大倉流小鼓方の久田舜一郎です。
私は、能楽小鼓の大倉流十五世宗家・故大倉長十郎師のもとでの十年の内弟子生活をふくめて、五十年の舞台生活を続けてきました。
現在も大阪を中心に能の舞台で小鼓を務めています。
小鼓はさまざまな芸能に用いられますが、能の七百年の歴史と共に発達してきた打楽器です。原型は大陸から伝わったのですが、この湿り気のある風土ならではの発達をとげ、独特の音色を出すようになりました。
あのやわらかくて広がりのある「ポン」という音には多くの日本人が郷愁を感じるのではないでしょうか。
しかし、世の中の変化にともない長く続いてきた多くの文化が急速に失われようとしてい ます。
鼓も身近な世界からしだいに遠ざかっているように感じられるのが残念です。
そのような思いから、私は鼓の新たなファン層を広げる努力もしております。能楽堂以外でも、音楽ホールや美術館、ギャラリーなど美しいものの好きな方々が集まられる場所で、「能の音楽シリーズ」としてコンサートをプロデュース、演奏しています。
また、鼓を演奏する楽しさを通して息の長いファンが多く育ってくれればと願いつつ、その輪を広げるべく、日本各地に小鼓の指導に出かけています。
私の長女・久田陽春子も同じく大倉流小鼓方であり、また、門下であった高橋奈王子も玄人に育ち、舞台に指導に活動しています。
私ども三人の門下一同を「松月会」と申します。名のごとく線太く、墨絵の様な幽玄な芸世界を理想としています。
この「松月会」のホームページを通して、能や小鼓の世界にふれていただき、私どもの活動に応援や参加をいただければたいへん嬉しく思います。
