YPCニュース
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3.11.15 横浜物理サークル発行巻頭言
亨 59-60
10月例会の報告
まとめby山本明利 編集by鈴木・市江 60-67
(1) 授業研究:理科基礎の電気単元
(2) 体感する力学的エネルギー保存
(3) 3種のモデルカー
(4) エコハウスモデル
(5) ハニカム構造
(6) 簡単モーター2
(7) 腰掛け人生
(8) スプーン曲げの力
(9) 簡単!安い!静か!シャボン玉発生器
(10) 迫力の3D投影
(11) 何かに使えないでしょうか?
(12) 都産業技術研での展示
簡単!安い!静か!シャボン玉発生器
越市太郎 68
迫力の3D!
越市太郎
68-69
東京都立・産業技術研究所(西が丘庁舎)の一般公開の見学
大谷京子 70-71
100円扇風機でできる「モーター転じて発電機」の実験
山本明利 72-74
「平賀源内」 石原純著「偉い科学者」より
75-77
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世の中,善意ほど始末の悪いものはないと思うことがある。善意の人たちが,よかれと思って,よってたかって事態をとんでもないことにしていることはあるまいか。高校新学習指導要領について,そのことをつくづく実感させられる。
旧課程の物理TB4単位,U2単位が,T・U3単位ずつに振り分けられ,事実,内容全体はそう変化ないにもかかわらず,新・物理Uの教科書が随分と分厚くなっている。
「専門的な内容は,理系進学を目指す生徒が選択する物理Uへ,基本的な内容を物理Tに」という,「善意」による。さらに,物理Tは「生活の中の電気」を第一単元とし,身近な題材を式を使わずに扱い,親しみを持たせて,物理離れを防ごうという純粋な「善意」に発している。しかし,皮肉なことに,準必修とされる理科総合A・Bの存在もあり,物理Tは2年生での選択が大半で,進路なり志向を絞ってから学ぶことになる。
また,物理分野を含む理科総合Aとは,必修でないゆえに連携を前提としていない。理科総合は,必ずしも理科を多く学ばない生徒のために最低限必要な教養的な色彩を持つ。これも,「善意」以外からは生まれようがない。
物理Uはというと,「物質と原子」と「原子と原子核」が選択となっている。教育課程審議会が,「生徒の能力・適性,興味・関心に応じて,その内容を部分的に選択して履修させるようにする」とした「善意」を受けてのことだが,物理は他科目より系統的色彩が強く,将来の基礎的内容を含む。力学と電磁気を選択にするわけにはいかないので,明らかに相互関連する原子分野を2つに引き裂いた。そしてそれぞれに固体物理や,宇宙創生などを加えた。これもおそらく「善意」に他ならない。それでも,一方のみ学ぶのではバランスを欠くという声も出て,最終的には,いずれかを選択する「ことができる」となり両方学ぶのが前提となった。これも「善意」に応えて,になろうか。
特定の誰が悪い,という犯人さがしは難しい。しかし,どうにもこうにもおかしな事態になっていることは間違いない。悪意に基づかないにしても,責任がないわけではない。ところが,それを明らかにし,改める仕組みはない。今の日本の経済や社会の行き詰まりをもたらしたことも,同じ構造に思えてならない。
この事態に対し,日本物理教育学会は,新課程で学んだ生徒達が受験する2006年度の大学入試において,範囲を限定し,現代物理の部分を除くよう,物理を入試に課す全国260あまりの大学と国立大学協会に宛てた要望書を,7月12日付で出した。これまで,文部大臣等,政府機関に要望書を出したことはあったが,異例のことである。追って,日本物理学会も同様の要望書を出した。
かりに大学側がこぞってその要望を受け入れたらどうなるか。高校でそれらの分野を全くやらなくなるのではないか,という恐れは当然生まれる。要望書を出すに至った関係者の動機は,暢気な善意ではない。そのことを承知の上での,やむを得ない緊急避難と考えている。もちろん,力学・電磁気を早々と終えて,入試問題演習ばかりやる学校が出てくることは避けられまい。確かに生徒にとって,大学入試は大きな存在であり,全く無視しても,高校教育は成り立たないだろう。
しかし,すべての高校の物理が,19世紀の段階でとどまってよいのだろうか。現代物理,原子・宇宙の分野は,それだけで十分,魅力的な素材だ。生徒の要求に応えつつ,真理の香りを嗅がせることは,物理教師としての真価が問われることになるかも知れない。
亨
10月例会報告(まとめby山本明利 編集by鈴木健夫・市江寛)
日時:2003年10月18日(土)15時〜
会場:県立新城高校
参加:計23人
内容:
(1)授業研究:理科基礎の電気単元 右近さんの発表
新課程の「理科基礎」を担当することになった右近さんは、得意の科学史で魅惑的な授業を展開しています。生徒に混じって聴講させてもらいたい内容です。以下、右近さん自身によるコメントを掲載します。
理科基礎の電気分野の授業実践報告です.新しく始まった「理科基礎」は科学と科学史が融合した,やり方によっては面白くなる教科だと思います.私の目指す教科「理科基礎」は,科学史を追って,その中に登場する有名な実験のいくつかを再現していく,というだけではなく,同時に生徒が例えば電気についての認識を深めていく過程として科学史を構成できないか,というものです.科学的認識の深まりの過程と実際の科学史の展開が,うまく対応しているな事例はそう多くはありませんが,17世紀から,19世紀初頭にかけての電気の歴史では,そうしたことが可能に思えます.
おそらく静電気は生徒にとってその原理がまるで理解できない不思議な現象でしょう.これは17世紀や18世紀の人々も同様です.そこで,彼らがどのようなアプローチをして静電気を解明していったかを学び,それを手がかりとして,電気を学習します.
古代人がコハクが小物体を引き付けることに対する驚きから始まり,ギルバートによる磁力と電気力は異なるという,はっきりとした認識,そして彼が考案したヴェルソリウム(versorium)を紹介します.実はヴェルソリウムはとっくの昔から理科の教師が使っているもので,方位磁針を乗せる台の針の先端に中心に穴を開けた絶縁体棒を置き,平面内で自由に回転できるようにしたものです.帯電体を近づけると棒は回転して振れます.その後電気には樹脂電気とガラス電気の違いがあること,物体には絶縁体と導体の区別があり,電気は導体を遠くまで伝わっていくことができること,電気はためることができること,ガラス電気と樹脂電気は正電気,負電気とした方がふさわしいこと,等をグレイ,ミッセンブロック,ダフィー,ノレ,フランクリン,らの実験や考え方を紹介しながら進めていきます.特にグレイの導体を伝わる電気の実験は,生徒にとって大変興味深いようです.ちなみにグレイは濡れた麻紐を乾燥した絹紐で吊るして,800フィートまで伝えることができましたが,導線と絶縁用のペットボトルを使ってその実験を再現しました.
現在進行中の「理科基礎」の授業は有名なJ.B.Conantによる"HARVARD
CASEHISTORIES IN EXPERIMENTAL SCIENCE"(1966年)にある"The
Development of the Concept of Electric Charge"から影響を受けています.科学史と科学教育の融合という視点は今一度見直してもよいのではないでしょうか.
(写真) 熱っぽく授業を語る右近さん(左)
ヴェルソリウムを使ったステファン・グレイの実験を、現代版の装置で実演(右)
(2)体感する力学的エネルギー保存 鈴木健夫の発表
2000年8月に浦和で行われた、「物理サークル交流会」(全国の物理サークルが集まって教材の交流等をした)で、愛知物理サークルの方が紹介したボウリング球の巨大な振り子。鈴木と喜多さんが一つずつを購入していました。あまりに重くて、持ち出せないので、他の会場ではできないため、今回新城高校で例会初登場となりました。
ボウリング用の球にドリルで穴を開けてがっちりとしたアイボルトをねじ込んであります。ひもは、φ15mm程度。両方向から織り込んでいてよじれないものを購入します。残念ながらひもの商品名は失念してしまったとのことです。これを教室入り口の梁にしばりつけて振り子にし、横に持ち上げて顔の高さの位置に持って、そのまま振り子状態で一往復させます。顔の位置を動かさなければ、顔の寸前まで戻ってきます。言葉で書くとどうということはないが、実際にやってみると、寄ってくるボールにはかなり恐怖感を覚えます。でも力学的エネルギー保存の法則を信じていれば絶対にぶつかるはずはありません。40人相手でやるのはきびしいが、選択の授業などで少人数なら、演示して体感させるのに最適な教材です。
例会では、最初はしゃがんだときの顔の位置からやっていましたが、その後、立った位置から始めると、恐怖感は格段の違いだということに気がつきました。水野さんは、この例会後に自分でボウリングのボールにドリルで穴を開けてさっそく自作したそうです。さらには、複数の振り子を作って衝突させることにも挑戦中のようです。今後の発表に期待しましょう。(持ってくるのが大変そうです。)
(3)3種のモデルカー 水野さんの発表
経済産業省・資源エネルギー庁が全国の中学校に「エネルギー教育用教材キット」を無償で配布するということで、水野さんは早速応募しました。送られてきたものは以下の4点でした。
1)「エネルギー理解促進ボードゲーム」(開発・作成:株式会社三菱総合研究所)
2)「燃料電池自動車キット」(開発・作成:大同メタル工業株式会社)
3)「水素エネルギーキット」(開発・作成:株式会社鈴木商館)
4)「光合成型太陽電池キット」(開発・作成:西野田電工株式会社)
水野さんはこれらのうち2)と3)を今回の例会で披露してくれました。
2)のモデルカーは燃料電池自動車「ピュー」として中村理科から\19800で発売されているものです。経産省は気前がいいです。水素を充填すると、燃料電池ユニットが発電した電流でモーターが回り、車が走り出す。ただし、1回に充填できる水素の量が僅かなため走行距離はあまり長くはありません。
2)の燃料電池自動車(写真中央)と比較する意味で、同じモデルカーを使ったソーラーカー(写真左)と、乾電池駆動のもの(写真右)と並べて、作動させてみました。水素が供給されていれば、燃料電池車のパワーは他に比べて遜色はありません。
ちなみに使用した燃料電池は、固体高分子型の3セル構造で、説明書によると出力は以下の通りです。
単セル 出力0.6〜0.7V 0.15〜0.2W
2セル 出力1.2〜1.4V 0.3〜0.4W
3セル 出力1.8〜2.1v 0.45〜0.6W
この燃料電池は大同メタル工業株式会社で、1万円(水素ガス缶1本付き、消費税別)で販売されています。
(4)エコハウスモデル 水野さんの発表
上の発表の続きです。3)の「水素エネルギーキット」の本体は、いわゆるエコハウスです。屋根に設置した太陽電池で発電し、その電流で水の電気分解をおこなって水素を発生させ、上と同じ燃料電池ユニットに導いて発電し、室内のプロペラを回すという装置です。例会では、太陽の代わりに500W電球の光を太陽電池に当てて発電させましたが、やや光量不足のようでした。やはり太陽は偉大です。
(5)ハニカム構造 車田さんの発表
夏休みに、日本科学未来館にて「夢化学21」という実験コーナーのイベントで出展していた「昭和飛行機」が、ハニカム構造の高剛性・衝撃吸収性・整流性・散光製の特徴を示すハニカムの紙細工を来館者に配布していました。未来館のボランティアスタッフでもある車田さんは、これを大量に仕入れてきて、例会で配布してくれました。
イベント終了後に分けてもらったという展示物の一部、アラッミッド紙を使ったハニカム構造と、アルミ製のハニカム構造のサンドイッチパネルも見せてくれました。ハニカムをガラス繊維の板でサンドイッチすると、軽いのに驚くほど強靱な板ができます。その優れた特性を生かして、飛行機の床・壁材のほか、鉄道車両のドア、パラボラアンテナの構造材、レーシングカーやヨットのボディ、スキー板など身近なところでもたくさん使われています。やはり実物は教育的です。
詳しくは、昭和飛行機のHPを参照してください。
http://www.showa-aircraft.co.jp/products/honeycomb/index.html


前回、佐藤さんが発表した簡単モーターにさっそく改良を加えてみました。材料に画びょうを1つ加えるだけで作製が一段と簡単になります。磁石が電池と画びょうを磁化するので、落下防止にもなります。左の写真は鎌倉学園科学同好会の中学生の作品です。バランスよく作るのがちょっと難しいですが、いろいろなバリエーションが期待できます。右の写真は高校生の作品です。フィルムケースを使ったもので、比較的再現性が高く小さい子供でも容易に作れます。アルミはくをコの字型に貼り、左右ともに下を10mm程度余らせてブラシにします。上から画びょうを刺して本体を支えます。(このとき画びょうをみがいて接触を良くしておくのがポイントです。)磁石はフィルムケースの径に合った直径30mm、厚さ10mmのフェライト磁石(二六製作所で1個¥70)をアルミはくできれいに包んで使います。
このモーターは、ほとんどショート回路と同じなので、電池の発熱には十分注意する必要があります。写真ではアルカリ電池を使用していますが、例会の議論では、発熱の危険性が大きいので、マンガン電池に換えるべきだという指摘がありました。
両タイプとも12月23日に行われる「湘南台・科学お楽しみ広場」に出展の予定です。
(7)
腰掛け人生 渡辺さんの発表
前の人が後ろの人の膝の上に腰をかけて、その膝の上にまた前の人が腰をかけて・・・・これをずーっと繰り返していって、一周して輪にすると、全員が後ろの人に体重をあずけて、椅子がなくても助け合って腰掛けることができる。これをパズルのようにして製品化したおもちゃがある。名付けて「腰掛け人生」。なんともユーモラスだが、力学の教材になるだろうか。何か授業利用の名案は?むしろ道徳の教材かも・・・という声もありました。
なんでもすぐにやってみたがるYPC、さっそくその場で「人体実験」。人数が少ないと結構つらいということもわかりました。大勢で助け合うことが大切なのですね。
(8)
スプーン曲げの力 渡辺さんの発表
超能力の古典ワザともいえる「スプーン曲げ」。「実はてこの原理」と説明されますが、定量的にはどういう力関係になっているのでしょう。いままでだれもちゃんとやっては見なかった測定に渡辺さんがイージーセンスと力(ちから)センサを使って挑んでみました。左の写真のように力点・支点・作用点(上から順に仮にそう呼ぶことにする)の三箇所に力センサを置き、スプーンが曲がる瞬間の力の変化を自動記録して分析しました。座屈(バックリング)が生じるとき、力点20N、支点34N、作用点13Nの力が加わっていることがわかりました。力点+作用点=支点というのはセオリー通りです。
スプーンの柄の先を右手の小指で支えることにより、指の負担を減らしつつ曲げのモーメントをかせいでいるわけですが、同じモーメントを小指を使わずに作り出そうとすると、支点からの距離の違いにより、中指で加えなければならない力は小指の場合の10倍近くになります。支点の親指への負担もその分増えるわけですから、指が力に耐えられなくな
るのです。これがスプーン曲げの力学的ヒミツだったわけです。
写真右はスプーン曲げの力学について熱心に議論するYPCの面々。
(9)簡単!安い!静か!シャボン玉発生器 越さんの発表
野田高校の文化祭のために作った自動シャボン玉発生器。文化祭当日は、実物大トトロが正門内でシャボン玉を吹き出しながら来場者を出迎えました。女子高生が作ったトトロもよい出来で一緒に記念写真をとったり、トトロに抱きついている生徒もいたといいます。
シャボン玉発生器の方は三本松高校のホームページ(http://www.kagawa-edu.takamatsu.kagawa.jp/sankoh01/)で紹介されていたものに、野田高の青木先生が改良を加えたものです。使用したボックス扇風機は楽天市場で880円で購入したものです。材料費は全部で2000円以内、製作時間も90分くらいだといいます。模型用のギヤーボックスなどを使用していないので音も静かです。後ろに越さんのまとめがありますので、ご覧ください。
(10) 迫力の3D投影 越さんの発表・紹介
金沢の工房ヒゲキタの北村さんが科学の祭典でやっていた3Dプラネタリウムには衝撃を受けた人が少なからずいるでしょう。赤青のセロファンをかぶせた二個の豆電球で立体物の影をドームやスクリーンに投影し、これを赤青セロファンのメガネで両眼視すると、影の部分が立体的に見え、まるで自分がその立体物の中にいるような錯覚をおぼえるというものです。
これに感動した越さんは、北村さんと連絡をとり、さっそく投影器と立体を自作し、内容を多少アレンジして野田高の文化祭、天文部でやってみました。出し物は 結晶格子の中に入る、恐怖の手、巨人の足、スターウォーズオープニング、恐怖のジュラシックパーク、迫りくるJAWS、などです。プラネタリウムのドームスクリーン一杯に広がる3D
映像に観客は大喜びでした。
写真左は立体映像を見て素直にはしゃぐYPCの面々。例会では教室内のスクリーンに投影しましたが、家庭でも広めの白っぽい壁や天井に投影すれば大迫力3Dが楽しめます。なお、北村さんは3Dプラネタリウムの宅配や自然工作教室もやっています。詳しくはhttp://homepage2.nifty.com/ikebon/higekita1.htmを参照してください。
後ろに越さんのコメント記事があります。
(11) 何かに使えないでしょうか? 益田さんの発表
「ゆびのりピピ」という玩具です。東急ハンズ等で¥680円(税別)山ほど売られています。懐かしいと感じる向きもあるでしょう。
裏側に電極が2つあり、皮膚に接触して通電があると「ピピ」と何回か鳴きます。接触回数によっては歌を歌ってくれます。種類によりレパートリーはいろいろです。
益田さんは、化学で電解質の見分け方などに使用できるかと思ったそうですが、感度が良すぎて水道水でも鳴いてしまいます。皮膚でOKなのだから当然と言えば当然です。高感度導通チェッカーの機能は、何かに使えないでしょうか。
(12) 都産業技術研での展示 大谷さんの発表
大谷さんは、科学が実際にどう使われているのか知りたくて、産業技術研を見学してきました
大谷さんが手にしているのはいわゆる「熱転写プリント」です。ただの転写ではなく実際に布地が染まるのだといいます。染料で模様が印刷されている紙を布にあて、アイロン(約180度)、30秒程でこすると、かなりきれいに染まります。紙なので、蝶の形など、好きな形にできます。 アイロンが使えるよう、180℃付近を、染料の「融点」にしてあるということでしょうか。(大谷さんのコメント記事が後ろにありますので、ご覧ください。
越 市太郎
野田高校の文化祭で作りました。文化祭当日は、シャボン玉をやっている実物大トトロ(ねぶたの張りぼてを作る要領で骨組みを作り、(女子高らしく)お花紙の花で全身を飾り、フワフワの肌触りにしました。一緒に記念写真をとったり、トトロに抱きついてる生徒もいました。)が正門内で待っていました。このシャボン玉発生器は三本松高校のホームページ(http://www.kagawa-edu.takamatsu.kagawa.jp/sankoh01/)で紹介されていたものに、野田高の青木先生が改良を加えたものです。使用したボックス扇風機は楽天市場で880円で購入しました。材料費は全部で2000円以内です。製作時間も90分くらい。また、模型用のギヤーボックスなどを使用していないので、音も静かです。
越 市太郎
金沢のヒゲキタ(北村)さんが科学の祭典でやっていた3Dプラネタリウム(当日は、プラネタリウムなのに中から悲鳴が聞こえてくるので、何をやっているのかと思って入ってみたら、自分も悲鳴を上げてしまいました?!)ものを自作し、内容を多少アレンジし、野田高の文化祭、天文部でやってみました。ドームは、直径4[m]、高さ3[m]、定員約15のエアードームで、4〜5台の扇風機で側面の穴から風を送り込み、内圧を高めて半球形に自立させます。このエアードームについてはYPCニュースNO.176、2002年10月の例会の報告でも紹介されています。ドーム内で3Dの投影を行うと、頭の上まで立体像が迫ってくるので、大迫力です。
結晶格子の中に入る、恐怖の手、巨人の足、スターウォーズオープニング、恐怖のジュラシックパーク、迫りくるJAWS、などの影をセロファンの赤青メガネをかけて見ると、プラネタリウムドームスクリーン一杯に3D映像が見えます。例会では教室内のスクリーンに投影しましたが、家庭でも広めの白っぽい壁や天井に投影すれば、立体像は見られます。ただ、平面に投影した場合は、周辺部がより拡大され、像がゆがんだ感じになります。尚、北村さんは3Dプラネタリウムの宅配や自然工作教室もやっています。詳しくはhttp://homepage2.nifty.com/ikebon/higekita1.htmをご覧下さい。
光源は、7.2[V]、0.8[A]程度の明るめのサーチライト用のものを2個くっつけて固定し、赤・青のセロファンで周りを覆いました。電球からの直接光が見えてしまうと影が見にくいので、周りにフードのような覆いをつけておくといいでしょう。電源は乾電池(アルカリ、単1がいいでしょう)4本や、6[V]程度のACアダプターを電球に直接つなぐか、50[Ω]程度のボリュームをつけます。ボリュームはなくても大丈夫ですが、微妙に明るさを調整したほうが見やすくなる場合があります。
普通の赤・青豆電球(2.5[v])でも何とかなりますが、赤青の明るさを調節する必要があり、10[Ω]程度のボリュームをつける必要があります。
点光源でないと、影の輪郭がぼやけてしまうので、なるべくフィラメントの小さな豆電球がいいでしょう。高輝度の発光ダイオードではやってみたことがないので、うまくいくか、わかりませんが、高出力の豆目電球のほうが、輝度が高いのではないでしょうか。
手、足、全身、厚紙でジョーズ、スターウォーズの巨大宇宙船(もどき)、針金で恐竜、発泡スチロール球と木の丸棒で結晶格子、発泡スチロールと厚紙で土星、発泡スチロールのブロックで「ブロックホール」、いや「ブラックホール突入」など、動きで奥行きを表したり、元々形に奥行きのあるものなら、たいていは、面白く投影できるでしょう。また、BGMや効果音(悲鳴など)をつけると盛り上がります。
光源
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7.2[V]、0.8「A」程度の明るい豆電球2つをくっつけて並べる。 電源はアルカリ乾電池4本か、6[V]程度のACアダプターを用いる。 |
大谷京子 「理科って何に使うの?」と生徒に聞かれて、答えられなかったことが幾度かありました。その答探しと、興味から、「科学が、産業にどう使われているのか」を、見に行ってきました。 この研究所は、今年の「青少年のための科学の祭典・全国大会」で知りました。 都内の中小企業を、産業技術の面から支援することを目的にする試験研究機関とありました。技術的問題の相談・指導、依頼試験、研修などを、行っているようです。 以下、見たものを、紹介します。 1.熱転写プリント 布を染める方法の1つ。紙に、模様として染料が塗られてある。これを、布にあて、アイロンを30秒程かけると、かなりきれいに染まる。 紙なので、蝶の形など、好きな形に切れるので、型紙としても使えるだろう。アイロンの温度(180℃)で、染料が溶け、布に染まるのだから、染料の「融点」を180℃付近に開発したということか。欠点は、ポリエステル布にしかプリントできない。木綿はだめ。 2.超音波の利用 (1)接着…超音波を利用し、クリアファイルの端の接着を、実演してもらった。もっとも、大きな機械があるだけだが。接着剤が不要なのが利点。超音波は、40kHzを利用。歯磨きやからし等のチューブの後部の接着も。接着部を振動させ、溶かし、固めるということか。超音波は、通常、20KHz以上をいい、人に聞こえない。私は、12KHzのあたりから聞こえなかったが。 (2)洗浄器…メガネなどのレンズ表面の洗浄でお馴染み。38KHzを利用し、超音波としては、低い方だそうだ。 半導体洗浄にも使われ、やはり、添加物が不要なのが利点。(1M〜2MHz)。 興味深いのが、超音波での振動時、微小部分で6000℃くらいになり、暗い所で見ると発光するのが見えるらしい。「超音波洗浄器」を持っている人、試して報告、よろしく。 (3)流速計、風速計…原理としては、発信機、受信機間で、流体内の音速を計測する。従来、流れる液体の管の途中に、計測機器等を入れる工事が必要だったが、管の外側に機器をとりつけるだけでよいのが利点。また、直径0.08mmの細さの管の流体でも、計測できるそうだ。不思議。技術ってすごい。 (4)超音波モーター(試作品)…振動数により、モーターの回転数も変化できるらしい。 動作原理はよくわからない。(子供向けのコーナーの方で忙しそうで、質問できなかった)歯車不要で、小型化、省力化が、利点とのこと。 3.静電植毛 人形表面やカメラの内側などに、細かい毛を、均等に接着する技術。予め植毛する物に、接着剤をつけておくが、その後3000Vに、帯電させて、毛をくっつける。ここは、具体的には、見てないが、静電気が産業利用されている例として、おもしろかった。 4.微小サイズの測定と温度 0.1マイクロmの精度で、長さを測定する機械は、机ほどの大きさ。1マイクロm精度のマイクロメーターは、手で持てる大きさなのだが。この測定機は、両側からの円筒部(直径1cm位)で、はさんで長さを測定。長さ5cmの基準用の直方体の金属を測定していたが、デジタル表示板では、49.9999mmとなっていた。0.0001mm、収縮していた! これは、通常は、部屋を20℃に保っている。人がたくさん入ると、送風機が自動稼働し、ちょうど、測定機に風があたり、温度が下がり、体積が収縮したらしい。 そういえば、「体膨張率」ということばがあった。当時、小数点以下の計算が、計算のための計算にしか思えなかったのだが、違うのだ。必要なのだ。 ここでは、会社などから依頼された部品の測定をする。依頼された部品は、このため、1日、この部屋に置いて、20℃で安定させる必要がある。 基準用の金属直方体の話だが、この表面を平らに磨くのは、機械ではできず、熟練した人が磨いたという。人間の感覚と動作が、0.0001mmの精度で平らにしあげる。TVでは聞いたことがあったが、ここでは、自分の目で実物を見ることができた。 粗い精度で、表面が平らか調べる方法として、「光の干渉」を利用すると聞いた。頼んで見せてもらった。直径1cm程の面に、1cm位の厚みのガラスを置き、干渉縞の数で判定する。もし、金属表面に凸部があれば、金属表面とガラス底部の間での光の干渉が起こり、干渉縞が見えるのだ。干渉縞1つで、約0.3マイクロmの凸部があると考える。 高校生の時から、ニュートンリングの干渉縞は、いったい何に使うんだろうという疑問を持ち続けていた。やっと、意味がわかった。科学の目的が必要だったのは、私の方だったのだろう。この時、縞は2〜3本見えた。 5.その他 三宅島や新島で採れる火山岩や火山灰を使ったガラス製品の開発。どう動かしても、同じ方向を向くからくり人形(指南車)。どこでお茶を取っても、ある距離を進むとUターンする茶運び人形等の展示。その他。 見学できたのは、全体の半分もなかったが、じっくり説明をきけたので、理解しやすかった。見学目的も達成。もちろん、まだまだこういう見学は、続けるが。 6.日時と場所:10月6、7日(月、火)。 北区西が丘3-13-10。都営地下鉄三田線、板橋本町下車徒歩15分。