」
10:40〜12:40 平成13年度開発 推奨8コンテンツ プレゼン
12:40〜13:40 昼食
13:40〜15:10 ポスターセッション デモ ベストコンテンツ投票
15:10〜16:20 成果報告 各先生
16:20〜16:30 ベストコンテンツ表彰

(8) 原子力体験セミナー神奈川コース 後藤さんの紹介
放振協の後藤さんは、7月6日(土)にひばりが丘高校で行われる、原子力体験セミナー・神奈川コースの募集について紹介してくれました。対象は神奈川県内の高校教諭およびこれに準ずる教育関係者とのこと。
詳しい募集要項と申込用紙はhttp://homepage1.nifty.com/tenjin/atom/に掲載してあります。
(9) 質問書方式のまとめ(物理編) 鈴木さんの発表
鈴木さんが授業の一環として行っている「質問書方式」による昨年の物理の授業のまとめを公開してくれました。詳しくは鈴木さん自身のWebページ
http://homepage2.nifty.com/suzukitakeo/siryou2/qa2b01.htm をご覧ください。
昨年は、この質問に対応するのが非常に大変で、膨大な時間を費やしていたのですが、今年は一部の手続きを合理化しました。具体的には、プリントに書かれた生徒の質問のうち、その場で簡単に答えられるものはすぐに赤ペンで書き込むことにし、調べなければわからないものや他の生徒に紹介したいもののみ「回答プリント」で印刷配布することで、時間的な負担軽減をはかったとのこと。
(10) 物理がわかる 鈴木さんの紹介
朝日新聞社から「アエラムック『物理がわかる。』」(定価¥1200)という本が出版されました。物理の入門書という形式の本ですが、前半3分の1ほどは、高校教員などによる実験を元にした原理の解説が並び、後半は先端の研究者による最先端の話題となっています。
ガリレオ工房の滝川さんがかなり編集に関わっており、鈴木さん自身も「超能力・超常現象を科学する」という記事を載せています。大きめの書店でないと店頭にないかもしれませんが、ぜひ手元におきたい一冊です。
(11) ICテレカ解体 車田さんの発表
スイカに続き第2弾。ICテレカを剥がしてみました。中にはスイカと同様、アンテナとなるコイルがプリントされています。端の方にある黒い部分がIC部です。使用開始時に角を折り取るのはなぜでしょう。プリントパターンの一部を切り取って回路を切断するようになっています。ここをオープンにすることで回路が生きるしくみなのかもしれません。
(12) ミラクルフルーツ 渡辺さんの紹介
食べると酸っぱいものを甘くしてしまう不思議な実、ウワサのミラクルフルーツの実物を渡辺さんが持ってきてくれました。小指の先ほどの赤い実です。レモンなどが酸っぱくなくなっておいしく食べられるといいます。酸味を感じる味覚神経に選択的にはたらいてブロックしてしまうらしい。10分ぐらいなめると効果が現れ、1時間ぐらい持続するということです。時間がなくて、実際に味わうことができなかったのが実に残念!
購入先は(有)ペスカトーレ(神奈川県三浦郡葉山町一色2444−7、電話0468−76−1255)で、学校セットとして実50個、苗・種5、資料付きで¥10000が用意されています。ただし、育てるのは極めて難しいとか。