YPCニュース
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3.2.15 横浜物理サークル発行巻頭言
おざわ 139-140
12月例会の報告
まとめby山本明利、鈴木健夫、市江寛 140-147
(0) 青少年センターのプラネタリウム
(1) 回折格子の授業
(2) オーストラリア日食報告
(3) オーストラリアで見つけたおもちゃ
(4) 反磁性磁気浮上
(5) 魔鏡
(6) 人工猫目石
(7) イリュージョンリング
(8) 3D地球儀
(9) コインを飲み込む金魚
(10) パチンコ独楽
(11) 静電気の実験
(12) ASE Annual Meeting
(13) 万札ローソク
(14) 火吹き市太郎
(15) 超簡単熱気球
(16) 天体観測会
5分で作れる超簡単真空ポンプと減圧タンク
鈴木健夫 148-149
手軽にできる反磁性磁気浮揚
右近修治 150-153
石原 純 研究ノート(X)
徳永恵里子 154-157
〜「理科は楽しい」〜 女の子にウケたぞ!
Best10 越市太郎 158
越さんによる補足メモ ☆火吹き市太郎 ☆超簡単熱気球
越市太郎 159-160
ティーブレイク しかくいアタマをまるくする‥‥?!
徳永恵里子 160
「伊能忠敬」 石原純著『偉い科学者』より
161-163
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授業を見る力をつけたいと思います。昨年12月には私の授業を公開、先月はすたさんの授業を見学。見せる側、見る側をたて続けに体験しました。それを通して授業見学のしかたについて考えるようになりました。授業をする教員がその時間にベストを尽くすのはあたりまえですが、見学者にとっても同様です。この授業から何を得ようか。自分を高めるためには、そして、授業者を高めるためにはどうすればよいか、ベストを尽くします。そういう力が自分にはまだ足りないと思います。でも、そこを向上させるのも教員生活の喜びです。だから、授業を見るのも見られるのも好きです。
私の授業公開のとき、ふと気づくとあるベテラン先生が、いつの間にか私の横で演示実験を手伝ってくださっていました。私はそのとき、斉藤喜博さんの文章を思い出しました。「授業入門(未来をつくる教師)」から一段落だけ引用します。
授業は、黒板ばかりを見ていては絶対にわかるものではない。私はよくはじめての参観者には「教室の前から入って、子どもの顔の変化をよく見ながら授業を見てください」というのだが、そうしないと、ほんとうの授業の姿はわからない。授業がどう生き、どう死んでいるかはわからない。
その後、私はその先生の「立ち位置」の巧みさをチェックしながら授業をしました。授業公開しながら、同時に力量の高い見学者の姿に学ぼうと心がけたのです。
その翌月、すたさんの授業を見学しました。私も教室の前から生徒の表情をよく観察することにつとめました。課題集中校と聞いていたのでたいへんな状況を想像していました。しかし、それは杞憂でした。実験するときの生徒の輝く表情がとても印象的でした。(もちろんなかなかやらない生徒もいます。行動に移せないけれど、心の奥では興味が向いている。そんな表情も感じ取れました。)
実験器具を教卓に取りに行ったり返したりするときの意欲やマナーも予想以上でした。今までのすたさんの授業の成果や、生徒との関係づくりの努力が集約されているような授業でした。
そのときの私を振り返ると「生徒の表情がよかった」というだけではなく、技術的なこと、発問等授業の組み立てのことをもっと学べたはずだし、意見をもてたのかもしれません。もっと細かな授業記録を記憶に残さなければいけなかったのかもしれません。いやいや、物理の授業の中に生徒のよい表情を見た。授業中の細かなことは記憶していないけれど、あの授業の中に、今までの教員と生徒との関係づくりの蓄積を見た。生徒の表情を見ればわかる。それが大収穫じゃないか。どちらなのでしょう?
「細かく授業記録を取るべきだ。」という見方もあるでしょうし、「授業は芸術作品だ。授業の中に溶け込むように身をおけ。」という見方もあるでしょう。教員の仕事って奥が深いとつくづく思います。
おざわ
日時:2003年1月11日(土)13時半〜19時
会場:県立青少年センター
参加:計25人
内容:
(0)青少年センターのプラネタリウム(例会前の見学会)
今回の会場はプラネタリウムと天文台のある青少年センターです。例会に先立って宮崎さんの解説でプラネタリウムを見学しました。今月のプラネタリウム番組「50億年後の太陽」。我々の生命の源・太陽の年齢は約50億歳,寿命は100億年,あと50億年は大丈夫です・・・というお話しです。この道4年を数える宮崎さんの名口調に一同聞き惚れました。左の投影器は3代目で五藤光学のGOTO-GX-AT型。右の写真は操作盤。各種のモーターやライトをすべて手動でコントロールします。それがこのプラネの味なのです。
ところで、この県立で唯一のプラネタリウムはまだまだ元気で活躍中というのに、県の方針で2月末で閉鎖され、やがて天文台とともに撤去される予定だということです。アイザック・アシモフ氏の抗議文も県議会を動かすことはできなかったようです。議会や県庁が科学教育に無理解なのは本当に残念でなりません。
(1)回折格子の授業 小沢さんの授業報告
12月の研究大会で行った公開授業の報告。波動分野の授業展開のうち、回折格子の単元です。
まず、ロウソクを立てて注目させ、薄い布を通して遠くから輝く炎をながめると、縦横に虹を引くことを観察させます。これを導入に、同じ布にレーザー光をあてて投影された干渉パターンを観察、布の目を細かくした場合を予想して実験で確かめる・・・と生徒実験を中心に展開します。回折格子の式を力ずくでなく、天下りでなく、体験的につかませるのです。
戸田先生の手法にならった、モグサを焚いて煙をたなびかせ回折格子で分光された光の経路を見せる演示はなかなか効果的です。
例会の席では、実験や発問の適不適や、改良案などについて活発な議論がかわされ、有意義な発表になりました。
(2)オーストラリア日食報告 宮崎さんの発表
2002年12月4日南オーストラリアで皆既日食があり、観測に出かけた宮崎さんから帰朝報告がありました。今回の日食は,アフリカ大陸西方の大西洋上から始まり、インド洋を抜け、オーストラリアの中央南部で終わる皆既帯でした。気象条件や治安の問題からオーストラリア中央南部の海辺の町「セジュナ」(南緯32度,東経134度)が観測地に選ばれました。現時時刻で第2接触19時40分12秒、第3接触19時40分44秒、皆既継続時間は32秒と短かったのですが、皆既は部分日食とはまったく別の現象と思えるすばらしい体験だったと宮崎さんは語ってくれました。右の写真は皆既日食を見たという証明書です。
(3)オーストラリアで見つけたおもちゃ 宮崎さんの発表
宮崎さんが日食観測で訪れたオーストラリアでみつけたユニークなおもちゃです。左はバッタのイメージでジタバタ、右はイモムシのイメージでモッソリモッソリ動きます。いずれもゼンマイ仕掛けで金属製です。

(4)反磁性磁気浮上 右近さんの発表
2001年のPhysics Teacher誌12月号にノースダコタ州立大学のC.A.Sawicklが発表した実験の追試です。黒鉛の反磁性を利用して、ネオジム磁石を空中浮遊させます。上の大きなフェライトリング磁石の磁場で重力とつりあうあたりに、黒鉛のブロックでサンドイッチしたネオジム磁石を置きます。上の磁石の位置などを微妙に調整すると、ネオジム磁石は黒鉛ブロックのすきまでふわりと空中に浮きます。回転も電気的フィードバックも何もないのに、静かに安定してうかぶのです。
おりしも2002年11月に行われた続KBGK(高校物理現代化研究会)第124回研究会のおり、東大名誉教授の霜田光一先生が同じ実験を紹介され、戸山高校の吉澤さんがすかさず追試に成功、右近さんもこれにならったということです。
(5)
魔鏡 加藤さんの発表
加藤さん秘蔵?の魔鏡です。裏側は一見平面の金属鏡ですが、微妙な凹凸があり、太陽光にかざすと反射光が竜の絵になります。夜なのでOHPの光でやってみましたが、うまくいきませんでした。平行光線でないとうまくいかないようです。
(6)
人工猫目石 加藤さんの発表
人工の「キャッツアイ」です。反射光が猫の目のように光ります。上から見ると「テレビ石」のように下の文字が透けて見えます。違う方向では見えません。方向のそろった繊維状結晶からなるのでしょう。
(7)
イリュージョンリング 加藤さんの発表
一見ただの金の指輪ですが、ゆびにはめて回すとだんだん大きくなる(あるいは小さくなる)ような妙な錯覚におそわれます。光線の反射位置が変わるせいなのですが、いわゆる錯視を立体化したものとして楽しめます。
(8)3D地球儀 加藤さんの発表
ガラスブロックの中に閉じこめられたスケルトンの地球儀です。じつは埋め込んであるのではなく、外からレーザー光を当てて、「焼いて」作るのだそうです。後日の情報によると、フェムト秒レーザーの光線を二つに分け、ガラス内で結像させるホログラムの手法が使われているようです。ロシア製。右の3色のバックは加藤さんが工夫したものです。全反射で、見る角度により一斉に色が変わるように見えます。

(9)コインを飲み込む金魚 加藤さんの発表
厚紙でできた楽しいおもちゃです。平らに押しつぶして口の根本にコインをのせておくと、しばらくして起きあがりざま、空中に跳ね上げたコインをパクッとのみこみます。絶妙のタイミングに見物の一同は大いにわきました。
(10) パチンコ独楽 加藤さんの発表
パチンコ玉2個を小さなネオジム磁石でくっつけたダンベル状の物体。指先でひねるとくるくると独楽のようにスピンして面白いです。よく見ると回転しながら、一定の位置に模様が止まっているように見えることがあります。これは右の「ダブルフィルムケース」の実験で知られているものと同じであると考えられます。円柱の径と長さが適当な比になっているとき、スピンとローリングの位相が合って一定位置に模様が静止して見えるのです。
(11) 静電気の実験 黒柳さんの発表
青少年センターでサイエンスショーを担当している黒柳さんが、静電気実験のネタをいくつか披露してくれました。
サイエンスショーではやっていることが観客にきちんと見えるということが重要です。箔検電気も四方から見える大型のものでなければなりません。
左の写真は現秦野曽屋高校の高杉さん作品の巨大な「箔検電器」。箔の部分はチューインガムの包み紙の内側の紙をはがしたものです。2リットル三角フラスコにとりつけて使います。
下の写真はφ5mmくらいの発泡スチロール球をペットボトルにつめて、バンデグラーフ起電器の上に置く実験です。帯電して反発した発泡スチロール球は、きれいな曲線を描いてペットボトルの口から吹き出します。後の掃除が大変なのが玉に傷ですが、バンデグラーフのまわりの電場の様子が視覚的に伝わります。

こちらは別の実験で加熱時にうっかり割って底を抜いてしまった2リットルフラスコ。廃物利用で下のような実験に使っています。
線香の煙を満たした底なしフラスコを金属トレーの上に置き、上からも針金を差し込んで、トレーと針金の間にバンデグラーフの高電圧を加えます。すると、見る見るうちに煙が消えてフラスコ内が透明になります。煙のコロイド粒子が電極に静電吸着されたためです。いわゆる静電高圧空気清浄機の原理です。

(12) ASE Annual Meeting 大谷さんの報告
大谷さんは、ガリレオ工房の方々とともに、2003年1月3〜5日に英国のUniversity
of Birminghamで行われた、Assciation
for sceince education (ASE)のAnnual
Meetingに出席してきました。ASEは世界最大級の理科教育団体で米国のNSTAとも密接なかかわりがあります。
写真はそのプログラム。このほか、現地で仕入れてきた英国の中・高等学校の理科教科書などの披露がありました。
(13) 万札ローソク 越さんの発表
越さんは、勤務先の女子校での実践から「女の子にウケた実験ベスト10」をピックアップ、そのうち数点を実際に披露してくれました。
まずはじめは、流山南高の山本喜一先生に教えていただいたというネタです。1万円札を丸め、「ある液体」(?)を初めにつけてから、アセトンに少しひたし、火をつけます。火が消えた後、1万円札の運命は...?
実は「ある液体」はウーロン茶で、水や麦茶などでも構いません。表面のアセトンが燃えていても、水分が蒸発するまでは、お札の温度はあまり上がらず燃えません。「指マッチ」の実験と同じ原理です。
コツは、水は多めに、アセトンは少なめにつけること。指やお札は、鉛直に立てて行うことです。
(14) 火吹き市太郎(危険!まねをしてはいけません) 越さんの発表
エタノールを少量口に含み、松明に向かって霧状に吹きかけると、写真のような迫力ある炎を吹くことができます。去年の東葛地区の教研で、湖北高校の青木先生から教えていただいたとのこと。
授業では、爆発と燃焼のところで扱い、「液体のアルコールは良く燃える、霧状のアルコールは、もっとよく燃える、さらに、気体(蒸気)のアルコールは爆発する(空き缶と紙コップを使ったアルコール爆発)」、という流れで演示するそうです。ただし、薬品の性質や原理がよくわかって、熟練した人が行わないと危険です。体にも良くないので、越さん自身も滅多に行なわないようにしています。YPCではより安全な「火吹き専用燃料」の共同購入の動きもあります。
安全のためには、次のようなコツがあります。
・霧を吹いたあと、すぐに息を吸わない。
・体から松明を離す。
・サッカーのヘディングの要領で、あごを引き上半身を後ろに引いた状態から、体を前に出し、勢いよく霧を吹きだす。
・また、濃度の高いエタノールは、舌の上に乗せるだけで、喉のほうには決して入れないようにする。
・終わったらすぐにうがいをし、よく口の中をよく洗う。
・「良い子の皆さんは、絶対に真似しないように!」などと、生徒には厳重に注意すること。
(15)
超簡単熱気球 越さんの発表
ポリ袋と、針金1本、脱脂綿、セロテープで簡単に作れる熱気球です。よく知られている実験ですが、より手軽に行えるようにいくつか細かな改良が加えられています。
一本の針金を袋の底辺と直角に渡すようにとりつけます。袋の上部の両端(耳の部分(?))を、火をつけてから充分な浮力が得られるまで両手で保持します。スズランテープを針金と直交する位置にとりつけ、上昇中や下降中に本体が傾かないように持ちます。風のある屋外だと、ひもで係留するとかえって傾いてしまうので注意して下さい。授業では体育館で揚げているそうです。熱気球の真下に立っていると、融けた袋の雫が垂れてくることがあるので注意! 後ろの越さんによるコメント記事も御覧下さい。
(16)
天体観測会 青少年センター屋上天文台見学
例会の後、本館屋上にある天文室で、天文課の広瀬先生のご指導のもと、天体観察をさせていただきました。
左は15cm反射赤道儀で見た上弦の月。下左は20cm屈折赤道儀で見た土星。いずれもデジカメのレンズを直接接眼レンズに押しつけての手持ちコリメート法による撮影。ともにややピンボケでありますが、光量があるので簡単に写せます。
下右は天文室からみたみなとみらい21地区の夜景。中央がランドマークタワー、丸いのは大観覧車コスモクロック。

☆火吹き市太郎
去年の東葛地区の教研で、湖北高校の青木先生から教えていただきました。
エタノールを少量
口に含み、松明に向かって霧状に吹きかけると、
迫力ある炎に(なお、写真の本人は火傷していませんので、ご心配なく)。
授業では、爆発と燃焼のところで扱い、「液体のアルコールは良く燃える、霧状のアルコールは、もっとよく燃える、さらに、気体(蒸気)のアルコールは爆発する(空き缶と紙コップを使ったアルコール爆発)」、という流れで演示しています。
危険の無いように行なうには、次のようなコツがあります。
・霧を吹いたあと、すぐに息を吸わない。
・体から松明を離す。
・サッカーのヘディングの要領で、あごを引き上半身を後ろに引いた状態から、体を前に出し、勢いよく霧を吹きだす。
・また、濃度の高いエタノールは、下の上に乗せるだけで、喉のほうには決して入れないようにする。
・終わったらすぐにうがいをし、よく口の中をよく洗う。
・「良い子の皆さんは、絶対に真似しないように!」などと、生徒に言う。
よくわからないで、行なうと危険です。また、決して体には良くないので、私自身も滅多に行なわないようにしています。
☆超簡単熱気球
ポリ袋と、針金1本、脱脂綿、セロテープで簡単に作れる熱気球です。
授業ではスズランテープを取り付け係留式にし、体育館で揚げています。
熱気球の真下に立っていると、融けた袋の雫が垂れてくることがあるので注意!
針金は、図1のように曲げます。
図2袋の上部の両端(耳の部分(?))を、火をつけてから充分な浮力が得られるまで両手で持っています。上昇中や下降中に本体が傾かないように、スズランテープを持っています。この方法だと、本体が軽いので、ポリ袋は厚さ0.015[mm]でなくても0.02[mm]くらいのものでもできました。尚、使い終わった後は針金、スズランテープは再利用、ポリ袋は教室のゴミ袋として使っています。